13~28集
やっぱりもう見終わってしまいました。私の好みにぴったりで、ブレーキがかけられなかった。
このドラマ、中盤以後も緊張感は薄くならず、スピード感のある次の展開への期待を持って最後まで濃密なドラマを楽しめました。
ミステリのネタを割るのはルール違反なので、もちろん「最後にどうなったか」には触れませんし、714槍案の裏にあったものにもふれません。それ以上に興味を持たれた方はぜひご覧になっていただきたいのです。
でも、何がおもしろかったか・・・中身抜きでどこまで文章にできるかわかりませんが、がんばってみます。
このドラマはもちろんアクションドラマ、サスペンスドラマなのですが、登場人物たち皆が「自分は何者か」「自分はどこに立って、どこをめざしていくのか」「周囲の人は自分にとって何者なのか」と迷い続け、最後に答えを見出していく物語でもあります。「回来了」「回家了」という言葉が何度も出て来るのが印象的でした。
このドラマの主人公秦馳は714槍案の謎を解明し、自分への疑惑を晴らし仲間たちの無念を晴らしたいと考えている。けれど、その障害になっているのが自分自身の体調。頭に弾丸を受けて記憶がはっきりせず、時に幻覚まで見えるようになり、特に個人生活の部分や人格が事件以前とどう変わったのか自分でもわからない苛立ちを抱えてる。そのうえ、脳内にとどまっている弾丸の破片が動いて死に至るかという不安、自分だけ生き残ったことへの負い目も抱えています。
その秦馳のところに転がり込むことになった陳蕊も兄を殺したのが警官だとしても、そう仕組んだのは誰だったのかを考えるようになっている。兄妹の両親が殺された9年前の事件まで遡って、彼女も自分の立ち位置を探し続ける。
秦馳の部下路銘嘉は、もともとチームの新人で張譯に理想の刑事像を見ていた。秦馳の助理として共に行動するうちにあこがれから疑惑に揺れ、ダーティー・ハリーもどきに暴走し、やがて自分の立ち位置を見出す。
714以後、西关刑偵支隊支隊長になった胡一彪も潜入捜査時に壮絶な経験をしている。現状で秦馳の直属の上司というわけですが、彼も内密の指示を受けていて、それと秦馳たちとの間に立つことになっています。警察内の内部調査チームにいる元妻も、自分たちはなぜ離婚することになったのかという元夫の質問に揺らいでいます。
こういう登場人物一人ひとりの人生や心の動きが丁寧に描かれています。
こちらの話がしっかりしているからこそ、714槍案がだんだんと解きほぐされていく道筋やそれ以外の事件へのアプローチにも一層面白みが出てきます。
ラスト近くの怒涛の展開はもちろん、それに至るまでの積み重ねがサスペンスドラマ好きには堪えられない作品となりました。
714槍案の激しい銃撃戦や車の爆発など火器を使用してのアクション場面も迫力があってよかったのですが、一対一の戦いのシーンが見どころでした。ほんとに痛そうで・・・
アクションもいいし、キャラの設定や科白もいいし、ミステリの展開~謎の提示から解決までのスピード感とむだのない伏線にも満足。
個人的には「慶余年」「唐人街探案」「風雲戦国之列国」につぐ今年4本目のお気に入りです。今年はペースが速いw
演員と職員ですが、前述した「琅琊榜」出演の二人の他にも、よく確かめたら以前に見てる俳優さんもけっこうたくさんでした。スタッフは「白夜追凶」のチームで丁寧なつくりに安心感がありました。
注目は主人公秦馳を演じる張譯が芸術総監も務めていることです。俳優自身がドラマや映画の製作にかかわることが多いのですが、芸術総監とか脚本などにかかわるとその人の目指すところが見えてくるようで興味深いです。感心することもあれば、がっかりすることもw
張譯は紅海行動で隊長を演じてた人ですね。陳蕊の趙今麦は「流浪地球」のヒロインと後になって思い出したw
個人的には、陳蕊の兄で714槍案で死んだ陳夕を演じた趙達が印象的でした。この人、黄暁明版の「鹿鼎記」以来「大江大河」とか「琅琊榜之風起長林」で顔なじみなんですが、どんどん個性的でいい俳優さんになっていく感じで好ましいです。今回も出番は多くないけど記憶に残るいい役でした。
演 員 角色
张 译 飾 秦驰
赵子琪 飾 冯潇
张昊唯 飾 路铭嘉
刘冠成 飾 胡一彪
程小蒙 飾 夏雨瞳
赵今麦 飾 陈蕊
江柏萱 飾 邱冬阳
吕 凉 飾 路正刚
高 捷 飾 宫永年
潘粤明 飾 关宏峰
李宗翰 飾 薛冬
徐 佳 飾 姜淮
赵龙豪 飾 程岩
赵 达 飾 陈夕
冯 晖 飾 刘汉森
职员表
制作人 敦淇、张为为(总)、张继东、刘海英、水磊、王平
監 制 谢颖、张蔚、马玉宝(总)
導 演 杨冬、王鹏、单博(A组执行)、安万德(B组)、李国海(执行)
編 劇 指纹
芸術指導 张译(芸術総監)
美術設計 董浩(指导)、王璐、张晨、袁泽(执行)
動作指導 杨丙生、杨砚民