1~12集(大結局)
紫金陳の推理小説「坏小孩」を原作にしたミニシリーズです。「坏小孩」を「悪い子たち」と訳すか「悪ガキども」とするか「ダメな子ども」とするか・・・まったく受け取る感じは違ってきますね。一体この子達をどう表現すればいいのか・・・
ともかく殺人を犯した中年男とそれを偶然ビデオに撮った三人の少年少女、その家族たちが巻き込まれていくドラマです。
短いこともあって、数日でクリア。
この「隠秘的角落」を含む「迷霧劇場」というシリーズなんですが、他のドラマも見たくなってきました。
主役の三人の少年少女、一人は両親の離婚後母親と暮らしている少年朱朝陽。数学の才能は高いけど、友達はいない。彼の元に突然現れたのはかつての友人で今は孤児院にいる厳良。父が陳冠声に逮捕されて、彼は孤児院に入れられ、ずっと父親の居所を探している。もう一人、厳良が孤児院から連れて逃げてきた普普。彼女は両親の死後弟と別々に引き取られ、弟は養父母の元にいるが病気になっても手術する費用を出してもらえず、彼女は弟を助けようと厳良と共に逃げてきた。
二人で逃げたとしてもまだ中学生の厳良と小学生の普普にどうしようもなくて、とりあえず以前に厳良が住んでいた町に来て、朱朝陽の助けを求めます。この朱朝陽の母周春紅は仕事や自分のことにかまけて、勉強勉強というだけで子どもを見ているわけでなく、夜もいないことがあるので彼らには都合がよかったのです。
三人が普普の弟を励ます動画を撮ろうとしたちょうどその時、妻に離婚を迫られた張東昇が妻の両親を山の上から突き落とす。この場面を撮影したビデオを使って、殺人犯をから大金を手に入れようと三人が考えます。
これに朱朝陽の実父朱永平と再婚した妻王瑶と娘、厳良の父をかつて捕らえた陳冠声、娘が朱朝陽と同級生の警察官葉軍らの大人の動きが重なって、だんだん子ども三人の手には負えないようになってきます。
そもそもの犯人張東昇には秦昊。いろいろな役に挑戦する彼ですが、初めは子ども相手と高をくくっていたのが徐々に狂気をはらんでくる演技はさすがです。それにしても、今回の造形にはびっくりしたw何でもやる人だ・・・
その秦昊の演技を正面から受け止めることになる厳良の史彭元と朱朝陽の栄梓杉、厳良は野生的で衝動的、朱朝陽は色白な優等生で引っ込み思案と対照的な二人です。年がばれますが、この男の子二人の組み合わせに「小さな恋のメロディ」のマーク・レスターとジャック・ワイルド思い出した。
厳良も朱朝陽もタイプは違えどものぐるしいものを抱えていて、それがドラマの進行と共に張東昇の抱える狂気と絡みながら、刻々と変容していきます。この3人の変容を追うだけでもドラマを完走した値打ちは十分にありました。
彼らだけでなく、彼らを取り巻く人々の多くがまた狂気をはらんできて、息苦しいほどになってきます。
一番年少の少女普普の王聖迪も頑張ってました。メロディのトレーシー・ハイドとは全く違うキャラだけど、この子がけっこうなファムファタル・・・
朱朝陽の母周春紅は劉琳、「琅琊榜弐」の莱陽太夫人の中の人。葉軍には「将軍在上」「九州海上牧雲記」「長安十二時辰」と日本でも露出が増えてきた蘆芳生。陳冠声には多くのドラマや映画で顔なじみの王景春。
少しだけ終わりの方に触れますが、これもまたある意味「視聴者のご想像次第です」という終わり方と思うのです。「陳情令」の中文版のように視聴者が気持ちよく想像できるというのではなくて、ぞわぞわ来る終わり方をしているのですが・・・視聴後の意見交換したくなりました。
決して楽しいドラマではないですが、お薦めできるドラマだと思うので、どなたかご覧になりませんでしょうか?
一つだけ楽しい話題を・・・葉軍に朱朝陽ってどんな子だと聞かれた娘が「還珠格格も見たことない子」と評するのです。この子達の年齢だと生まれるずっと前なんですけど、友だちを表現するのにポッと出てくるんですね、さすが「還珠格格」w
演 員 角 色
秦 昊 飾 张东升
王景春 飾 老陈(陈冠声)
荣梓杉 飾 朱朝阳
史彭元 飾 严良
王圣迪 飾 普普(岳普)
张颂文 飾 朱永平
刘 琳 飾 周春红
芦芳生 飾 叶军
李 梦 飾 王瑶
黄米依 飾 徐静
林 鹏 飾 景区马主任
職員
出品人 龚宇
制作人 卞江、卢静、杜翔宇、戴莹、何俊逸(总制片人)
监 制 王晓晖、韩三平、张勐
原 著 紫金陈
導 演 辛爽
編 劇 胡坤