42~48集(大結局)
一気にラストまで完走。おもしろかったです。
蕭燕燕が太后となって、息子の耶律隆緒を支えて、実質的に遼を統治していった時期が描かれた最終部分です。
契丹人の既得権を守ろうとする勢力、新しく遼の国民となった漢人等も同じように扱うべきだという勢力の対立。それとともに、喜隠父子の死を恨む烏骨里の燕燕に復讐しようという陰謀、それをまた利用する蜀王の企み等が描かれ、燕燕の周囲には陰謀と危険があふれています。
彼らの企みをかいくぐって、新皇帝と太后による政治を確実なものにしていきます。その間に姉二人とのつながりは断たれていく。
燕燕に毒酒を飲まそうとした烏骨里は企みが暴かれて自ら毒を飲み、これに関わった宗族たちにも処分が下されます。そして、烏骨里の死を見た胡輦は、北方を守ると上京を去っていく。
ここでの注目は、烏骨里にしても、胡輦にしても、亡き夫から受け継いで兵権を持っていることです。胡輦はこの後、北辺を強固に守っていきますが、燕燕との姉妹の関係は断絶したまま好転しません。
丞相としてなんとか新しい体制を確立しようとする韓徳譲は、彼ら旧守派に漢奴の言うことなど聞けぬ(韓徳譲の祖父は漢人で奴隷として連れてこられたところからのし上がった)といちいち侮辱され、思うようにことが進められない。
彼の苦労を思う燕燕に、二人のこれまでを思いやった息子の皇帝が、好きなようにすればいいと母親の背中を押す。
そして、韓徳譲に相談することもなく、婚礼衣装を着て、韓府に婚礼行列を率いてやってくる燕燕。これ以後、彼は太后の夫という地位を得、燕燕の息子である皇帝たちは彼を「叔父」と呼ぶことになります。もちろん、これを喜ぶ宗族はいないわけで、耶律休哥たちはしっかり対策していかねばと話しています。
一方、北方では胡輦が、草原の純朴な美青年撻覧阿鉢と出会い、たちまち彼に惹かれるようになります。ただの馬奴だった彼をいきなり将軍にして寵愛、周囲の顰蹙をかっています。ですが、これまで母亡きあとにずっと家を守り、妹を守り、死んだ夫の残したものを守ってきた胡輦が生まれて初めて自分の気持ちに素直に従った結果でもあり、いい若者と出会ってよかったね~という気もする視聴者。
この胡輦と撻覧阿鉢の関係は男女が逆ならなんにも珍しくはないのですが、これを若い男を恋人にして・・・と見る自体が1000年前から変わらない差別意識でしょうか?
燕燕の一方的な輿入れは、元々彼らは恋人同士だったこと、耶律賢が死に臨んで二人が結ばれることを望んでいたこと、息子が後押ししたことを理由に心温まるエピソード化してますが、周囲の家臣たちにしたらどっちも一波乱不可避でしょうね。
そして起こるのが南人つまり宋との戦争。宋に対して、燕雲十六州を渡すことはあり得ないと兵を動かします。その軍議をする遼朝廷で、皇帝は疑い深い、軍の中枢でも対立とかさんざんにこき下ろされている大宋帝国w
楊家将も出てくるかなと思いましたが、名前も出てこないうちに、敗退していきました。
中央集権を図る朝廷は宗族が持っている兵権を朝廷に差し出させようとしている。その一つが胡輦の持つもの。久々に姉妹の対面をした燕燕と韓徳譲はあまりに礼儀知らずな撻覧阿鉢にあきれる。
そして、胡輦についてやってきた上京で撻覧阿鉢は胡輦から兵権を取り上げようとした皇帝隆緒を襲うという事件を起こす。兵権と交換に撻覧阿鉢を助けようとした胡輦だったが、それは通らない。胡輦は処刑されようとした彼を助けて、上京を脱出し、軍を起こすが、結局は朝廷軍の攻撃の前に恋人を殺され、幽閉されることになる。
こうして二人の姉を失った燕燕のそばには、変わらず韓徳譲がいる。
死を間近にした燕燕が「最後の気がかりがある」というと韓徳譲がわかっていると答え、幽閉されている胡輦を訪ねます。この場面、原作では韓徳譲が毒酒を持ってくるそうで、彼女は死に際して、撻覧阿鉢のそばに葬られることを望んだとか・・・罨撒葛より打算も何もなしに愛してくれた男を選ぶのは不思議ではないですね。まあ、ドラマではこういう展開にはなっていません。
なかなか陰惨な話が続くとも言えますが、その合間に耶律斜軫や皇帝隆緒のかわいい恋愛模様も取り入れて、雰囲気を和らげています。
この耶律隆緒、母から政治をすべて受け継いだ時はもうかなりの年齢になっていたのですが、母や周囲の薫陶が良かったのか本人が優秀だったのか、中国の歴史に二人しかない「聖」の字のつく廟号を持つ名皇帝ということになっています。
ドラマは澶淵の盟の締結、燕燕の死、それに次ぐ韓徳譲の死がナレーションで語られてて終わります。韓徳譲も燕燕の墓に陪葬されたとかという話で、冒頭の引き裂かれた恋人たちが最後に一緒になれるという恋愛ドラマお約束的展開。
どうも私は唐嫣が主演するドラマ(と言っても古装劇限定)が最後まで見られないというジンクスを持っていたんですが、今回はたっぷり楽しんで見終わることができました。
これで、残るのはただいま三連敗、いや四連敗中のあの若手俳優・・・
竇驍はやっぱりアクションがうまいなと思いましたが、今回老け役もなかなか似合っていました。
耶律賢の経超、蕭胡輦の佘詩曼もを初め、脇を固めるメンバーも演じるキャラの性格を反映して、誰だか見分けつかないというような配役がなかったのはさすがでした。
今回視聴分で印象的だったのは、やっぱり盛一倫の撻覧阿鉢です。筋肉見せびらかして登場した彼、上京の男たちと違って生きる喜びにあふれています。年齢も上なら身分もはるかに上の胡輦を「小胡輦」と呼んでたちまち彼女の心をつかんでしまいます。まっすぐに彼女を見つめている子犬のような若い恋人の役がはまりすぎている感じ。
もう一人、盛一倫とは「将軍在上」で共演している王楚然。彼女はこの時悲運の美女柳惜音を演じていました。それに何と言っても「清平楽」の張妼晗。どうも宋代に縁があるようですがw この彼女、今回は耶律賢の側室玉蕭を演じてますが、怖いもの知らず、野生の側室ぶりが仁宗に愛された張妼晗とは正反対な愛妾です。でも、どうもそういう役が続くようですね~
この張妼晗の男性バージョンが、撻覧阿鉢という気もします。なかなか味のある配役だったのかもしれませんw
全編通して、戦闘シーンもかなり多め、アクション場面も充実している感じで満足しました。前半の蕭燕燕を挟んだ明扆、韓徳譲の関係とかかなりウザいんじゃないかと用心しましたが、思ったよりくどくならずに話が進んだのは私的にはよかったです。三姉妹の関係もどろどろ展開ではなかったし、二人の姉のキャラもしっかり造形されていて、興味を持ち続けることができました。
燕雲十六州を巡る争いとか澶淵の盟前後の物語は、楊家将を初めとして多くのドラマに取り上げられていますが、遼国サイドから描いたのはあまり見かけない、というか見た記憶がなかったので、その辺も興味津々で見ました。もっとも相当に肩透かし食いましたw
朝廷ドラマとしては制度の違いはあってもそんなに特別な感じは受けませんでしたが、家族の在り方とか女性の立場とかの方に新鮮な切り口を見られて気がしています。
後半に入ってからかなり一気に見てしまったので、あおりを食って「狼殿下」と「棋魂」の視聴が後回しになっています。でも、そんな状況でも出来不出来にかかわらずちゃんと「鹿鼎記」の視聴は忘れていないのです。
ということで、次のブログ更新はたぶん突然シリアスになった「鹿鼎記」
さあ、「狼殿下」見るよ~~
演 員 角 色 配 音
唐 嫣 飾 萧燕燕 乔诗语
窦 骁 飾 韩德让 魏 超
佘诗曼 飾 萧胡辇 邱 秋
经 超 飾 耶律贤 齐斯伽
谭 凯 飾 罨撒葛
刘奕君 飾 萧思温
卢 杉 飾 乌骨里 张 喆
季 晨 飾 耶律喜隐
宁 理 飾 耶律璟
盛一伦 飾 挞览阿钵 邵晨亮
孟子义 飾 李 思 冯 岚
蒋 恺 飾 韩匡嗣 严 明
姜皓云 飾 术 里
邵 兵 飾 屋质大王 杨 默
王媛可 飾 甄皇后
莫小奇 飾 夷 兰 吴月婷
连晨翔 飾 耶律只没 杨天翔
赵圆圆 飾 安 只 谢子溦
阮圣文 飾 耶律休哥 凡 逸
于济玮 飾 耶律斜轸 孙郎朗
龚婉怡 飾 萧海澜 刘雨斯
王梓权 飾 萧达凛 张淼凡
荣梓希 飾 喜 哥 于鸣鹿
王楚然 飾 玉 箫 李叶萌
王绘春 飾 耶律李胡 张遥函
阿斯汗 飾 耶律磨鲁古 巴 赫
关亚军 飾 高勋 宝木中阳
蒋 冰 飾 女里 冯 盛
韩 东 飾 耶律虎古 李 楠
张 弓 飾 迪里姑
職員
出品人 孙忠怀、余俊生
制作人 齐帅、郝季风
監 制 韩志杰、朱礼庆
原 著 蒋胜男
導 演 蒋家骏、彭学军
編 劇 蒋胜男
美術設計 赵京
動作指導 江道海、吴兴宇
造型設計 黄薇