江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

山河令 その2

9~12集

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 更新の間隔が短いw その割に記事が長いw

 気に入ったドラマはせっせと記事にしておかないと、見呆けてしまって36集くらい何にも書かないうちに終わってしまう危険があるのですよ。

 

 中華サイトを見てるととても評価が高い。「陳情令」と比較しているところも見かけますが、顔値は「陳情令」の勝ちとかいう「そこしか見るとこないの?」と突っ込みたくなるようなのもちらほら。


 「山河令」はまだ全体の3分の1を過ぎたところですが、この時点での評価が高いのは作中の人物たちも視聴者も「忍」の一字でつらいシーンの連続を通過しないといけないという試練がないのもとっつきやすい一因ではないかと思うのです。

 「山河令」では、周子舒も温客行もすでにたくさんの経験を積み、苦難を潜り抜けてきた成人男性として登場しています。彼らの過去も少しずつ明らかになってきてますが、延々とそれが続くということは今のところない。

 彼らが大人であるのに対して、若い未完成な人格として設定されたのが二人に助けられた張成岭。周子舒を師父と仰ぎ、温客行を叔叔と慕う彼は、殺された一門の仇を討ちたいと願うが武林の名門の師弟でありながら武術のたしなみが全くないという白紙状態。これから多くの試練に耐えて成長していく彼の存在はドラマによいバランスをもたらしています。

 今回視聴分はたった4集なんですが、いろんなことが次々起こってもっとたくさん見たような気がする。


 画像以下立ち入りご用心でお願いします。

 

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 温客行は自身が仕組んだ偽の瑠璃甲が原因となって、江湖に波風が立つのを冷笑して見ている。しかし、そのせいで穏やかに老後を過ごしていた安吉四賢が瑠璃甲を出せと押し寄せたもろもろの江湖の連中のために四人とも死んでしまう。彼らを好意的に見ていた温客行は大きな衝撃を受ける。周子舒から非難されて「天窗の首領は悪人しか殺さなかったのか」と言い返して、両人決裂。

 温客行は鬼谷の十大悪鬼を招集して、当たり散らし、謀叛の兆しがあったと白無常を殺してしまいます。

 周子舒といるときとは全く違う温客行の顔が描かれます。

 

 張成岭を得て、瑠璃甲を出せ、娘の婿になれと責め立てる五湖盟の盟主高崇が死んだ仲間たちの位牌に額づいていたりとなかなか一筋縄ではいかないキャラ設定。

 その張成岭がやはり瑠璃甲を狙う毒蝎一味によって誘拐されると再び周子舒と温客行が手を組んで救出。周子舒は弟子入りを願う張成岭に自分の正体を明かし、それでも弟子になるかと尋ねる。

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 こうして弟子入りがかなった張成岭を周子舒と温客行が見守ることになりました。ま。子は鎹って感じですかw

 高崇は英雄大会を開いて、武林の盟主として鬼谷征伐を始めようとします。周子舒たちの「瑠璃甲なんかやってしまえ」という助言を受けた張成岭から瑠璃甲を手に入れ、義弟の持っていた分も取り上げてこれで3つが高崇の手元に。

 どうやら、この世界では高崇を頂点にする五湖盟の他に、崋山派が属する五岳剣派、丐幇ともあって、こちらが「正派」、鬼谷が「邪派」、でその間にもっとうさん臭い連中がいるという構図でしょうか?そこに朝廷由来の天窗とかも絡んできて、まさに武林は大騒動。

 

 私的には、もう同性恋の話なんかどうでもいいや~となっています。でもまあ、ここまでにすっかり意気投合してますし、温客行に対してつっけんどんに逃げ回っていた周子舒がすっかり柔らかい雰囲気になりました。朋友から知己に格上げしたようですが、そういうレベルの違い、初めて意識しましたw

 周子舒は元は四季山庄の庄主。師父の亡きあと若い庄主では四季山庄の威名を守ることができず、一門ごと晋州節度使に投降、天窗を創立して朝廷に使われ、四季山庄の旧部で生き残っているのは彼一人。

 瑠璃甲の由来も少し詳しく出てきました。20年前、交友関係にあった高崇たち五湖盟と容炫が争い、高崇の剣に塗られた毒に当たった容炫が正気を失って荒れ狂い、彼らの手によって殺される。そして容炫の残した秘伝書を隠した武庫を開くための鍵瑠璃甲を五つに分けて独占しまった。この事件の経緯を知る温客行もつながりがあることは確実でしょう。

 こういう一世代二世代上の因縁が主人公たちの現在に強い影を投げかけています。

 周子舒は天窗から去るために七窍三秋釘を自分に打っていて、だんだんと五感が薄れているし、内力も長く持たないという令孤沖状態。始終血を吐いて苦しむ彼を助け、気を送り込んだり、毒を吸い出したりとかいがいしく世話する温客行の姿が繰り返され、結構身体的接触が多いのは事実。でも、それが見たくて、このドラマにはまったわけではない。ラブ史劇とか言われない武侠ドラマが見たかったのですよ。

 

 登場人物に男性が多いわけですが、女性キャラもやっつけ仕事みたいな配役はされていない。鬼谷の一人喜喪鬼として登場するのは陳紫函で、「神雕侠侶」以来のお馴染み。

 温客行の侍女として登場した顧湘@周也もただウザいだけのキャラかと敬遠していましたが、中の人は顔値が高いだけなく、演技もしっかりしてるし、キャラ自体にも深みと面白みがありました。同時進行で見ることになってしまった「墓王之王」はこういうところだけ見ても絶対損したな~と同情に耐えない。

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 ま、それはそれとして、もう少しまとまって配信してくれると嬉しいんですが、配信が少ないんで、リピして見る人が多くて、ファンが増えているという分析をしてる記事も見かけると何がいいのかわからなくなってしまいますw