1~12集(大結局)
ジャングルの中の砂金の取れる河のほとり、一獲千金を狙う人物たちが右往左往するドラマ。
とにかく出てくるキャラがみんな怪しい、腹黒い、うさん臭い、強欲、卑劣・・・しかも画面はうっそうとした熱帯のジャングル、砂金を掘る赤い河、薄暗い掘っ立て小屋、盗墓物で毎度おなじみの地下の洞窟。お世辞にもとっつきの良いドラマというわけではないです。
主役が廖凡と陳飛宇というのと、迷霧劇場の一作だというのが見るモチベーションでした。
淘金というのが日本語でもそのまま「ゆりがね」と訓読みされて、器に入れた土砂を水の中でゆすって砂金を選別することという意味も同じ。初めて知ったw
むしろ英題の「Gold Panning」の方がわかりやすかったりします。
陳飛宇の陳保金は3年前に姿を消した兄を探して、拱馬国の砂金採取の現場四木場へとやってきます。そこは蓬掸と武建超という二人の親方が仕切り、金を手に入れるためには人殺しも辞さないような人間たちがぞろぞろ。彼らは取れた砂金を親方の手を通して、親会社に渡して分け前をもらうというのがルール。ところが、「猫頭鷹(ふくろう)」という組織が四木場に存在し、秘密裏に金の横流しが行われている。兄を探す陳保金が動くことで、微妙な均衡を保っていた男たちの間に波風が立ち始めます。
やがて、武建超が仕舞い込んでいた砂金を奪った人物によって四木場が炎上、雨季が迫る中、老掸とその相棒の阿秋、武建超らはさらに奥地にあって巨大な金の鉱脈があると言われるが誰一人金を持って帰ってきたものはいないという姉妹岭へと舞台を移していきます。
とにかく薄暗くじめじめした雰囲気の中、陰々とした裏切り、暴力がこれまたじめじめと展開します。
早い時期に生きていることが明らかになる保金の兄向東の謎、腹の底の見えない武建超の狙い、なぜか男のふりをして現場に潜り込んでいる阿莱の目的、猫頭鷹の正体とかミステリ要素もたくさんあるのですが、描かれているのはミステリとか冒険ではなく、人間模様と言った方がいいと思います。
金の採掘現場という特殊な環境、周りはみんな敵という状況の中、腹の探り合いが続きます。何よりこのドラマ、命が安い。危険な現場で命がけで金を探しているから、というより、ただもう掟だから、気に入らないからと簡単に人を殺す。お前たちのうち、生き残れるのはどっちか一人だけだというような話が何度も出てくる。そして、死んでしまう・・・
ほとんど笑顔の見られないドラマで、どうも見終わってすっきりと言う感じにもならなくて、重苦しさが残りました。
とにかく話を動かすのは陳飛宇の演じる陳保金。兄を探すためにやってきた彼ですが、古株たちに早速目を付けられ、因縁をつけられています。彼一人、金には興味ない、それよりもっと大事なものがあると言ってますが、完全に浮いてしまっています。小指切られたり、殺されかけたりしながらも、何度も戻ってきては、いつの間にか採掘の現場にちゃんといるしぶといキャラでもあります。
陳保金と同時に四木場にやってきた趙勝利(画像左側)に丁冠霖。この人、あの東方小鮮肉版の笑傲江湖で令孤冲を演じて、あまりのイメージの違いにブーイング、その上ドラマの不人気の責任を押し付けられてしまった気の毒な人というイメージしかなかったのですが、今回は見違えるようなよい演技者ぶりを見せてくれました。強欲で狡猾なところもあるとはいえ朴訥な趙勝利を好演。よかったね~
四木場をしきる親方の一人で、陳保金の兄陳向東とも仲間だった武建超に廖凡。
もう一人の親方蓬掸が蘇可。
この二人の間の緊張関係をさらにややこしくする子連れの女性阿秋に呂暁霖。
演員のみなさんの演技の質は高かったと思うので、見ごたえは十分でした。
ご覧になるなら、この海報がお役に立つかもしれませんw
主人公は実はこの「金」そのものではなかったかと思う視聴後感です。
演 員 角 色 配 音
廖 凡 飾 武建超 廖 凡
陈飞宇 飾 陈保金 陈飞宇
苏 可 飾 蓬 掸 苏 可
吕晓霖 飾 阿 秋 任铭松
李丛喜 飾 王甜水 李丛喜
孙 岩 飾 马德堡 孙 岩
王同辉 飾 老 歪 王同辉
丁冠森 飾 赵胜利 丁冠森
上 白 飾 陈向东 上 白
范帅琦 飾 阿 莱 范帅琦
李晟烨 飾 六 五 李晟烨
刘小洋 飾 呙 子 刘小洋
索 牧 飾 小 羊 毛 线
王 铮 飾 杜 毛 王 铮
李 延 飾 竹 竿 李 延
夏嘉伟 飾 老 六 章 斌
萧李臻瑱 飾 巴图尔 萧李臻瑱
出品人 龚宇
制作人 戴莹、敖文龙、杜翔宇、梁郁
监 制 王晓晖
原 著 来耳
导 演 蒋卓原
编 剧 胥悦