15~20集
ちょうど半分。本国での高評価、盛り上がりを受けてか、日本のネットにも紹介されるようになってきました。
このぶんでは日本上陸は間違いないところかと思われます。楽しみです。
いろいろ注目できる点があるからこその高評価です。脚本、配役、演技、美術等々、それぞれの魅力が、このドラマを見ごたえがあり、しかも心地よい時間を与えてくれるものにしています。
前回取り上げた「説英雄誰是英雄」ではどう考えても雑なキャラ設計、ストーリ展開が作品全体を残念な印象に替えてしまいました。こちらはそれと違って、丁寧で節度のある脚本と演出が心地よいドラマ世界を構成しています。
今回視聴分では、いきなり趙盼儿が顧千帆に敵対する皇城司の于忠全に捕らえられ、水責めされるというショッキングなシーンから始まりました。ファンの間には悲鳴もあがったようですが、「神雕侠侶」の時のに比べたら、大したことないんじゃないかと思ったりする武侠迷💦
こういうシーンがあって、その後に趙盼儿と顧千帆が互いの愛情を確かめ合う場面へと続いていきます。
静かに、確実に愛情を育ててきたことを互いに語り合う二人。陳暁も劉亦菲も派手さのない押さえた演技の中に、心情を豊かに表現していて大人の恋の雰囲気。なのに、かわいらしさを感じられる。二人の演技、それを引き出した脚本と演出の勝利でしょうか?
女主三人それぞれの描写も丁寧です。
趙盼儿は茶楼半遮面の主として堂々としているようで実は過去を引きずっているのは彼女自身だと顧千帆に指摘されています。それが無理なく見えてくる。宋引章も結婚詐欺に遭った傷が癒えてない。強引な沈如琢に戸惑いながらも音楽を媒介に距離を縮めています。孫三娘は分かれた息子を思い、涙することがあっても、気のいい杜長風を気にかけています。
つらい過去を抱えていても、何かを頼るのでも、うじうじするのでもなく自分たちの力で生きていこうとしているところに好感が持てます。
それでもこのドラマの元になった「赵盼儿风月救风尘」に比べると男を当てにしてるという指摘もあるようで・・・いったい元の時代に作られたこの話がどんなものだったのか気になっています。
彼女たちだけでなく、顧千帆と蕭欽言の息子との関係とか、高慧の成長、返り咲きを狙う落魄した欧陽旭、半遮面に現れる人達の描写もしっかりされています。
彼らのプライベートだけでなく、商売も次々困難に直面。彼らの店が大繁盛していることにあわてた他の店の店主たちが無理難題を押し付けてくるとか商売ものドラマにはお約束なエピソードもちゃんと登場。
顧千帆は蕭欽言を敵と狙うグループに皇城司に送り込まれたらしいですが、どうも利用されてる匂いがプンプンします。顧千帆に指示を出している姚安濂の斉牧がまた怪しげです。
趙盼儿と結婚の約束はして、幸せいっぱいな感じですが。これからまた一波乱も二波乱もあるのは確実・・・こちらの話がこれからの見どころ?
いよいよ蕭欽言が都に帰ってきて、首輔に就任する日が迫ってきています。
そんな中、都では「帽妖」という化け物が次々人をおそうという事件が起こり、人々を恐怖に陥れています。この帽妖が登場する場面、ちょっとした武侠劇や幻玄劇並みのアクションと画面処理がされていて、うれしくなりました。顧千帆君、帽妖を追ってかっこよく屋根の上に飛び上がったりはするけど、最終的にはおっこちて怪我。武侠ドラマじゃなかったw
趙盼儿の茶芸場面、宋引章の琵琶場面・・・毎度手があってないのはご愛敬として・・・孫三娘のお菓子作り場面がそれぞれ美しく描かれていて眼福。
特に30分近くかけて描かれた闘茶では趙盼儿が舞いながらお茶を入れる場面の所作が印象的でした。なぜ舞ったのかは今一つ理解できなかったけど、腕にかけた領巾の動きが美しくて目の保養でした。
宋代のドラマでお茶を立てるシーンもいくつか見ましたが、これほど丁寧に描かれたのは初めて。
とにかく来週の更新がもう待ち遠しくてたまりませんw