江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

山河之影 その1

1~6集

 

 これ、二年くらい前に撮影してた映画の「綉春刀」二作に続くシリーズという話のはずだったドラマです。「唐人街探案」のパタンですかね?

 なんか出ないな~と思っているうちにすっかり忘れてたのが、突然でてきた。最近ではもうびっくりもしませんw
 けど、このドラマ双男主とはいえブロマンスとやらのかけらもないし、どうやら規制が入ったというわけではなさげです。本当のことは知りませんがw

 

 舞台は明代、建文3年4月24日から始まるドラマときっちり指定されています。翌年にはもう燕王こと朱棣が皇帝の座を奪っていますから、実にピンポイントで展開するドラマです。

 都合のいいことにというかなんというか、ちょうどWOWOWで放送中の「山河月明」がそろそろこの時期に差し掛かってます。以前に中文で見ていたので時代背景はばっちり。

 ストーリを簡単に、と思うのですが、これがまた入り組んでいてw

 そもそも男主の陸錚と李霧は錦衣衛の総旗と盗賊として出会い、女主の舒棠は密命を帯びた「夜不収」の刺客として彼らの前に現れます。ところが、この3人、10年前の洪武25年4月25日に出会っている。錦衣衛の獄を脱出しようとした彼らを助けるために陸錚の父宋鶴鳴は命を落とした。陸錚、当時の名は宋真、はその場にいた李霧が父を殺したと思い込む。

 父は罪人とされ、宋真は密かに陸羽林に助けられて陸錚となって今に至る。李霧は10年前に父を殺した仇は自分だと思い込んでいる宋真を探している。口八丁手八丁の彼は文字は読めないが、機転が利く。

 李霧と逃げようとしていた沐家の娘が現在の舒棠、教坊司に送られ生き別れになった姉がいる。李霧は舒棠が当時の少女だったことに気づいているようだが・・・

 

 このドラマがややこしいのは、男主たちの位置や思惑はわりにはっきり見えるんですが、女主たちの位置がまだよくわからない。登場してくる錦衣衛の人間たちの思惑も今一つ見えない。

 

 というのは、この建文3年の時点だけでなく、エピソードを挿入する形で洪武25年の話がだんだんとすすめられていくためです。当時の錦衣衛や朝廷での位置と現在の位置が変わっている。建文3年のこの時点ではすでに燕王が蜂起したというような話も出てきて、誰が燕王に通じているのやら?

 かつての宋鶴鳴の配下であった王克恭は皇位に関わる書類を隠した魚暝鎖を引き継いでいたが、殺害されてしまう。その犯人とされたのが陸錚。処刑寸前の彼を助けようと現在の父陸羽林や李霧が動く・・・

 

 ただ金儲けをしたかっただけの李霧が魚暝鎖を手にしたことで、帝位に関わるような事件に巻き込まれていきます。

 一体繰り返し出てくる洪武25年4月25日の事件、この日は太子が突然亡くなった日のはず。その日に何が起こったのか。そもそも子どもたちが獄から逃げ出すようなことになったのはなぜか?その後、しばらく太子不在だったという話なので、皇位継承がらみの話があったのでしょうか?
 そして、宋鶴鳴たちが命がけで守り、夜不収たちが狙っている魚暝鎖の中にはどんな秘密が隠されているのか?
 
 まだドラマの先が見えません。

 決してとっつきのいいドラマ展開とは言えませんし、錦衣衛といっても「大明風華」のような華麗な衣装も出てきません。同時にお試しをした「春閨夢里人」とは対極にあるドラマという感じがします。


 けど、こういうややこしいドラマが好みな迷子的にはとっても面白く見ています。実はもう二度目リピしましたw

 話がわからなくてリピしたくなるドラマというのはだいたいしっかりした脚本なんですよね、出なきゃ誰が大事な時間割いてまでリピするものですかw

 

 日本で最近たくさん「華麗な美男美女のロマンス」が登場していますが、こういうドラマも悪くないと思いますよ。みなさん、どうでしょう?

 なお、「夜不収」というのは遼東地域の防衛軍の中に設けられていた偵察とかスパイ活動を行う専門組織だそうで、また一つ「なんでそんなこと知ってるの?」聞かれる類の知識が増えたw