江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

山河之影 その2

7~16集

 

 それぞれの登場人物たちの背景と10年前の子どもたちの脱獄劇から続く陸錚の父の死あたりの出来事の真相がそろそろ明らかにされてきました。


 このドラマがわかりにくく感じる原因は、背景になる部分の説明抜きで次々鍵を握っているらしいキャラが登場することと、10年前の事件が最初に提示された陸錚が陸羽林に助けられた部分から遡るような形で当時の出来事が小出しに出てくることでしょうか?

 出てくるキャラが全部怪しく、裏があるようで誰一人信用できない感じは今回監制に回っている路陽がこれまでかかわった映画「綉春刀」二作や「風起隴西」にも共通しています。

 

 一応主演グループは男女4人と言っていいんだと思いますが、女性二人の存在感が濃くなくて、ほぼ双男主状態です。その李霧と陸錚は最初から互いに不信感しかない感じでぎすぎすとし続け、10集過ぎてやっと「同马共济,不疑不负」とか誓い合っています。けど、それからも何回も俺たち「同马共济,不疑不负」だろ?と確かめたりするのは信じ切ってない証拠ではないかねw

 女たち二人は実は生き別れになった実の姉妹なんですが・・・姉である張俊清は妹の舒棠に対してその事実を隠し続けている。そして、10年前に教坊司に送られた姉も獄に入れられた妹も、ともに夜不収の一員となっている。

 

 要するに遼東方面限定の組織である夜不収はそちらで勢力を持っている燕王の手先になっていて、とりあえず皇帝に使える錦衣衛とは対立しているけど、時代が時代なんでこの先どうなることやら。

 

 貧しい街に生まれ、盗みをして暮らしてきた李霧は、偶然に夜不収の幹部でもある李東方の身分を乗っ取って錦衣衛に混ざり込んでしまう。文字も読めない彼が一人前以上に錦衣衛を仕切っているのに皮肉を感じる。

 彼は夜不収から送り込まれた舒棠を妻と偽って共に暮らし、そこに李霧を怪しむ陸錚もやってくる・・・という状況で、それなりにコミカルな風味もあるけど、基本このドラマでは人間関係がぎすぎすじゃりじゃりしています。

 これからラストに向かってクライマックスがやってくるはずなのですが、途中で主役が消えたりすることがないように祈るばかりです。

 

 さて、配役です。

 

 李霧を演じるのが張雲龍。「古剣奇譚」以来最近の「民国大偵探」まですっかりおなじみの顔になりましたが、だんだん主役を演じるようになってきました。字も読めないし、特に武芸ができるわけでもないけど、機転が利くはしっこい李霧を演じています。だいたいこのドラマが取り上げてる事態については陸錚より彼の方が状況を把握しているので、陸錚に対しては何となく兄の視点を持っています。

 陸錚は陳若軒。にこりともしないでひたすらに事件を追う真面目な錦衣衛です。実父の死の真相を明らかにし、名誉回復しようとがんばってます。陳若軒というと「心理罪」の方木以来、他人にいいように振り回されてとまどっている表情が印象的ですが、今回はひたすらむっつりしてます。

 

 舒棠には孫怡、「風起隴西」では翟悦を演じていました。ここでは腕利きの夜不収の刺客という顔と天真爛漫な可愛げのある若い娘の顔を併せ持つキャラです。

 彼女の姉でもある張俊清は馬渝捷。「破冰行動」で女性警官を演じてたのを覚えています。こちらは表向きは服屋の女主、実は夜不収の暗殺者で主要なメンバー。



 他に陸錚の養父陸羽林に最近立て続けに顔見てる気がする尹鋳勝、錦衣衛で陸錚たちに対する悪意を隠さない司向南に周鉄。こちらは「大秦賦」の嬴傒です。

 

 あまり派手さのないキャスティングですが、けばけばしさのないドラマ展開を楽しんでいます。

 

 導演の一人曹華はもともと武術導演として名の通った人なので、アクションシーンも充実していて満足。

 やっと興味の持てるドラマが戻ってきたと思ったら、「残念!」二連発だったので、今度こそは満足して大結局を迎えたいです。