見終わりました。見てよかったです。「他是誰」で負った内傷を治療できたというか、赤字分を取り返したというか、まあそういう気分です。
とにかく主人公が途中で姿を消すということはなかった。いや、実は一度入院してしまってひやひやしてしまったんですが、杞憂でした。
1997年の被害者、事件関係者、被疑者等々と2010年の人間たちの間にどんなつながりがあるのか、ないのか刑事たちの奮闘が続きます。
1997年と2010年を結ぶ13年の間に何があったのかもちゃんと説明され、ドラマはクライマックスへ。警察関係だけでなく、事件に関係する容疑者であったり、目撃者や被害者であったりとたくさんのキャラが登場し、話を膨らませていきました。もう一つ話を豊かにしたのは、事件の捜査に翻弄される刑事たちの家庭の姿がきちんと描かれていることです。
事件や容疑者まわりだけでなく、家庭のまわりでも謎や伏線がたくさんはりめぐらされ、終わり近くなるまで先の読めない感じがつきまといました。
しかし、「なぜ?」と思ってたことはきちんと解消されたので、視聴後感は満足です。
まあ、最後に「お巡りさん、ありがとう」的なナレーションが流れるのは警察ドラマの通例になってきました。まあ、美国製のNCISなんか見てても、毎回ではなくても同じようなメッセージが出てくることがあるので、中国製に限ったことではなさそうです。
う~~ミステリの感想を書くのは難しい。
ドラマを見ている途中で「こいつが犯人?」と思えるキャラが次々登場してきます。刑事たちもそのたびに走り回り、今度こそ事件解決!と喜び、ぬか喜びに怒り、被害者のために憤っています。
視聴者が「神の視点」を持っている倒叙型のミステリではないので、視聴者も刑事たちと一緒に推理をする楽しみもありました。それと同じくらい、衛峥嶸の家庭、被害者の残した娘を養女にした陸行知と楊曼の夫婦関係、養女や親たちを含めた家族関係に深い互いへの理解と愛情のドラマを追うことができました。
比べても意味はないのですが、あれほどに「他是誰」にがっかりしたのは主人公にドラマの中心軸を感じられなくなった後半の展開だけでなく、多くのキャラが本筋に絡まず、勝手に小エピソードを構成していったことにもあります。
その点では、このドラマは中心となる二人の主役、衛峥嶸と陸行知の立ち位置がしっかりしていて、他のキャラに関わるエピソードも彼ら二人とのつながり、かかわりが明確になっていて、だからどうした、だからどうなるに納得がいきます。「他是誰」では、何のためにあったのかが理解しがたいエピソードなんかに頭を抱えてしまいましたが、そういう不満を持つことなく視聴終了できました。
ドラマは1997年と2010年がほんとに細切れに登場してくるんですが、その割には混乱するとか難解になりすぎるということもありませんでした。13年間の変化が操作技術の進歩や刑事たちや関係者たちの変化によって描かれることで、時間の経過をきちんと把握できたからでしょうか?
「犯人」と思われる人物は早いうちから、ちらちらと姿を見せてはいる、でも黒い影とかだけで正体を推測させる手がかりは出てこない。この「犯人」像は逆に時間の経過を曖昧にしてしまう感じがあって、一筋縄ではいかないドラマ構成です。
正直なところ、子どもが登場したあたりで、またホームドラマ路線でお茶濁されるの?とか思いました。けれど、そのホームドラマ部分もしっかり本筋のミステリ部分につながり、互いに補い合う感じでサスペンス的な雰囲気を盛り上げていると思います。
とまあ、大満足で視聴終了したのですが、これ以上書くとネタバレしかねないし、日本でも見られるようになるんじゃないかと期待もして、今日はここまでにしておきます。
演 員 角色
陈建斌 飾 卫峥嵘
陈 晓 飾 陆行知
啜 妮 飾 杨漫
刘敏涛 飾 胡海霞
左小青 飾 白晓芙
喻恩泰 飾 张司城
谭 凯 飾 郭胜利(刀哥)
郑 奇 飾 杨哲
聂 远 飾 姜辉
翟小兴 飾 牛所长
张亦驰 飾 武小文(瓜皮)
董 晴 飾 杜梅
王 骁 飾 曲振祥(细虫)
牛 飘 飾 霍局
王正权 飾 老吕
李晓强 飾 老杜
董 海 飾 老朱
贾笑涵 飾 陆安宁
刘巴特尔 飾 吴嘉
王啸坤 飾 姚乐
赵倬霆 飾 赵正明
钟芳菲 飾 莎莎
国永振 飾 马成群
石 凉 飾 陆行知父亲
吴丽雁 飾 柳梦
李依伊 飾 莫兰
鞠帛展 飾 迟永
仇恩泽 飾 张山山
李乐诚 飾 壮壮
杨 丹 飾 王楠楠
张伊诺 飾 薛红
出品人 龚宇、殷晓野
制作人 钮继新、殷晓野
监 制 王晓晖
原 著 娄霄鹏
导 演 刘海波
编 剧 娄霄鹏
美术设计 王刚、于召峰、李响
动作指导 许明虎
造型设计 刘兴华
视觉特效 杜柯岩、黄树军