青面修羅 邦題:刺客
昨日の朝、何気なくつけたテレビに映ったのが「刺客」という映画のラスト10分あたり。ドラマ部分はほぼ終わって、見たのはエンドロールw
ところが、このエンドロール見てたら、監督は李仁港、主演が馮紹峰に胡軍、金晨に特別主演が王慶祥、さらには修慶の名前までが目に入ってきた。これは見ないわけにはいかんでしょう。
ということで、早速オンデマンドで視聴開始。といいたいところですが、昨日の台風つながりの豪雨のせいで何度も緊急警報が鳴るし、窓の外真っ白なくらい雨が降るしで落ち着かない映画視聴になってしまいました。
で、本日、中文版でリピ。
もう一回見ようという気になるくらい、おもしろい映画でした。
主人公の斉君元は離恨谷という刺客組織の腕利きの刺客で青面修羅と呼ばれている。彼はかつて父親や一族が皆殺しにされた理由を知り、復讐を果たそうとしている。
この映画の舞台は暗殺によって、問題の解決がなされていた時代、南陵と東桑という二つの国とその間で両国に食い込んでいる離恨谷が舞台。兄から王位を奪おうと狙っている東桑の皇弟柴康が財宝の隠し場所を記した銅板を手に入れて来いと離恨谷にやってくる。
これをきっかけに盛君元は二つの国の争いに巻き込まれ、各方面から命を狙われるようになります。
話そのものは、「雲襄伝」や「星漢燦爛」なんかにも通じる武侠劇「おなじみ」の設定で、そこに目新しさはないんです。
この映画の何がすごいって、陳暁とか呉磊とかに当たる「若手」がいないんです。ただ一人の「若手」は金晨だけ。
後は、重量級のベテランぞろい。
スレンダーな小鮮肉がひらりひらりと駆け回り戦うというような華麗な殺陣ではない、ずしっと重みと迫力のある殺陣をたっぷり楽しむことができました。
幻玄劇と同じように「聖闘士星矢」みたいな鎧を着こんでたり、主人公の失った手の代わりに離恨谷の谷主金鑼太歳から与えられた「修羅手」というのが只の腕ではなくて、伸縮自在の剣にもなれば、暗器も飛ばす、ビューっと伸びてでかい神像?を操るとかもうめちゃくちゃに使えるw
こんなアニメっぽい造形なのに、技術の差というのかな~それを意識させない。アクションシーンの組み立ても新鮮さが感じられて、悪くない。
その上、馮紹峰と胡軍だけでなく、次々と香港映画なんかでおなじみのベテランが登場して、空中シーンもCG処理もなんでもありの武打シーンを演じてくれました。修慶や杜玉明だけでなく、王慶祥や徐少強までもがアクションを見せてくれたし、とどめは袁祥仁が剣を持ってのアクション。そんなの見たのはいつ以来だろうと、ウルウルしてしまいました。
アクション以外では、二つの国の内情、両国を手に入れてしまおうという長い企みなどの陰謀が描かれていて、こちらもなかなかの見ごたえがありました。
互いに陰険に対立している東桑王柴勝には先年亡くなった曽江、弟柴康には高捷。柴康にしたがっているようでそうでもないような将軍趙闖に胡軍。夫婦仲良さげに見えてるけど?の南陵王孟旭に呂良偉、その妻花夫人ですが・・・
話のポイントになるこの南陵の国母花夫人というのがなんで主演に入ってないんだと疑問に思ってたら、なんかあったんですかね?元は許晴で撮影してたのに、あまり目立たない俳優に入れ替わったとかで、大陸方面でも「なんでだ?」と話題になっている様子です。
元々はスクリーンで大々的に公開するはずが、疫病のためにネット公開になってしまって、巨額の予算をつぎ込んだのに残念だね~というような書き込みもたくさん。
このドラマ、ちょうど一年前に公開されています。WOWOWで放送されなかったら、存在に気が付かなかったかもしれないと思うと、昨日の朝の偶然に感謝したい気分です。
笑いを誘うような演出のされている話ではないのですが、爆笑したのが一か所と苦笑したのが二か所。爆笑したのは「風呂敷に包んだおにぎり弁当」で、苦笑したのが劇中で花夫人が歌う歌というのが全くの現代の歌だったのと、馮紹峰と金晨の着てる衣装がどう見てもダウンコートかグランドコートにしか見えず、CGの鎧やなんか以上に「古装劇」でしょ~と突っ込みたくなったところでしょうか?
そんなことも含めて、とても楽しい映画でしたので、見られる環境の方は一度覗かれてもいいと思います。
ただし、若手はいません。おじさんだけですw
演 員 角 色
冯绍峰 飾 齐君元
金 晨 飾 秦笙笙
高 捷 飾 柴康
胡 军 飾 赵闯
王庆祥 飾 鬼愁判官
吕良伟 飾 孟旭
曾 江 飾 柴胜
吴岱融 飾 顾子歌
盛 鉴 飾 铁迪
徐少强 飾 黑无常
修 庆 飾 白无常
杜玉明 飾 怪夔山鬼
袁祥仁 飾 国宴老者
闵 政 飾 汪正
马小茜 飾 花夫人
出品人 孙喆一
制作人 张昭
监 制 曾佩珊
导 演 李仁港
编 剧 李仁港、杨惠晴