江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

在下李佑 その1

1~15集

 

 見るきっかけは「徐錦江が出てる!」それだけでした。
 今月に入って、まだ一回しかブログ更新していないという悲惨な状況です。何本かお試しはしたのですが、どうにも視聴継続の意欲が湧かなくて悶々としているところに「徐錦江!」早速飛びつきました。

 

 このドラマ、男主は管雲鵬。先週日本でのファーストランが終わったばかりの「夢華録」で男主顧千帆の部下陳廉を演じていました。女主方面には見覚えのある演員不在ですが、そのほかの配役、特に年長部分がなかなかの濃さ。

 

 ドラマは現代の贅婿「李佑」が妻にもその母親にも他の人間たちにも見下され、バカにされ、いわば身ぐるみはがされて、ずたずたになって婚家を追い出された挙句事故死してしまうところから始まります。

 

 目が覚めてみると彼は「大寧朝の虚江県」の「李佑」になっています。父親の跡を継いで虚江県の衙役に出仕というその日、あまり戸惑うこともなくさっさとこの状況を受け入れていきます。

 

 この後、妓楼の歌姫に送った詩が衆目を集め、詩聖と呼ばれるようになります。彼の才能に目をつけた武官劉文通と富商関玉良は共に一人娘の贅婿にしようと李佑の父や兄を罠にかけて印をつかせます。

 さあ、どうする?ということでひと騒ぎ。これを治めたのが科挙で状元となって虚江県に赴任したばかりの知県陸英禎。彼には赴任はしたものの孤立無援の中で、李佑の才能を利用しようという思惑があります。

 

 二つの家から贅婿に求められたものの、前世の経験もあって婿入りはしたくない李佑。なのに、両方の家に一日交代で婿となることになります。その条件として、彼は「3年のうちに劉巡検の地位を上回り、関員外より金持ちになったら両家の娘は同じ立場で李家に嫁入りする」というもの。

 

 なんかこの辺で「ん?」と思うところも出てきました。

 要するに贅婿話に付き物のモテまくる主人公、それでも婿入りはいや、自分が威張っていたいという根深く残る男性優位思想がこじれた形で反映されてるんですかね?

 このドラマと重なる設定の「贅婿」はドラマでは夫婦が相思相愛でしたが、原作では男主がやりたい放題らしい。主人公が詩聖と呼ばれ、詩作を利用して名声を上げていくあたりはどうしても「慶余年」を思い出しますが、そういえば「慶余年」の主人公范閑も原作ではたくさんの女性と関係を持っていました。

 

 「慶余年」では同じように范閑が唐詩を暗唱し続ける場面もありましたが、彼はずっと作者に遠慮している部分がありました。しかし、こちらの主人公にはそんなところはかけらもなく、こちらは明清時代の名詩を引用するばかりか、必要に応じてつくりかえまでして利用しています。
 そのためか、ドラマには「改編してますよ~」というエクスキューズが毎回出て、詩の引用があった回には登場人物がオリジナルの詩とその解釈を説明するというコーナーがついています。このパタンは初めてですが、非難除けなのは確実でしょう。



 突然、たかが衙門の小役人と結婚させられることになった二人の令嬢劉心玉と関綉綉、李佑に詩を送られた歌姫李懐、李佑に助けられて彼の侍女になった聶小竹と現時点で4人の女性が彼の周囲にいますが、だれとも深い関係にはなってないのは原作とは違うんじゃないでしょうか。女性視聴者に見てもらえるように改変していると推測していますが、本当のことは知らない。

 

 こちらの女性関係、最終的に誰と結婚するのかあたりの話はともかく、虚江県の役人として次々に手柄を立てる李佑はとんとん拍子に昇進。関綉綉と始めた商売も順調で今のところいけいけどんどん。ところが、李懐を自分のものにしようという厳秀才とその父厳挙人が何かと目障りな李佑の始末に乗り出して・・・というところで半分。

 

 これまでにもいろいろ難題を持ちかけられている李佑ですが、現代の知識と機転、周囲の尽力で危機を乗り越えています。

 

 そういえば「雨が降らないのはお前のせいだ」という話では、タイミングを見計らってまんまと「雨ごい」を成功させています。こういうエピソードはあちこちでよく見かけるんですが、正直今一つ納得できない。自然と共に生きている古代の人間たちの方が現代人よりずっとそういう天候の変化には詳しいはずだと思うんですけどね~

 

 まあ、そういうのも含めて、劉巡検の徐錦江と関員外の厳豊の怪演からは目が離せないし、なぜか「王啓年」という役名な胡宇軒と管雲鵬の掛け合いや李佑の父李柏を演じている謝寧と兄李佐の掛け合いとかコメディ部分も悪くない。



 陸知県は李熹子、その師爺が公方敏@琅琊榜十三先生で、こちらを中心に権力争い方面とかミステリ的部分が展開。今回の反派厳挙人には「流星胡蝶剣」の葉翔が記憶に残る賀剛という懐かしい配役。思ったより配役陣は充実している感じで楽しいです。
 ただ、時々容貌差別の台詞とか女性蔑視の台詞が飛び出してきて、カンに障るのも事実。どう最後に収めるのかしっかり最後まで見たいと思ってます。

 

 何しろ「徐錦江が見たい!」という当初の目当ては十分に満たされているのですよ。特別出演枠なのに、ほぼ出ずっぱり。よいことですw