江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

一念関山 その1

1~6集

 

 喜びのあまり涙目になりそうです。やっと出てきた武侠ドラマ、演員の顔ぶれを見ただけでも期待感が高まり、予告編見てははよ出せ~と画面に向かって文句言ってた甲斐がありました。

 

 おもしろいです。武侠迷的には、別の意味で涙目になりながら見ていた最近の「長」で始まるアレコレとは比べ物にならないくらい私にはおもしろくてたまりません。

 今年は古装劇の配信にムラがあって、どっと見たいのが集中して出てくるかと思えば、この10月11月みたいに私好みのがさっぱりない時期もあって参りました。でも、そんな中でも、「少年歌行」「雲襄伝」「蓮花楼」「大宋少年志2」なんかは楽しく見られたのです。ところが、ここにきてとんでもなく武侠迷の琴線に触れるドラマが出てきました。

 

 それがこの「一念関山」

 主演は実にお久しぶりの劉詩詩。どのくらいお久しぶりかというとPCが変換忘れてるくらいw
 相手役が若手?の劉宇寧。

 劉詩詩の武侠劇なんていつ以来?ひょっとすると「怪侠一枝梅」以来?「酔玲瓏」でもそんなにアクションシーンなかったし、大丈夫?劉宇寧の武侠劇って「説英雄誰是英雄」「安楽伝」なんかいつもこじれたキャラだからな~とかいろいろ気がかり。

 そんな不安をアレコレ抱えていても、とにかく武侠ドラマだ!と飛びついたわけです。

 

 いや~飛びついてよかったです。めっちゃおもしろい。

 そりゃ「雲襄伝」も「蓮花楼」もおもしろかったのですが、この作品がそれらを押しのけておもしろいのはまずは癖の強いキャラ設定。主人公グループのそれぞれのキャラがくっきりしています。それに脇にはこれでもかとばかりにいろんなキャラがてんこ盛りな感じなんですけど、どの顔を見てもいい根性している感じで好ましい。

 それに硬軟取り混ぜた場面構成はもちろん、視聴者が落ち着いて見ていられるお馴染み展開とそうきたの?という意表を突く展開も取り混ざっていて視聴者を飽きさせません。

 

 簡単にストーリ紹介。
 
 ドラマは二つの国、安国と梧国の争いを舞台にしています。安国に攻め込んで捉われてしまった梧帝を迎えに行く役目をおった六道堂の堂主寧遠舟と安国国の朱衣衛の左使であった任如意が主人公で、共に求めるところがあって協力をすることになります。

 梧帝を返してもらう条件として、安国から賠償金と並んで迎えに来る迎帝使は皇子であることを突き付けられます。国政を預かっている皇弟丹陽王はぶっちゃけ兄には死んでもらって自分が帝位につきたいと思ってる、妃簫妍は自分の腹の子を帝位につけて自分が仕切りたい、もう一人の弟英王は病弱と誰が行くかも決められない。そんな時に手柄を立てて、好きな御前侍衛を駙馬にしようと考えた公主楊盈が自分が皇子として梧帝を迎えに行くと言い出す。朝廷一同、それはラッキーと彼女を送り出すことにした。そこで彼女の護衛と梧帝を無事連れ帰る役目を押し付けられたのが寧遠舟ということになります。

 彼が同行させることにしたのが六道堂の于十三、銭昭、元禄、孫朗の4人。そこに楊盈に安国の情勢を指南するという必要から任如意も同行することになります。これに楊盈も加えた7人が「旅の仲間」ということでしょうか?

 

 寧遠舟の率いる六道堂には「四大名捕」の匂いがするし、任如意が見限った「朱衣衛」の方には「六扇門」の匂いがします。国王が敵国の捕虜になるというのは「土木の変」を思い出さないわけにはいきません。

 

 配役も、男性キャラには劉宇寧に加えて、于十三に方逸倫、元禄に陳宥緯等、人気演員を揃えています。女性キャラの方は劉詩詩の任如意とは全く違うキャラが揃っています。後宮育ちで世間知らずな子どもに過ぎない公主楊盈の何藍逗は初めて見ます。他には梧国を乗っ取ろうとする蕭妍にあの「長月燼明」の陳都霊、安帝の貴妃なのに李同光とイチャコラしている初貴妃に「斛珠夫人」の陳小紜等と私的にはウザキャラを連想させる面々が揃っている感じ。

 安国の国王が尹鋳勝、梧帝は張天陽とこの顔触れも絶妙。

 

 配役や設定に安定感というかお馴染み感がある一方で、ストーリ展開が絶妙で堪えられません。

 基本的には、彼らが梧帝を迎えるまでの冒険談に安国と梧国それぞれの朝廷の権力争い、任如意が友と恩人の仇を討つ話なんかが進み、そこに楊盈の成長や主人公カップルの恋愛話なんかが入ってくると予想してますが、そんなに簡単な構成で終わるドラマではないと信じております。不倫話とか何とか入らないんですけど…ちょっと怪しい?
 
 でも、この恋愛話、任如意が恩人と慕う昭節皇后から「簡単に男に惚れてはならない、でも自分だけの子どもは作りなさい」と言われていて、「子どもの父親は君に決めた!」と寧遠舟に冷静に迫るのです。衣服を脱がされかけて「来人~」と叫ぶのは寧遠舟の方です。それを茶化す于十三たちとか、この六道堂の仲間たちとのやり取りも楽しい。でも、決して単なる「お笑い」場面という扱いではないです。

 

 武侠迷迷子としては、こういう一筋縄ではいかないキャラが右往左往して、小気味よいテンポでドラマが進み、その上しゃれた会話や目を見張るアクションシーンが見られたら文句はない。

 

 枠組みとしてはけっこう昔ながらの武侠劇なんですが、6集まで見たところで一番アクションシーンの多いのは任如意@劉詩詩だったりとか上に書いたエピソードとか生理痛に苦しむ公主とかドラマ内での女性の位置にも興味深いものがあります。

 

 と、興奮気味でまだまだいくらでも感想文書き続けられます。いい加減にしておけよ、自分ということで今日はここまでにします。7集見なくちゃいけませんしw

 それにずっと待ってた「鬼吹灯之南海帰墟」も空から降ってきてるんですよね~迷子的中華ドラマ生活突然の充実ですw