江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

大江大河之歳月如歌 その1

1~10集



 これもまた長く待っていた「大江大河」の第3季です。題名が「大江大河3」からグレードアップして「大江大河之歳月如歌」となりました。

 でも、主要なキャラはすべてこれまでの中の人が継続して演じています。配役の変更で気がついたのは、楊巡の弟楊速と妹楊邐が替わったくらい?楊速は呂昀峰から石雲鵬に、楊邐は周鹏雨からから馬凡丁になりました。

 他の変更はちょっと見つけられない。小雷村のみなさんもお揃いだし、宋雲輝に関わるみなさんも引き続いて出てくる感じです。

 ということで、なんかもう居心地のいい感じなのですが、話は前作を受けて最初から大変な展開になっていきました。

 

 開始時点で宋雲輝は地方へと左遷させられてきました。彼が赴任したのは彭陽農薬工場という地方の工場で、赴任早々この工場の農薬のために中毒死まで出ているという事件に巻き込まれます。怪我まで負わされた宋雲輝、持ち前の正義感から、中毒事件の真相を探るために乗り出した・・・という探偵ものかね?と突っ込みをいれたエピソードから話がスタートしました。

 

 出獄して小雷村に戻った雷東宝は元の登峰電線工場と近隣の小さな工場を合併して雷霆電纜集群を立ち上げます。要するに電機ケーブルを作っている小工場がまとまって、規模を拡大して生産の効率も品質も上げ、取り引きも有利にして、村の生活を向上させようという相変わらず兄貴分な雷東宝
 彼の計画を邪魔するのは、これまで多少のインチキや手抜きなんか何が悪いという荒っぽい商いで劣悪な品質の商品を売って利益を懐に入れていた元の社長たちの悪意と良かれと思って余計なことをする善意・・・どちらも旧態依然としたムラ意識。雷東宝はこういう地方の小村ならではの利己主義と対峙することになります。

 

 そして、楊巡は宋雲輝のかつての教え子梁思申と共に大規模な商業施設を建設することになります。楊巡は梁思申の従兄で彼女と同じくアメリカ育ちの梁凡とも仕事を始めますが、情け容赦なく従業員たちをクビにしていく彼のやり方に戸惑いを感じています。ところが、少しでも現金や次の仕事を保証しようと苦心している楊巡が彼らの恨みの的となり、妹にもまでそれが向けられます。
 一方で高等教育を受けることなく、饅頭の担ぎ売りから身を起こしてきた叩き上げの楊巡には商売の上でのツメの甘さが目立ち、梁思申の父親から厳しい視線を向けられています。

 自分は大物になった、成功者だと思っているらしい彼ですが、いかにも危なっかしく見えます。

 いつもでかい携帯と小型のカバンをぶら下げている楊巡の造形にはどこか懐かしさも覚えます。

 と、三人三様の1993年。

 いずれも資金と上級幹部、工場で働く労働者や地元の人間たちとの間で苦労が絶えないようです。

 

 宋雲輝は農薬中毒の原因が彭陽農薬工場の製品ではないことを証明し、疑いを晴らすことに成功します。しかし、古い機械で非効率な生産しかできず、新たな基準に合致しないと主力の製品が生産禁止となった工場には閉鎖の処置が決まります。一度は、工場を離れ、大きな仕事のできる道を選んだ宋雲輝ですが、列車の中で読んだ新しい農薬竹胺開発についての曹副工場長の研究レポートを読んで工場にはまだ立ち直る余地があると取って返します。

 ここから始まるゼロからの工場立て直しドラマ。ですが、国からは閉鎖の猶予期間は一年間、その間一円も金は出さないから勝手に金策しろという条件が付けられます。それに宋雲輝自身には国の決定に逆らったからそのうち処分されるから覚悟しとけと言われてしまいます。

 それでも彭陽農薬工場に戻って、竹胺を海外にも国内のどこよりも先んじて開発しようと工場の一同を鼓舞します、と言っても、開発に必要な費用も、給料も来ない一年間を自分たちで乗り越えなければいけません。新しい農薬の開発と並行して、当座の資金を得るための仕事もしていく必要があります。当初の熱気が失せると、次第に険悪なムードが流れ始めた現場。
 どうにか売れる機械を売り払い、金策をしていても、全く焼け石に水。三か月もすると工場に残った労働者たちの不満も膨れ上がってきています。

 

 宋雲輝は梁思申の父に資金援助を求めますが、あっさりと20万ドルをゲット。梁パパ、楊巡とは違って、宋雲輝には絶大な信用を置いている様子・・・楊巡、梁思申に片思いのようですが💦
 梁思申の父は明らかに楊巡と宋雲輝に対する態度が違います。その理由がちょっと気になります。

 

 前作から3年あいているわけで、話についていけるかどうか心配していました。始まってみれば、なんか懐かしくほっこりした感じで、すぐにドラマの世界に浸れました。

 新しいキャラは主に彭陽農薬工場に登場してきますが、工場再生のキーとなる竹胺開発の責任者曹自立には劉丹、その夫斉衛革には寧文彤という楽しくなるキャスティング。


 ドラマの展開に第1季で宋雲輝が子ども時代の梁思申と初めてコーラを飲むシーンがありましたが、今回二人が普通のようにコーラを飲んでいるシーンがありました。北京に交渉に行ったエピソードではなかなか面会できない相手をテニスコートまで追いかけていきましたが、確か第1季にも同じような場面があったような?
 こういうように前作、前々作から見ている視聴者にはうれしい描写も組み込んでいるのはうまいですね~

 

 正直、登場人物たちが交わしてる専門用語なんかほとんどわからないんで、丸呑みしてるんですけど、それでも十分ドラマを楽しんでいます。

 一応、竹胺ってなんだ?と調べたんですけど、「氨基甲酸酯类杀虫剂」だそうで英語で「carbamate insecticides pyridinol carbamate 」日本語で「 カルバメート系農薬」だとようやくわかりましたが、ドラマ視聴には「竹胺」でもういいや~となってるw

 

 胡歌の「繁花」と同時進行で見ているわけです。どっちも同じ中国の1993年を舞台にしているドラマです。「繁花」の描く改革開放でバブルまっさかりの上海を、こちらも同じ改革開放で変わっていく地方社会を共に経済界方向から描いでいるんですけど、もう全くテイストが違い過ぎて、比較する気にもなりません。
 ただ、個人的にはこれが始まったとたんに「繁花」の優先順位が2番になってしまいました。おもしろさの種類は全く違うけど、どちらも見たい作品なんです。でも、王家衛もいいけど、第3季ということもあってこちらの方がしっくりくるんですよね~

 ということで、「三大隊」はどうなった?