江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

宋慈韶華録 その2

14~25集(大結局)

 

 やっぱり最後は皇帝がらみ、朝廷がらみの話になっていって、エンドマークとなりました。確かに事件は解決したし、犯人も見つかったし、宋慈、李子方、趙小六こと瑞王の男主3人に、白雲烟、尹俏、沈溪月という女主3人もうまく3ペアを成立させてそれなりに大団円。だけど、なんかすっきり終わった感がないんですよね~

 

 ドラマでこれまでに起こった事件は李子方の父親が被疑者となってしまった軍の糧食の輸送中に骸骨兵に奪われた事件と五人の大臣が次々と殺されそこには邪教の印が見つかっているという死亡国度事件の二つに集約されていきます。そしてこの二つの事件の解決を宋慈に求め、協力は惜しまないというのが白雲烟の義父韓复と沈溪月の父沈秀霊です。この二人、それぞれ宋慈の身辺に娘を送り込み、その娘たちがいずれも宋慈によい感情を持ち出していることを歓迎、政治的にも背景を持たない宋慈を陣営に引き込こもうと好々爺然として彼らに対しています。

 しかし、視聴者的には「犯人はどっち?」としか見えない。
 結果、どうだったかはしてお見てのお楽しみとしておきます。

 

 ここまでごまかし続けてきた趙小六の正体も、不心得な将軍の「殿下!」のひと言で暴露されました。ここで立場一変かというとそういうこともなく、相変わらず「師父~」と下手に出てますし、宋慈の態度もでかいままw
 けど、絵を描く才能には恵まれていても後はどうよ?と見えていたこの瑞王、結構やる人です。検死をする宋慈が刺客に狙われないようにと、これまで通り助手として側にいる、襲撃を受けそうだと知るとさっさと軍を呼び寄せるとかとにかくてきぱきと有能なんです。もう見違えるぐらい。趙拡よりこっちが皇帝になれば、南宋ももうちょっと、とかまで思ってしまいました。
 

 このドラマの中では一番おもしろみのあるキャラが瑞王、二番目がその護衛榔頭だというのは、私の偏った趣味のせいですw

 耳付き帽子の榔頭がお気に入りです。

 

 宋慈は自分は解剖による検死で死者の声を聴くと言って、ひたすらにその道を突き進もうとしています。そういう部分では、「少年宋慈」のイキの良さが悪くないんですが、どうにもなんか収まりが今一つしっくりこない。

 一つには配役もあるんでしょうけどね~
 特別出演の形で出ている李乃文とかを除くと、まだまだこれからの若手がメインなのに、彼らがあまり光ってこないように思うのです。

 

 宋慈の姉宋清を演じてる董璇は初めと終わりの方にでてくるんですけど、なぜ2回め出てきたというくらい不自然な登場しているし、皇帝役の海一天もなんか中途半端にしまりがなくて、期待外れ。何しろ光宗ですから、もっと振り切るかと期待してたんですけど。

 女主3人についても最後に家族を失ってしまって…という話が繰り返されて、もっとひねりが欲しかった。

 

 低予算作品なのでしょう、大勢の軍勢が出てくるような場面でもエキストラとかが少なくて、どこかの屋敷の庭に納まる程度の人数、アクション場面もしょぼい、見せ場のワイヤーアクションも侵入者が屋根に飛び上がる程度しかなかったような?もうちょっとアクセント付ければいいのに、と寂しく突っ込みながら見てました。
 今回男主3人はいずれも武芸ができず、女主の一人尹俏だけが武芸の達人、沈溪月もちょっとはできるという程度の布陣では、アクション場面が多くないのは納得なんですが、映像的にももう少し見せるものが欲しかった。

 

 探案ものとしては、まあまともに取り組んでます。南宋の時代にそんな知識あった?とか疑問を持ちつつも、怪異や邪魅に理由を求めたりはしていません。
 それより、ドラマの冒頭やところどころで入る「洗冤集録」からの引用が気になってならないんです。

 「結論に飛びつかず、じっくり死体を調べろ」とかいうのはわかるのです。「傷の見当たらない男の死体は肛門を調べろ、そこから棒を突き刺されているかもしれない」とか「後頭部に針を打たれてないか調べよ」とかいうのもあって、それ、ほんとに書いてあるの?ドラマの創作?と突っ込まずにいられない。仮にそういう内容が残されているとして、南宋のこの時代、わざわざ書物に残すほどそういう事例があったの?と、ドラマそのものよりこっちにミステリを感じてしまいました。

 ということで、2024年最初に視聴開始したドラマを見終わりました。ちょっと、いや相当に薄味ではありましたが、他のドラマがしっかり濃い口なんでこれで十分なのでした。
 

演 員     角色   配音
孙泽源  飾  宋慈     许凯
陈欣予  飾  白雪烟    王玥
李乃文  飾  韩复
董 璇  飾  宋清     杨佳妮
海一天  飾  赵惇
何明翰  飾  赵扩
刘 金  飾  李崇心
居来提·库提来 飾  李子方
殷 沁  飾  尹俏     于鸣鹿
李思博  飾  赵小六
颜 嫣  飾  沈溪月    李叶萌
陆 烟  飾  沈溪菲
朱海军  飾  沈秀灵    林强
陶宇佳  飾  容妃
杜 珺  飾  苏权
糜 帅  飾  榔头     杨磊

出品人     葛春雷、汪壮、蔡明、武卫
制作人     葛春雷、任梓智、刘华博
监 制     任梓智、谢颖
导 演     闫崑、徐京
编 剧     闫崑
美术设计    都向东
动作指导    王鹰
造型设计    白雪松、吴桐
服装设计    师兆霞
视觉特效    大胜、李浩然、裴国嵩、马家驰