江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

「東邪西毒」と「東成西就」

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「東邪西毒」と「東成西就」続けてみたら・・・


最近1990年代のはじめごろの武侠映画を続けてみています。チャンネルNECOで、「シスター オブ ドラゴン(新天龍八部之天山童姥)」を放送していたり、PPLIVE(最近はPPSよりこっちのほうが配信中に切れないのでもっぱらこっちです)で、「東邪西毒」と「東成西就」とかあれやこれややってるもんで、ちょくちょく見ています。電視版と違って、2時間程度で全部見られるってやっぱりお手ごろ。
で、「東邪西毒」(楽園の瑕)とこれを王家衛が二年もかけて作っている間に、ほとんど同じ俳優とスタッフで作っちゃったという「東成西就」(大英雄)。
ものすごく芸術的で、エロチックな映像、舞台は砂漠と海でなんにもない登場人物たちの心象風景。色も茶色と灰色と時々突き刺すような青。一応射鵰英雄伝のおじさんたちの若いころってことになってるけど、あんまり気にしないほうがいいと思う。東邪、西毒、北乞は出てくるけど、南帝は出てこない。戦闘シーンもちゃんばらもあるけど、「武侠」なシーンはない。
という、芸術的で美しいけど、その分難解な「東邪西毒」(楽園の瑕
対して、「東成西就」(大英雄)もうめちゃくちゃキッチュで安っぽくて、ヒラヒラキラキラの衣装。安っぽい宝塚というか90年代武侠ドラマの衣装をインド風に派手にしたというか・・・「東邪西毒」が汚さと地味さではめちゃくちゃリアルだったうっぷんを吐き出してる感じ。こっちも一応射鵰英雄伝のおじさんたちの若いころって設定なんだけど、なんでもあり!梁家輝のすさまじい女装から、ミュージカルから、梁朝偉のたらこ唇から・・・でも、「武侠」なシーンはけっこう本格的。
という、いやになるほどにぎやかな、「東成西就」
どっちがいいかは、結局好みだと思います。でも、二つならべて思ったのは、、「東成西就」が「東邪西毒」のパロディってのは違う。これはどっちも、射鵰英雄伝とかの一連の武侠映画や小説のパロディなんですわ。同人誌でよくやる「キッズなんとか」と同じノリ。両極端に振れてるだけで、根本のところ「武侠映画が好きっ」ってのがものすごくよく伝わってきた。どっちがどっちのパロディってのは違うと思うなあ。

で、最後にう~~んと考えてしまったのは、どうして金庸先生は張紀中版の「笑傲江湖」が原作と違うって腹を立てたのか・・・そりゃ違いますけどね。でも、他の映画版とかに比べたらあのくらいたいした変更でもないのに・・・それに原作より絶対終わり方がすっきりしてよくなってるのになあ。

絵は「東邪西毒」で欧陽峯、「東成西就」で黄薬師なレスリー・チャン(張国栄)です。これだもんね、俳優っていい仕事だなあ。