江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

楚留香伝奇 その2

  どうにか大結局

 

 なんといっていいのか、大混乱のうちに終わってしまった。
 つまるところは脚本が悪いんでしょうけど・・・あと、配役ミス。
 全部で42集が、「血海飄香」、「大沙漠」、「画眉鸟」の三つのパートに分かれているんだけど、もともと独立した話だったのをくっつけるために、ストーリは大混乱。
 「血海飄香」は、日本から中原の武芸を習得しにやってきて、冷たくあしらわれ死んだ天楓十四郎(飾 修慶・・・いつもと違う役でなかなかよかったわ)の息子 无花(飾 崔鹏)と娘 李红袖(飾孙菲菲)の報仇の話、「大砂漠」はその二人の義理の姉 石観音と无花による月亮城のっとりと財宝探し、それに楚留香と石観音(飾 秋瓷炫)の愛情故事。「画眉鸟」は、神水宮という移花宮みたいなところを画眉鸟という女と无花がのっとろうとする話に、登場人物たちの親子関係の謎が絡んでくる。
 簡単に書くと全然複雑でもなんでもないんだけど、何しろ出てくる人間が嘘をつきまくる、到底不可能な二重生活を送っている、親子関係はみんな?つき。とんでもなく陰険だったり、しつこかったりして、真実がどこにあるのかわからない。そのせいか、最後のほうで楚留香に「ほんとでも、うそでもいいじゃないか。もうみんなすんだことだ」みたいなせりふを言わせてる。きっと作っているうちに、収集がつかなくなったんじゃなかろか。
 もともと別の人間だったのを、一人に集約してしまったりもしてるらしいから、もう話の展開は無理が通れば道理が引っ込む的世界。ここはどこ、私は誰?ってか。

 

 もし、日本でこのドラマをDVDで出すんなら、絶対にダイジェスト版はだめ。朱孝天の出番中心にカットしたりしたら、もう理解不可能になっちゃう・・・

 

 それに、キャラクタ解釈の勘違い・・・楚留香が結婚願望ってのはないでしょ。

 

 もひとつ、ミスキャスト。
 朱孝天は初めての武侠電視劇でうれしそうにやってるんだけど、やっぱりキャラが違う。中国のサイトに今楚留香をさせるなら黄暁明か古天楽、何潤東ってあったけど、せめて30すぎててほしいなあ。「小僧っ子というわけでもないけど、ふけてもいない」って年なんでしょう。
 楚留香も胡铁花(飾 陈浩民)も无花も全部24,5歳で、女性たちは石観音と水母陰姫(飾 萧蔷)をのぞいてみんな20歳くらいってのにも、無理があるよねえ。朱孝天と陈浩民が幼馴染って・・・あんまりだ。
 あえていうと、若者組の女性たちが今ひとつ大美人じゃない。特に最後の彼女が・・・

 

 ついでに、アクションシーンが重い、遅い、一本調子・・・楚留香がワイヤアクションなれしてないもんで、すごく重たげ。それに石観音と二人、空中に浮いて静止しているシーンなんか風でも強かったのか、ふらふらゆれてるんだもんなあ。俳優のせいというより、製作側の責任だろうけど。

 

よかったところ・・・うーーーん。
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ひとつは「大旗英雄伝」の救いようのないヒロイン水霊光をやってた秋瓷炫が、可憐な乙女から人を殺しまくり王国をのっとろうとする妖艶な美女・・・45歳なんだけど、17,8にしか見えないという石観音という大魔頭を気持ちよさそうにやってること。そりゃ、やっててこっちの方がどんなにかおもしろいでしょ。一人の役でこれだけいろいろできれば・・・

 

イメージ 4イメージ 5もうひとつは、无花をやってる崔鹏がなかなか帥!!脚本家に翻弄されたこの役だけど、まあ見てて目にはよかった。