江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

書剣恩仇録 1987年版

1987年版書剣恩仇録

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 1987年版の香港・大陸合作映画です。
 当時、あまりに長いので「江南書剣情」「戈壁恩仇録」の二部に分けて公開されたとのことで、日本でも二部に分けて出しています。題名はどれがどうなってるのかw


 Wiki先生によると、当時「清朝皇帝」という邦題でビデオが出てたようです。
 去年出たDVDが初出かと思っていたら違うんですね。知らんかったです。
詳しいことはwiki先生を見てください。

 私は役に立つことは、書かない・・・書けないw

 両部合わせて、3時間強ですが、時間的にはちょうどいいくらいでした。

 あれだけのボリュームがある原作を3時間くらいにしているんですから、枝葉の話はかなり大きな枝までばっさり。
 余魚同、李沅芷、鉄胆荘なんかはきれいさっぱり出てこない。

 前編では、于万亭が乾隆のところに乗り込むところから、陳家洛と乾隆が兄弟として共に手を組もうと約束するまで。
 後編では、西域に舞台を変えて、兆恵の軍とウイグル部族&紅花会の闘い、カスリーの悲劇、乾隆の裏切り。そして、悲劇的結末。

 結末は、大きく変わっています。
 全体として、しっとりとした感じのするドラマ展開です。

 他のドラマや映画に比べて、陳家洛の「書生っぽさ」が目立っています。
 武芸は立つし、仲間にも恵まれている。
 でも、彼の書生っぽい理想論やつめの甘さは、現実の権力者乾隆の前では、何の役にも立たない。それどころか、愛する女性や仲間たちの悲劇を引き起こすだけ・・・

 ネタばれになってたらごめんなさいですが・・・このあたり、原作よりも他のドラマよりも陳家洛に厳しい終わり方になっています。
 韋小寶ならともかく、陳家洛じゃ再起は不能じゃないかねえ。

 さて、87年当時、大変な覚悟で作られたというこの映画ですが、突っ込むところは突っ込む!

 冒頭、鹿狩りをしている乾隆の前に于万亭と文泰來が姿を見せる。
 その場面、実際に鹿が二頭、射殺されています。欧米や日本の映画でやったら、大騒ぎになるだろう、リアル鹿狩り。

 ウイグルの部族の風俗、女性の化粧なんかは今まで見た中でこれが一番リアルかも。つながり眉毛とか書剣の映像では初めて見た。

 しかし、回教の一行が天に願いをするのに「アーメン」ってのは、いいんだろうか?

 中国大陸各地でロケをしているのですが、今みたいになんでも横店とかの時代じゃないんで、ロケ地が手ずれしてない感じで、好ましいです。

 期待してたより戦争場面とかラストの氷上の戦闘シーンとかは大掛かりです。
 一対一の場面もけっこう見せてくれましたが、主役はさほどでもなかったです。

 すでに30年近く前の作品なんで、演員も今は導演になってたり、どこかに消えてしまったり・・・ですが、まあ、一応演員表。

 そういや、この映画、監督の許鞍華は「桃さんの幸せ」の監督なんですねえ。
 女性監督てのは武侠映画では珍しいのでしょうか?確か西遊記の導演も女性だったように記憶していますが、もう少し女性監督が活躍していてもいいような気がしますなあ。

演員 角色
陳家洛 張多福
乾隆 達式常
霍青桐 劉佳
香香公主 阿依努尔
文泰来 郭碧川
駱冰 丁翠華
心硯 孫晨曦
趙半山 余大陸
無塵道長 呂永泉
張召重 武春生
玉如意 于莉
木卓倫 哈迪尔
霍阿伊 阿尼瓦尔
于万亭 王洪涛

▪ 原著:金庸
▪ 導演:許鞍華
▪ 編劇:許鞍華;金庸