1~14集
絶対に好みじゃないなという確信はあるわけですが、蘭陵王みたいにスタート時点でへんな期待をすることもなく、覚悟を決めて「女性向きドラマ」とやらにとりかかりました。
ちなみに80年代バージョンはDVD一枚目で敗退・・・
この2010年版の紅楼夢、なかなか評判はよかったんですが、中文版で見る語学力とモチベーションにはかけていたんで、ちょうどいい機会ととりかかりました。
いやあ、けっこう興味深く見てます。
解説書のたぐいは何度か目にしてるんですが、紅楼夢そのものは何年も前にざっと読んだきり。ということは、ほとんど忘れてるということです。
なにしろ登場人物がいっぱいいるんで、覚えきれるわけない。
原作至上主義でドラマを作ったという話は耳にしてましたが、ずらりと並んだ専門家らしき皆さんの名前。圧倒されそうになりましたが、残念、誰も知らんw
日本のテレビで見てる人もまあ大概同じようなもんじゃなかろうか。毎回登場人物の紹介とかついてるしw
長大な原作をたった50集にまとめてあるんで、わりにテンポよく話が進んでいくのも安心感。
とまあ、肩の力を抜いて・・・
画面はとにかくきれいです。
衣装も、セットも、豪華絢爛。メイクやきっちりセットされた髪型や髪飾りも美しい。ついでに食べ物も豪華絢爛。
だいたい三世代にわたる人たちが登場するんですが、それにふさわしい年齢や貫禄の俳優が集まっています。
楊幂まで、賈宝玉の刁蛮な侍女で出てきてるのにびっくり。演員表をよく見ると張檬や趙麗穎なんかの名前もあります。
あのセクシー売り物女優の張馨予まで出てるのかと思ったら、こっちはまったくの別人。張馨予って名前の女優さん、三人もいるんだねえ。珍しい名前じゃないんだ。
BGMもつぶやき声やため息のような歌声、声明か京劇のような曲調とか、ゆったりと幻想的。控えめだけど、結構目立つ。
思った以上にCGが使われているけど、紅楼夢という「夢」の話を強調するように画面をぼかしたり、歩く人たちだけを早送りしたりと使い方が効果的でうまい。
女優たちのしぐさも上品で、繊細。それを楽しむのもいいかもしれません。
ちょうど賈宝玉と娘たちが怡紅院その他に収まったところ。現実離れした上品で華麗な賈家ワールドが猥雑でパワフルな現実に蝕まれていくのはこれからです。
およそ生産的なことはなにもしない、できない賈宝玉たち。あふれるほどの金銀財宝に囲まれ、湯水のように金銭をばらまきながら暮らしていても、その価値は理解していない。
そんな賈宝玉と林黛玉たちの恋愛ごっこと豪華絢爛な画面をしばらくは楽しめそうです。