小説の65~84章
言闕の計画阻止、大みそかから新年にかけての事件、蒙摯受難、宮羽、殺人犯入れ替え、蘇宅新築祝い、爆発事件、大楚の使者到来というところ。ドラマ的には、12~18集ぐらいの景睿の誕生日もうすぐのところです。やっと静嬪改め静妃、高湛も登場しました。
大きな違いは、やはり景寧公主の存在。大楚の使者は、大梁の皇子との婚姻だけでなく、公主との結婚を求めてきました。恋人の存在を知っている靖王は梅長蘇になんとならないかと尋ねますが、方法はないと断られてしまう。その代りに靖王自身が気づいていなかった自分を含めた皇子と大楚の縁組を指摘され、こっちは梅長蘇の手はずで簡単にクリア。
ネットに公開されたものを読んでいると、こういうところを梅長蘇は冷酷だとか、靖王は愚か者じゃないのかとか言う声もあったようで、作者が弁明に努めているのも見かけて、なかなか楽しいです。
宮羽の演奏を聴く場面は、元宵節の賑やかな妙音坊での出来事になっています。人混みの中を言豫津と待ち合わせた梅長蘇一行が行くのですが、黎綱が飛流に迷子になるな、兄さんの手を離すなと言って、飛流がふてくされるとか、「ほしい?」と次々と飛流に灯篭を買ってやってさすがに黎綱に文句を言われる梅長蘇とか、目印にばかでかい灯篭つけた竹竿を担いでいる言豫津とか、なかなか楽しい場面でした。
妙音坊での楽器当てゲームの商品として、宮羽が蕭景睿の誕生日に演奏するという流れですが、まあドラマの方がすっきりしていた感じもします。
蘇宅の新築祝いには誉王たちは来ていませんが、流れは一緒。ただ、蒙摯が靖王サイドから密道に入る方策を梅長蘇から授けられる場面がありました。でも、残念なことにその後作戦実行する場面はなし。
ドラマと違って、蒙大哥の萌えシーンないんですよねえ。飛流の場面はもりだくさんなんだけど。
そのかわり奥さん登場。子どもはいないけど、とってもなかよし夫婦だそうです。
大晦日の夜、餃子を食べる場面。すばしっこい飛流が出遅れたのは、熱いのがだめだったからという発見もありました。
ついでに、ドラマじゃ直接床に座っていますが、原作では椅子に座ってます。なんか違和感あります。
全体的に原作の梅長蘇はドラマよりもっと復讐者としての顔、江左盟の宗主としての厳しく冷徹な顔を見せています。時に蕭景睿を不安がらせ、靖王に嫌われながらも、靖王を皇位に付け、祁王と林家、赤焔軍の名誉を回復するために、悪鬼と化して地獄に落ちても構わないという覚悟の梅長蘇が林殊とは別の人格としてより差別化がされている感じです。
言闕に「梅長蘇のような人間は嫌いだ」と言われ、自分でも「景琰たちには明朗闊達な少年林殊の自分を覚えておいてほしい」と言う謀士梅長蘇であり続ける苦悩と裏表に、仇が彼の作り上げた罠の中に次々とかかっていく痛快さが読み手にはよいハーモニーを作り出しています。
さて、これから蕭景睿の誕生祝・・・