江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

2020年版鹿鼎記 その1

1~10集

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 金庸作品の何度目かのドラマ化がいくつか進んでいるなかで、「あれ?これが先?」と思ってしまった。まあ時期的には同じくらいに作ってたんでしょうが、「神雕侠侶」や「天龍八部」の話に比べてあまり話題にのぼってなかったんでちょっと意外でした。

 「鹿鼎記」というと周星馳の映画を初め、1984年の梁朝偉劉徳華版、1998年の陳小春、馬浚偉版、2008年の黄暁明、鐘漢良版、2014年の韓棟、魏千翔版に大改編された2000年の張衛健、譚耀文版の「小寶與康煕」とたくさんの先行作品を見てきています。

 84年版とか98年版は名作、経典という評価も固まっているようです。(個人的にはハチャメチャ改編の「小寶與康煕」も大好き)

 そこに登場してきた張一山と張天陽が韋小宝と康煕帝を演じる今回の「鹿鼎記

 いつものように中華サイトの評判はものすごく悪いようですが、とにかく「金庸」だ、「鹿鼎記」だと「燕雲台」その他を後回しにして、早速視聴開始しました。

 

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 張一山の韋小宝は、見かけは原作に沿ってるけど、まるで猴だ、孫悟空だというような評価を多く見かけます。確かに、額に血管浮かして滑稽な表情しよう、大げさにおもしろい顔しようとしている張一山を見ているのはちょっと辛い。黄暁明の時もちょっとそういう感じはあったんですが、今回は全編がそんな感じ。

 張天陽の康煕と二人、少年時代を演じる子役を入れずに、いきなりの登場です。そして、いくらなんでもこの二人で延々と子ども同士のじゃれあいを演じるのには無理があるとは思ったのか、韋小宝が小玄子の正体を知るまでがものすごく短い。

 

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 「鹿鼎記」というのはいろいろな解釈で映像化がされていますが、私の解釈ではどの作品も韋小宝と康煕の友情がドラマの根幹を貫いていると思うのです。時と共に悪ガキ仲間が、君臣となり、やがて分かれていくのですが、それでも少年時代のあの戯れあった時代がベースにあっての二人のドラマ。
 見方は個々それぞれでしょうが、韋小宝の7人の妻とかがアイキャッチャーでも、あくまでも二次的なものだと思うのが私の見方。

 そこから行くと今回のドラマ、あっという間にその部分を通過してしまいました。科白の中ではもう少し時がたってる気もしますが、ドラマ見ている感じでは小宝が小玄子と出会った翌日には彼が皇帝だと知って、鰲拝に噛みついてるように思える・・・なんか慌ただしすぎて情緒に欠けるというか友人としての二人の関係が深まらないうちに君臣に変わってしまってもうそれ以外の関係が存在してない気がする。

 ただ、50集あった黄暁明版と比べても、そんなにドラマ自体の展開が早いわけでもなく、ほぼ同じ程度。10集で劉一舟たちを逃がす話前後に来ています。

 じゃあ、はしょった部分がどこに回っているかというと「ドタバタ」じゃないかと・・・

 

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 今回唐艺昕の演じる建寧公主の出番がうんと増えていて、彼女がらみでオリジナル展開も出てきました。他の「妻」たちに比べて、経験も人気も十分な彼女だからこその配役と見えます。
 ただ、やっぱり彼女も無理してドタバタを演じているように見えてならないのが苦しいです。

 「鹿鼎記」にはコミカルな一面もありますが、けっしてドタバタ喜劇ではないと思うんですけどね~

 その感じを強調してしまうのが、BGM。今回のBGM、まるで往年のハリウッド映画のドタバタ場面のような音楽とか、バンジョーのハイテンションなウェスタン調の曲とか、どこかで聞いた覚えのあるようなコメディ映画の曲っぽいのとかが次々と出てくる。そこだけ聞いてると、懐かしのアメリカシットアップコメディ見てる気になってしまうのは、よくない気がするw

 海大冨の田雨、陳近南の王陽は「慶余年」でおなじみなわけです。新丽电视文化がどちらに関わっているからでしょうか?

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 鰲拝は劉天佐、誰かわからないほどのメイクですが、何度も鰲拝を演じている徐錦江バージョンへのリスペクトを感じて好感です。

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 評価がめっちゃ悪い本作、原作や既存作品への思い入れが強いほど、新しいドラマへの抵抗が強くなるのは致し方ないとは思います。でも、今回のドラマ、やっぱりドタバタしすぎと思うし、BGMなんとかしてくれ~というのを別にするとまあまあ普通に見ていられるのです。原作へのリスペクトが全く感じられなかったアレコレに比べりゃ

 ということで、大陸評価サイト本年度最低ポイント更新したとか言う本作を結構楽しく見ている迷子でした。

燕雲台 その2

10~19集

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 生木を裂かれるとわかっている恋愛関係、二人が熱烈な恋模様を展開すればするほど、なんだか見てるのがつらい感じになってしまうんですよね~

 というわけで、韓徳譲と蕭燕燕の二人、歴史通りとなりました。

 

 暴君穆宗は兵士によって殺害され、韓徳譲たちの助けでそこに駆け付けた明扆が新皇帝として即位。出遅れた太平王は兵を率いて襲撃するが后族たちの支持も得られず反逆者として一人国を去ることになる。

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 同じく出遅れた喜隠の方は、即位したのが明扆と知ると「病弱な明扆には子どもは望めない。たった一人の弟は穆宗の侍女に手を出して逆鱗に触れ、宮刑に処されてしまった。となるとチャンスが巡ってきた」とほくそ笑んでいる。彼の后となった烏骨里が妊娠中なこともあって、とらぬ狸の皮算用

 ところが、即位した明扆がすぐに皇后として蕭燕燕を指名。

 さあ、たいへん。

 で、韓徳譲と二人駆け落ちするが、さっさと逃げないからつかまって、徳譲半殺し。

 結局、后族の責任とか国の体制を整えるとか燕燕を連れて逃げると漢族全体に迷惑がかかるとかなんとかやりとりがあった末に、燕燕は貴妃として入宮することになり、韓徳譲もまた一人去っていったという今回視聴分。

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 「大明風華」でも宣徳帝と孫皇后がツンデレカップルぶりを発揮してましたが、あっちとちがうのはいくら燕燕と韓徳譲が大恋愛を繰り広げても最終的には皇帝にとられるというところ。

 しかし、この話、どっかで聞いたことのある展開・・・

 「琅琊榜」迷には、明扆が若き日の梁帝、韓徳譲が同じく若き日の言闕、蕭燕燕が林楽瑶と重なるんですよね~

 言侯が梅長蘇に「友を信じて命がけで帝位につけたとたん、残ったのは君臣の二字だけ。すぐに私の林楽瑶を奪い去っていった」と言った場面がありましたが、これがそっくり当てはまってますな~
 なんでこんな展開にした💦

 まあ、この後、韓徳譲が「言侯」にはならないのはわかってるわけですが・・・


 ここまでで「青春篇」的なものが終わった感じでしょうか?

 

 后族というのは幕閣と大奥を併せた役割を持ってたというふうに理解したんですが、だから韓徳譲と恋仲を十分承知の上で一番能力もある蕭燕燕を皇后にして后族と皇族が一致して国を安定させていくという表向きの理由が成り立つ。そして、明扆自身がそれを理由に自分の好きな娘を友人から奪ったわけです。

 燕燕をあきらめて荒れる韓徳譲に「せがれ、呑みたいんだろ?母さんが付き合ってやる」と言う彼の母親がかっこよい。

 すぐにまた戻ってくるようですがw

 

燕雲台 その1

1~9集

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 いつ出るかと待ってたドラマです。

 待ってた理由はいくつかあります。まず今年はラブコメはいっぱい出てるんですが、きちんとした歴史劇というと「大明風華」「風雲戦国之列国」「清平楽」くらいなんですよね~「鶴唳華亭」とか「錦繡南歌」なんかはいいドラマでも架空歴史だし、一応なんとか時代と設定されてても、「それが何か?」みたいなのばっかりでw

 そこにやっと出てきたこれは10世紀ごろの遼国(契丹)を描いてるドラマです。
 このころの遼というと「天龍八部」で喬峯改め蕭峯が耶律阿保機から南院大王に任じられていたとかがすぐ記憶に上ってくる武侠迷です。でも、楊家将が戦った相手という方が幅広いですかね?

 広い草原で、馬いっぱい走らせたりしてる画像を見ていたので、そちらも楽しみ。

 演員的にも今大流行のラブコメの出演者層よりはもう一世代以上は上で、しっかりしたドラマが楽しめそうとかいろいろ期待するところがありました。

 ただ一つの不安要素が、三姉妹が草原を舞台に骨肉の争いみたいな宣伝文を見かけたところ。そういうの一番苦手💦

 

 ともかく「ほんとに出るかどうか」半信半疑の11月3日、配信が始まりました。

 ドラマの背景を岩波新書の「シリーズ中国の歴史③草原の制覇大モンゴルまで」(古松崇志著)や百度百科等を参考にメモっておきます。間違ってたら教えてくださいね~
 
 資料によって名前の字が違うのは普通、一人が複数の名前を持ってて普通というのは実にしんどいですが、ドラマ見るためにがんばるw

 遼という国は、太祖・耶律阿保機が10世紀初めに建国、天皇王と名乗って草原の伝統に中原の文化を取り入れた国づくりをして、草原に大きな国を作り上げていきました。

 彼の死後、後を継いだのが耶律徳光(太宗)で彼の時代に、中原にまで力を伸ばしていきます。徳光は次男で本来後を継ぐのは耶律倍だったのが、母述律氏の意向で弟の彼が遼の天皇王となります。兄は渤海を征服した後に作った東丹国の「人皇王」となりますが、のちに敵国に下り、戦乱の中で殺されます。

 徳光が死ぬと、新たに皇位についたのが冒頭に殺害された世宗・耶律阮で、この兄の遺児です。

 突欲に不満を持つ祖母述律氏が皇帝にしようとしたのが李胡。阿保機の三兄弟の末弟。

 ドラマで何度も出てくる三支というのは
  ①阿保機の跡を継いだ二代目太宗・耶律徳光、その息子の現皇帝穆宗・耶律璟、弟の太平王・罨撒葛
  ②長男耶律倍とその息子世宗・耶律阮、そしてじっと時を待っているそのまた息子耶律賢(明扆)
  ③一度は帝位につけると思った三男李胡、その息子耶律喜隐
 という仕分けでいいんでしょうか。

 それぞれが国を掌握しようと虎視眈々しているところに、重要なキーを握るのが主人公蕭燕燕の父蕭思温。彼らが属する「后族」というのは「皇族」に対する「姻族」で、代々皇后や王妃を出して来た家系。蕭思温自身は国の最重要人物の一人です。

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 こういう背景で、三支のそれぞれが蕭家の娘を后にしようと頑張るわけです。

 そこへ戻ってきたのが韓徳譲、彼の一族もまた有力者ですが、皇族ではない。なのに、蕭燕燕と恋愛モードに入ってます。いつか来る悲劇の別れ・・・💦

 今回はなんか途中半端な数でブログアップしてますが、ちょうどヒロインの二人の姉がそれぞれ①の太平王、②の耶律喜隠と結婚したところです。
 いずれも蕭家を狙っての政略結婚なんですが、大姐胡輦はそれを承知の上でこれが蕭家の娘の責任と結婚を承知、二姐烏骨里は喜隠の甘い科白にあっさり篭絡されてしまってます。

 ここに来るまでに、喜隠の父李胡は帝位を狙って、穆宗や明扆の暗殺を企て、死に追いやられている。明らかに共犯の息子が助かったのは、「それでも最後の助けになるのは太祖の血筋」と許されたからですが、これから企むの確実。

 それを誰もが知ってる状況で、二人の娘の婚儀を同時に行った蕭思温も結構人が悪い。当然、喜隠のところには誰一人祝いに訪れない。

 こういう緊張関係の中、じゃあ後一人残った末娘を・・・と明扆が考えています。

 

 演員的にはちょっと年齢層高すぎやしないか?という気もする皆さん10代のスタートですが、まあこれからだんだんちょうとよくなってくるんでしょう。

 主演には唐嫣@蕭燕燕、竇驍@韓徳譲、佘诗曼@蕭胡輦、経超@耶律賢、譚凱@罨撒葛、劉奕君@蕭思温、廬杉@烏骨里、季晨@耶律喜隐と実力派がずらり。

 中でも小心者の暴君耶律璟を演じる寧理がいいですわ~

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 他にも「あれ?この人も?」的な出演者もたくさんあって、そちらも楽しみです。

 ただ、ちょっと不満なのは辮髪。各種辮髪がいっぱい出てきて、それはそれで楽しいんですけど、ほぼエキストラばっかり。

 

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主役グループでちゃんと辮髪見せてくれてるのが李胡を演じてる王絵春だけなんですよね~せっかくのチャンスなのにと思うと悲しいです。

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 とにかくラブコメ花盛りの中、大いに期待していたドラマが始まってうれしいです!

浮世双嬌伝 その4

31~40集(大結局)

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 ちょうど「燕雲台」のスタートと入れ替わるタイミングで見終わりました。

 最後まで「お約束」と「なんかずっこける」展開が混ざってるちょっと奇妙なテイストのドラマでした。嫌いじゃないです。
 でも、このタイミングで見終わってよかった。これから毎日「燕雲台」の更新があるらしいので、「如意芳霏」の視聴がもう怪しくなってきてます。ほんと、こちらの主演の俳優さん、なんか縁が薄いんですw

 ストーリ展開に触れまくってますので、画像以下は立ち入りご用心でお願いします。

 

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 さて、皇后玉盏を敵対視する趙婉儿と寿安公主が手を組んで、混ざると危険な毒をそれぞれ持ち込み続けた結果玉盏の命はあとわずかという事態に陥る。
 これを解毒できる薬草を求めに遠くまで出かけた江紹と金盏です。やっと手に入れた薬草を李懐瑾の手下が水に放り込んでダメにしてしまう一幕。

 ありがちな展開なんですが、ここで薬草の入った包みを取り合って大々的に武打シーンとか期待したら、あっさり水桶に放り込まれて慌てる。もう戻ってる暇はない、都に帰って最後に顔を・・・とかやってる。
 これ自体がフェイクで、実は江湖の経験豊かな江紹がこっそりもう一つ買っていた・・・
 こういう視聴者が期待するところを見事に外してくれるのがなんか楽しみでした。


 このエピソードの後は、いよいよ李懐瑾の工作によって江紹の身元が周知の事実となってしまう。薛英から実はお前は前皇帝の子どもと打ち明けられた江紹が「やった、これで金盏に釣り合う!」とは喜んでるけど、「皇帝、そんなものになりたくもない」とあっさり。でも、ここからが大騒動に。

 このことは秘密にしておこうと約束したのに、それぞれ玉盏と金盏にしゃべる、金盏は李懐瑾にしゃべる、官吏たちに問い詰められた江紹自身もあっさりしゃべると、もう「内緒の話は誰もが知ってる」状態。コメディではないのに、笑えてしまうのがこのドラマのとりえ。


 江紹にはその気はなくとも、前皇帝の血を引く皇子が現れたら、養子の薛英よりそっちを皇位につけるべきと考える重臣たちも出てくる。やっぱり皇位が欲しいんじゃないかと薛英が疑い出す始末。


 そこへ、薛英と江紹の中を割こうと次々企む李懐瑾。二人の関係が最悪化する片方で、一度は快方に向かっていた玉盏体内の毒がまた悪化、今度は薬にも期待できないという崖っぷち。
 どんどん関係悪化する薛英と江紹、江紹はとうとう薛英から帝位を奪うことを決意、それを煽り立てる李懐瑾。

 この一連のすべてが江紹と符言信の計略だったというのは予想通り。

 李懐瑾は母親の死後、自分でも薛英や符言信を討とうと思ってるし、月栄がそれをあおる。ところが長公主や月栄は彼を皇帝にしたいと願って企んでるのに、彼は仇は討つけど、皇位はいらない。それより金盏と結婚したいの一念。

 

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 最後まで、ひたすらに金盏を追い求めるところに変わりがないというのが何となくかわいく感じられて、目新しい感じでした。


 ラストは皇位も身分も捨てて金盏と二人旅に出ていく江紹、符家の三女として迎えられていた蓁蓁も自分の道を求めて旅立つ、そして一人残る薛英・・・とどことなく「酔玲瓏」を思い出させるエンディングとなりました。


 いろいろ足元すくってくれた割には、ラストはきれいに収めた感じです。
 恋愛関係も結構錯綜してたんですが、ことさらにドロドロすることもなかったので、気分良く見終わることができました。
 というわけで、今日からは「燕雲台」にとりくみます。


演 員     角色
李治廷  飾  薛荣
孟子义  飾  符⽟盏
李艺彤  飾  符金盏
汪卓成  飾  江绍
任宥纶  飾  李怀瑾
钟 祺  飾  寿安
林思意  飾  柴蓁蓁
陈 扬  飾  张永曜
华 雯  飾  赵婉儿
斓 曦  飾  福庆长公主
马文忠  飾  符言信
傅 隽  飾  薛巍
梅年佳  飾  刘承复
王子甲  飾  月莹
赵佳蕊  飾  兰佩
胡晓慧  飾  青戈

職員
出品人  王靖
制作人  方芳、刘易衡
監 制  黄菲飞
導 演  蓝志伟、黄家辉
編 劇  杨陌工作室、蔡靖婷、梁佳颖、李芹
美術設計 钟移风
動作指導 宋广鹏
造型設計 张晔
服装設計 李昌盛、龚建波

浮世双嬌伝 その3

21~30集

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 このドラマ、描いてるドラマの内容はそんなに珍しいものとは思わないし、派手な幻玄劇でも重厚な歴史劇でもない。かといってラブコメかと言われると確かに恋愛ドラマだとは思うんだけど、ことさら大仰にドタバタしてるわけでもない。

 ドラマ展開もなんかゆるゆるで「あり得ない~」「また、そんな~」と突っ込むところも多々。演員的にも、CGやアクションもそんなに派手な感じはない。

 なのになぜか見てしまうんですよね~
 
 それがどうもこのドラマにちょいちょい見られる「え?そう来るの?」というようなちょっと調子はずれというかテンポの違う展開に興味を惹かれるからのようです。

 前回視聴分で死んだことになって行方をくらましたはずの金盏。無一文で食べ物にも困っていたと思ったらあっという間に皇帝薛英や姉たちと再会、江紹と二人で悠々と観光旅行。

 その間に姉玉盏となんとしても結婚したい薛英が、張永曜との婚約を解消させようとじたばた。このあたりは完全にラブコメ

 まあ、こんなことをしてる間に長公主は前皇帝の死が自分に原因があることを知っている大監たちを始末しようとごそごそ。

 都に帰ってきてはまずい金盏と江紹が密かに戻ってきて町はずれに居を定める。江紹には母の仇を探すというすべきことがあるのは忘れてなかったようです。

 江紹が薛英と久しぶりに会うとなんと長公主は死んでいた。

 大監を始末しようとした陰謀から、彼女が前皇帝の死の原因となったことがばれて、牢獄に。そこで息子に恨みを残して自死したと・・・ほぼナレ死。これから、ウザいラスボスかと思ってたら、あっさりと退場してしまった。

 これからは代わりに息子李懐瑾が「母の仇」を討とうとブラック化。彼のそばにいる長公主の手下月栄は李懐瑾が好きで彼を皇帝にしようと彼女なりに企んでいる。そして、長公主亡き今、江紹の出生を記した前皇帝の書付も彼女が持っているといきなり時の人。

 すったもんだの末に薛英と玉盏はやっと結婚。でも、裏には張永曜と寿安公主の悲劇的カップル。こちらは酔っぱらった末に寿安と玉盏を間違え、結婚するしかなくなったというよく見かけるどうしようもない展開。

 金盏と江紹も父親から結婚を認められ、姉妹揃ってバラ色の毎日。

 ところが、結婚式当日に江紹が姿を現さない。実はブラック化した李懐瑾の陰謀で符家の当主符言信が母の仇と思い込んだ江紹が、悩んだ末に霊陽国境を侵してきた南鄺との戦争を回避するため裏切り者を暗殺する役を引き受けたというわけ。

 そこ、「結婚式を逃げるか~」とやっぱり突っ込む。

 わけがわからず混乱する金盏に接近する李懐瑾。

 自分が死んだことにして真相を探ろうとする符言信、薛英もそれに同意する。

 ということで、暗殺の後姿を消していた江紹が見つかって、符言信は母の仇ではなさそうだとわかったところで、金盏が彼を求めてやってくる。それに李懐瑾もくっついてきてる。江紹がぐずぐずやってる間に、金盏に結婚を申し込んでる。

 

 宮中の方では、和平を求めて、南鄺が皇帝薛英に側室を献上してくる。ところがこの側室趙婉儿、亡き夫の位牌を密かに持ち込んでいてひと騒動。彼女が怪しいのは誰でもわかるんだけど、何もでかい位牌持たさなくてもw
 
 宮廷ではこの趙婉儿が皇后玉盏に取り入って、符家や皇帝らを父母の敵と一網打尽にしようとしてます。

 話のテンポが早くて、うじうじしてないのが私好みなんですが、「それにしてもな~」と突っ込むところもたくさん。

 長公主がこれから盛大に企んでくるんだろうな~と構えていたら帰ってみたら死んでたとか、まさかの男主角2が結婚式バックレるとか、悪いけど吹き出した。

 全体的には、「まあそうなるよね~」という話が続くんですが、「そう来るの?」という展開が混ざってきてそれが楽しい。整然と並んだパッチワークのパタンにところどころ向きが違うパタンが混ぜてあるような感じでしょうか?

 これは秘密、誰にも言うなと念を押されたような話は、必ず誰かにしゃべる、自分で隠れ家をばらす、というか秘密裏に帰ってるはずなのに堂々と街中を闊歩するとか、逆にもうお約束な感じ。こういう調子の外れた感じがかえって面白くなってきたんです。

 かと思うと、金盏が皇后だった時に楽しそうにビシバシ責め立てていた皇后付きの指導役を兼ねた宋尚宮が、今度は新皇后の玉盏があまりに仕事ができるのに寂しそうにしてるとか微妙な描写も入れてくるんですよね。

 ほんとなんかこうあっちに揺れ、こっちに揺れしながら、それでもなんとかバランスを保っているスリリングな感じが何とも言えません。

 しかし、後10集。まだ江紹身バレまで来てません。かといって、ネバネバ展開にもなってないから、まあいいかw

琉璃 その5

51~59集(大結局)

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 やっと探し当てた司鳳から知らないふりをされる璇璣とか、私的にはほんとにもう~~な展開からの最終視聴分。
 予想通り次々と「これまでの登場人物」が出てきて、大騒動の結果、大団円となりました。またウザキャラとドン引きした阿蘭がなかなかものの分かったキャラでほんとよかった。


 この手の天界絡みの話は、天帝がしっかりしてさえいればそもそも事件は起こらなかっただろう、起こったとしてもあんたがきちんと配下を管理してたらよかっただけの話じゃないか・・・と見も蓋もない感想を持ってしまいがちなんですが、今回もまたそんな感じですかね~

 このドラマが見せたかったのは、今一ついろいろ理解度の低い女主角をひたすら愛し、奇まみれ傷だらけになろうと、死にかけようと彼女を守り続ける司鳳の姿なんだろうなと思うのです。こちらのドラマの男主角虐待、「鶴唳華亭」の女主角虐待といい勝負とか思ってたんですが、始終泣いてる男主角という点でも「鶴唳華亭」に負けなかったんじゃないかと思う視聴後感。

 もうたくさんの方が視聴済みな作品なので、ストーリ展開はいつも以上にスルーする気ですし、言いたい放題しますので、未視聴の方は画像以下立ち入りご用心でお願いします。

 

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 璇璣と司鳳、それぞれの真の姿が明らかにされ、実はそれぞれ天界や魔界の大物ということが判明。天界、魔界、人界の三界の平和をかけての争いが始まります。
 天界に向かった二人とは別に、玲瓏たちは天界の宮殿から離れて優雅に隠棲している天帝のところに助けを求めに向かう。
 天界では、戻ってきた柏麟帝君が四天王たちに司鳳と璇璣を何としても抹殺しろと命じる。
 実は璇璣は、帝君が魔煞星=魔王の羅喉計都をだまして元神を奪って作り出した戦神であり、自らの種族修羅を滅ぼすために帝君に利用されていた。これに気づいた戦神の怒りを収める贖罪のために天帝の息子羲玄は共に人間界に転生することになった。これが一人の人間に仇同士の戦神と魔煞星が同居してた理由。で、何度も司鳳の前世が彼女に殺されてた理由ですな・・・
 しかし男性の羅喉計都をわざわざ女性の戦神に仕立てたのは帝君の趣味か?


 羅喉計都が復活して、璇璣が姿を消し、彼の中から璇璣を呼び起こそうとする司鳳とかはBLのパロディかと・・・羅喉計都の中の人が「将夜」で寧缺の幼馴染だった卓尔の人なんで、恐ろしい魔王というよりかわいらしく見えてしまうw

 そのうえ、彼の手を握った司鳳が「璇璣・・・」とかき口説くとか・・・www

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 羅喉計都の復活でますますいきり立つ帝君だが、玲瓏たちにせっつかれた天君がやってきて「すべてお前が悪い」と言われて、あっさり反省。わかってるなら、籠ってないでさっさとやめさせとけよ~なんという「竜頭蛇尾」なんという「大山鳴動して鼠一匹」・・・もう笑うしかない。


 羅喉計都と璇璣が分離され、司鳳や玲瓏は一安心。帝君と羅喉計都が共に世を去って、この争いはいとも簡単にエンドマーク。
 今度は羅喉計都にくっついてきた元朗が、それなら自分が三界をいただく!と張り切り、巻き添えで司鳳が死んでしまう。でも、まあこちらもエンドマーク。

 天帝が今後三界は同等と宣言し、帝君が起こした混乱のケリもついたようです。


 司鳳は私が復活させると璇璣が彼を連れて、人間界へ。


 目を覚まさない司鳳をずっと世話する璇璣・・・よく見かけるパタンです。

 彼が目を覚ましてエンドかと思っていたら、そこから始まるラブコメ展開w

 司鳳が目を覚ますや否や「パパに結婚を申し込んで!」と二人で走り出すとかまあ好きにやってと苦笑してたら、あっという間に派手な結婚式。その上に3年後とかの話まで出てきて、まるで「サザエさん」一家な大騒ぎ。

 あっけにとられるほどの大ハッピーエンドとなりました。 

 それでも、よくよく考えてみると一応ばらまかれていた伏線やエピソードは回収されてました。


 司鳳が天帝の息子というような話は原作にはないそうで、そこまでの話の具合から考えると唐突に出てきた設定にも思いますが、その割にはけっこうきちんと辻褄合わせていた気もします。ちらっとネットで見たところでは烏童と玲瓏の関係ももっとどろどろだったようで・・・この程度になってて助かったというべきでしょうね💦


 ただ、帝君があれほど璇璣を自分の妻にしようとしたのが、ただ戦神として利用するためだったとは思いにくい。元は友人同士だったらしいし、これは、ねじれた形でのBLなのかとも思いましたが、深読みし過ぎですかね?

 いずれにしても、天界は無能か邪悪な「神」ばかりというイメージをまた定着させたようなw


 途中がウザいストーカー男たちが跋扈するストーリ展開だったせいで、なかなか視聴が進みませんでした。ラスト9集で一気にそれを挽回した感じです。ただ、あんなにしつこく主人公を虐待したり、延々と結婚無理強いするような話を続けたりする必要があったのかというのが疑問です。

 恋愛ドラマが苦手なのは、どうもこの外部からのいちゃもんに延々と苦しむ主人公カップルとか見たくないという部分もあるんですよね~さっさと縁切って二人でどっか行っちゃえばいいと突っ込んでしまう人間💦

 かといって、全然恋愛ものがだめかというとそうでもない。古い映画ですが「ひまわり」なんかは何度見ても滂沱の涙流してます。要は脚本ですかね~と、いつものところに落ち着くw

 ということで次はどうしましょ?

 

演員      角色   配音
成 毅  飾  禹司凤   张杰
袁冰妍  飾  褚璇玑   乔诗语
刘学义  飾  昊辰/柏麟帝君  姜广涛
张予曦  飾  褚玲珑   段艺璇
白 澍  飾  腾蛇
侯梦瑶  飾  紫狐    高启帆
李俊逸  飾  钟敏言   马正阳
周峻纬  飾  若玉    胡良伟
韩承羽  飾  柳意欢
朱梓骁  飾  元朗    文森
傅方俊  飾  无支祁   郭浩然
何中华  飾  褚磊    宝木中阳
姚奕辰  飾  亭奴    张振
杨肸子  飾  陆嫣然   朱蓉蓉
黄宥明  飾  乌童    袁铭喆
何晟铭  飾  离泽宫宫主   杨默
赵樱子  飾  东方夫人    露西
张棪琰  飾  何丹萍
钱泳辰  飾  东方清奇    赵震
杜俊泽  飾  柱石
刘梦芮  飾  玉儿    曾蓉
闵春晓  飾  楚影红   刘晓倩
黄海冰  飾  天帝    彭尧
黄 羿  飾  阿兰    蔡娜
于 滨  飾  容谷主   赵成晨
魏 巍  飾  司命星君    刘一鸣
李欣泽  飾  罗喉计都    敖磊
李 泽  飾  地狼
吕 鹏  飾  青龙
王九胜  飾  星宿长老
马敬涵  飾  修罗王


職員
出品人  黎直前、陈援、曾茂军、蒋科
制作人  钟君艳、江新光、邓细斌、翁志超
監 制  谢颖、赵枳程、尹香今、杨晋恒
原 著  十四郎
導 演  尹涛、麦贯之
編 劇  刘芳、李惠敏、程妤、王威
芸術指導 费鹰
美術設計 刘京平
動作指導 石占利、李丙南
造型設計 陈顾方
服装設計 方思哲
視覚特效 王耀旭

琉璃 その4

41~50集

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 やっとうざいストーカーキャラがすべて退場して、ドラマがすっきりしました。

 でも、クライマックスのエンディングには戻って勢ぞろいしそうではありますが、一旦休憩な気分。

 

 今回視聴分は一気に話が展開。

 とにかくうざいストーカー帝君こと昊辰の企みで、璇璣が少陽派他大勢を率いて、离澤宮に攻め込む。一度は和平がなりかけたのを昊辰が地下道を使って离澤宮の内部に侵入。小さな子どもまでむごたらしく殺した昊辰のやり口に司鳳が激高。初めて「お前を殺す」と責めかかる。

 ここに璇璣も混ざってきての空中戦。

 璇璣が戦神というだけでなく、天下に災厄をもたらすという魔煞星でもあることに気づいた禹司鳳は自分こそが魔煞星だと名乗りを上げる。少陽派や正派一同とは決裂、璇璣も騙されてたと司鳳と別れると宣言。
 璇璣の父が掌門を昊辰に譲ると、即刻璇璣との結婚を宣言するストーカー男です。司鳳と別れるとは言ったけど、あんたと結婚するとは言ってない璇璣は戸惑ってます。

 离澤宮では司鳳が魔煞星として全権を掌握。裏切り者の若玉と烏童を獄につなぎます。やっと来たすっきりシーンw
 さらに救出した無支祁の力も借りて、元朗を葬る。

 

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 禹司鳳との決別を繰り返し迫られる璇璣ですが、昊辰に騙されて司鳳を殺してしまいそうになるとか、彼の悪辣さに気づきかけていて、「はい、そうですか。結婚します」というわけにはいかない。昊辰は人間としての自分が司鳳に殺されたと璇璣に見せ、彼女が司鳳を恨むように仕向ける。

 司鳳は璇璣が魔煞星であると気づかれないように手立てを尽くし、自分の金赤鳥の羽を使って琉璃盏も封印。一族を連れて、姿を消す。命がけで彼女に尽くし、これだけ犠牲を払ってるのに、それに気づけない璇璣にいらいらしているのが司鳳周辺の無支祁たち。

 

 とうとう無支祁がすべてを璇璣にぶちまけ、彼女は初めて司鳳を信じ切れなかった自分を悔やむ。

 それで、今度は行方の分からない禹司鳳を求めて、騰蛇と共に旅に出る。

 それを知った昊辰改め天界の柏麟帝君はまたしても嫉妬の炎を燃やしている。

 元朗は妹の行方を捜す若玉によって半透明で復活、烏童は何やら邪神と合体して復活、また玲瓏を襲う、若玉は司鳳が好きなあまりに璇璣に殺意を抱く小銀花と合流。昊辰は天上で帝君に戻って結局うざいメンバーがみんな生き残ってる・・・

 禹司鳳の行方を探す璇璣と騰蛇は、ようやく翼公子と名乗っている彼を見つける。

 というところで、残り9集。
 舞台が小さな町に移りましたが、きっとあっという間に縁もゆかりもない天界と魔界の争いなんかに巻き込まれてしまうんでしょうな~お気の毒に。

 このドラマはすべてを知ってる天上の帝君が一番のワルで、彼の邪悪な恋心のために苦しむ璇璣と司鳳、さらにそれに振り回されている人間たち、妖族、魔族という構造。

 

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 そのためになんか息苦しさを覚えないでもないのですが、息抜きになってるのが天界の神獣なのについ璇璣の霊獣として彼女に従属することになった騰蛇、禹司鳳たちに救出され彼を助ける無支祁の二人が、ずけずけとものをいうのがいい空気抜きになってる感じです。

 文句言いつつ、なんとかここまでこぎつけました。

 多分、今週中にはクリアできそうです。

 で、続きどうしますかね?お試ししてみた「長安諾」は同じ歓瑞世紀の出品でほぼ同じ顔触れ・・・今はちょっとパスしたい気分。