江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

燕雲台 その4

34~41集

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 恋愛ドラマ期を脱した後、皇帝耶律賢=明扆が皇后蕭燕燕と共に、政権を確実なものにして国家体制を築いていきます。

 韓徳譲は妻となった李思と共に幽州へと去っていきます。

 そして11年の歳月が流れ、男性陣はみな髭を蓄えています。耶律賢も体が弱いと言いながら、着々と仕事に取り組んでいます。

 幽州では韓徳譲が攻め込んできた敵軍と決死の戦い。それを知った皇后燕燕が妊娠中にもかかわらず、自ら軍を率いて援軍に向かう。こうして再び都に戻ることになった韓徳譲。

 大姐蕭胡輦は夫罨撒葛の死後、朝廷からは一度離れたものの、都に戻ってくると、やはり二人の妹の姉という立場から蕭家の家長的立場で直面する事態に対処していきます。 

 相変わらず帝位を狙う喜隠と彼を抑えきれない二姐烏骨里。

 とうとう喜隠が皇帝夫妻の信認の厚い韓徳譲を毒殺しようと図る。その結果、彼の妻李思が毒酒を飲んで死亡。スタート地点はともかく10年以上を共にした妻の死に慟哭する韓徳譲。
 堪忍袋の緒が切れたと皇帝は、喜隠を流罪にする。燕燕に赦免を願う烏骨里たちだが、燕燕は顔も出さない。

 これで恨みを募らせた烏骨里ですが、彼女の一家はあまり賢くない。おとなしくしていればいいものを息子の留礼寿が都を制圧して父王を救出し、皇帝にすると挙兵。この家系に皇位を継がさなかったのは正解のような気がする・・・

 燕燕なら姉妹の情で喜隠父子を許してしまうと、彼女には黙って、男たちが留礼寿の反乱を把握して返り討ちにする。
 留礼寿の兵というのはどう数えても50人かそこら、どうやって皇宮に乗り込む気だったのか・・・あまりにも愚かすぎて、拍子抜けするレベル。でも、この留礼寿の辮髪はすごく手が込んでいて好き。

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 これで喜隠父子が世を去る。悲嘆にくれる烏骨里。これで三支のうち喜隠の家系も罨撒葛の家系も途絶えてしまいました。

 

 耶律賢にしてみれば、遠くない自分の死後に幼い息子が皇帝として大成するための露払いをしたというところでしょうか。

 燕燕は皇后ではあっても三人姉妹の中では末の妹という立場になるのも、他のドラマで見るのとはちょっと違う感じがしました。姉妹のこと、蕭一家のことに関しては、あくまでも蕭胡輦が大姐として尊重されるし、皇位を狙った二人の姉の夫たちも、皇帝も、姉妹には手を出すなとそれぞれの妻から釘を刺されています。

 病状もどんどん悪化していく耶律賢ですが、政務に忙しい燕燕の知らないうちに、渤海から献上された美女の一人を傍に置いて子どもまで作ってしまいました。嫉妬も寂しさも覚える燕燕ですが、「いい娘じゃないの、仕方ない」と彼女を側室として承認。でも、そも当人はかつて反乱に手を貸した側室を皇后が処刑したことを聞いて怯えています。

 こうやって耶律賢と蕭燕燕による体制が整った時には、彼の死が迫っていました。

 耶律賢が死ぬと、12歳の耶律隆緒が即位。太后蕭燕燕と韓徳譲がこれを補佐することになる。即位の場に韓徳譲が兵を率いて現れて新帝に忠誠を誓ったことで、幼帝は伝統にないという反対の声も消えていく。

 韓徳譲の父韓匡嗣も同日に世を去り、朝廷は韓徳譲、耶律休哥、蕭達凛、耶律只没らに加えて、一世代下の耶律斜軫らが幼帝と太后を支えてくことになりました。

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 ついでに、この耶律休哥の阮聖文は「花千骨」の単春秋、蕭達倫の王梓権は「開封府伝奇」の陳誠美、耶律只没の連晨翔は「刺客列伝」の裘振、耶律斜軫の于済瑋は「天意」の項羽で「侠探簡不知」となっております。そういや、今度この「侠探簡不知」も日本で出るそうですね~おもしろかったよ!

 というところで、42集からはまた新しい局面が始まります。楊家将とか出てくるんですかね~わくわく。

 

 幽州の攻防戦はすごい迫力。竇驍の武打シーンは見事でした。

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 逆に、あまり動きのない耶律賢の経超、彼も実は筋肉ムキムキなんですけど、わりにこういう忍の一字というような役やりますよね~「如懿伝」とか「白髪」とか。でも、あくまでも私のイメージの中では「暗黒者」の尹剣・・・しつこい💦

 経超はこれで退場ですが、今度は入れ替わりに盛一倫が出てくるんで、また楽しみです。
 

 

 

2020年版鹿鼎記 その3

21~32集

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 雲南建寧公主が大暴れして、水軍率いて神龍島攻撃して、また北京に戻ってきて、呉応熊と競馬やって・・・と話は順調に展開。故郷に錦を飾らしてやるという康煕の命で揚州に戻ってきました。なんですが、やっぱり話の盛り上がり具合が平たんで、淡々と進んでいく感じがぬぐえません。

 大掛かりな戦闘シーンとか華麗な婚礼行列とかよりも、キャラ同士のやりとりとかいかにもコメディらしい演技とかに時間を割くという方向なのは確かだと感じています。まあ、そういうやり方もあるんだと思いますが、やっぱり派手な見せ場がほしいところ。
 これからのロシアエピソードにもあまり期待しない方がよさそうな予感がするのが哀しい。

 雲南道中での建寧公主とのSMプレイとか、九難師太にいびられる建寧公主の一幕とか、九難と阿珂、神龍教、天地会と利害関係の異なる人間を連れている韋小宝のバタバタなんかはかなり時間をかけて描かれています。

 

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 苦虫をかみつぶしたような于栄光の呉三桂が、大げさに表情を変える張一山の韋小宝と見え見えの腹の探り合いを続ける。両方ともが悪意を隠してるのがむき出しで、いつ破綻するかという楽しみがあるわけですが、今回特に両サイド共に真っ黒けな感じでした。

 呉三桂暗殺のために沐王府に送り込まれた沐剣屏と九難に送り込まれた阿珂が来てるものが同じだったからどっちかどっちかわからなかったのは私だけですかね?いや、話の上ではどっちなのかはちゃんとわかってるんですけどw

 李自成が現れて、陳円円と娘の阿珂を連れて逃げようとする一幕に加えて、瘦頭陀が実は彼と偽太后毛東珠の娘の建寧公主を連れていこうとするのを食い止める韋小宝の一幕なんかも出てきました。

 やっぱりこういうホームドラマ的な展開の方に力が入ってますね。

 戻ってきた麗春院では母との再会、葛尔丹たちとの義兄弟の契り、韋小宝がそこまでにかかわってきた各方面の関係者の勢ぞろいとにぎやか、建寧公主を除いた「妻」たちが集合しましたが・・・あれ?例のベッドシーンがない?これから来るのか?
 
 自粛したんでしょうか?その割には建寧公主との蝋燭シーンとかはしっかりありましたが・・・はて?
 ま、この先をみたらすぐわかることですw

 他に今回のドラマで目に付くのは、剃髪していない辮髪の人。特別出演的な配役は鬘を使ったようですが、メイクの技術は上がったとは言っても、やっぱり目につく。日本のドラマでは普通なんですけどね~

 期待していた双児の出番は増え、女主2らしく活躍する場面も増えて、ようやく顔の見分けがつくようになってきました。悪いけど、後の5人はまだ危なっかしいw
 双児の中の人は、まだ在学中の新人だそうですが、この役で人気出るといいですね~

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 ドラマスタート時点にはBGMがものすごく耳障りだったのですが、かなりおとなしくなってくれて、ドラマの内容が入ってこないということはなくなりました。助かったw

棋魂 その1

1~10集

 

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 中国で実写ドラマ化された「ヒカルの碁」ということで、日本でも話題になっている…と思っています。

 アニメは全編見てますが、原作はまだらに読んだだけだし、囲碁はさっぱりわからない人間なので、レビューするのも申し訳ないくらいですが・・・とにかく、さらっとご紹介。

 だいたいこれを見始めた理由が「とにかく恋愛ドラマでないのが見たい!」だったわけで、ほんと原作や囲碁のファンには申し訳な限り。

 もっともアニメを結構楽しんで見ていたのは事実で、今また放送中のも時間があえば、というか中華ドラマ見る合間に見たりもしています。

 そういう私が見るこの「中国版ヒカルの碁」の「棋魂」は、日本語に吹き替えしたとしたら何にも違和感残らないんじゃないかと思えるくらい原作準拠です。


 中国での実写ドラマ化なので、国情の違いはあるし、学校制度やプロの育成システムなんかはそのままというわけにはいかないのは当然です。
 原作では6年生だった主人公のヒカルがこちらでは3年生とぐっと幼くなり、傍若無人なわんぱくぶりがかわいい。その分、そんな年齢から囲碁に打ち込んでいるアキラの真摯さが目立っています。加えて復活してきた佐為の囲碁以外は眼中にない厨二ぶりもわんぱく3年生といい勝負にw

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 ストーリ展開は名前を入れ替えれば同じ。祖父の家で見つけた古い碁盤から現れた1000年前の囲碁の名人褚嬴=藤原佐為と出会い、囲碁を知ることになった時光=進藤ヒカルと囲碁の名人を父に持ち天才少年とうたわれている俞亮=塔矢アキラの二人の成長を描いていきます。今回視聴分では、時光が自分では碁を打つことのできない褚嬴のためにネットでの対戦を実現させる。その結果、囲碁関係者一同が大騒動になるというエピソードから、時光がプロの棋士になることを決意するというところまで来ました。委細省略w

 ただ、院生になるとかいう話ではなくて、囲碁の合宿にまず参加するということになって、またそこで講師として現れた俞亮と再会しています。

 時光と俞亮の関係がぎくしゃくし続けているのは当然。

 

 元々中国語では進藤ヒカルは进藤光、塔矢アキラは塔矢亮と表記されていたので、するっと受け入れられたのではないでしょうか?他の登場人物にも方緒=緒方精次とか、谷雨=三谷祐輝とか原作とつながってるような名前もあって、わかりやすいw

 原作者がクレジットされているのはもちろん、英語タイトルは「Hikaru no Go」だし、エンディングはアニメの「ボクらの冒険」に中文歌詞をつけたものだし、原作や先行するアニメへのリスペクトを感じます。

 4分の1を見たくらいですが、アニメよりもっと青春ドラマの要素が強いように思いますが、どうでしょう?
 主人公の時光には胡先煦。「琅琊榜之風起長林」で小皇帝蕭元時を演じていました。張超の褚嬴は、「罪案心理小组X」の主人公徐朗を見ています。俞亮の郝富申は私には初めてですが、キャラにはまっていると思います。

 でも、小3時光と俞亮の二人もお気に入りなのです。

 褚嬴は南梁の人物という設定なのに、なんで日本の平安時代の装束着ているんだ?から始まって、東方不敗だの白無常だのさんざん突っ込まれていましたが、ずっと半透明のキャラを登場させ続けるというのはCG技術の発展あってのことですね。

 

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 彼と時光の関係は、とにかく囲碁を打ちたい褚嬴に対して、「何で囲碁なんか・・・でも、おまえがしたいんなら協力してやるか」というところから始まっていますが、かなり速いスピードで時光が囲碁にはまっていってるように思います。

 これから、時光と俞亮のかかわりが中心になってくるはずですが、もちろんそれが見たいです。

 冒頭で香港返還の話が連発されたときには随分違和感があって戸惑いましたが、それ以後は順調にドラマ世界を楽しむことができています。
 
 もうちょっと原作をしっかり読んでいればよかったな~と思うことしきりです。

燕雲台 その3

20~33集

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 恋愛メインから権力闘争、謀略、戦闘メインとなって、ずっと見るモチベーションが高くなりました。
 加えて、遼では女性の地位が高かったということを見せてくれるエピソードもたくさんあって、楽しく見ることができました。

 諦めて皇帝明扆の貴妃にはなったものの、仏頂面の燕燕。それをだんだんと解きほぐしていって、国を守り、作っていくために述律皇后のような皇后として共に力を貸してほしいと言われ、とうとう「じゃどこまでやれるかわからないけどやってみる」ということになって、ようやくパートナー成立。子どもまで作ってしまいました。

 体の弱い明扆は皇后蕭燕燕を摂政に据える。この地位を狙ってきた喜隠や重臣たちは大反対するが、遼には太祖耶律阿保機の述律皇后という存在があるので、これを押し切る。

 摂政になった燕燕が一人称を「朕」というようになったのが新鮮。

 

 朝廷で、明扆の座る皇帝の座を奪ってやろうという喜隠、国を離れてはいるがずっと遠くからリモートで陰謀巡らしている罨撒葛という皇帝の座に近い二人の他、権力を一手に握っている蕭思温の地位を狙う重臣たちといういろいろ企む重臣たちがうごめいています。そのほかに、自分が重用されてないといじけている側室だの、チンピラ同然の親戚とかの小物もごそごそやってます。

 それが頂点に達したのが宰相蕭思温暗殺。直接手を下した下手人の他に、多数の人間がこの暗殺にかかわっているというミステリ展開。

 

 この事件を知って、韓徳譲が都に戻ってきます。彼は蕭思温殺害の犯人を見つけたら、また出ていくと言ってますが、そんなわけはないなw

 彼を中心にした謎解きが進むのと同時に、皇位を狙う罨撒葛や喜隠への対策が進められます。

 明扆、蕭燕燕に韓徳譲や耶律休哥たちを含めたブレーンが作戦を立てて、罨撒葛たちのグループを追い込んでいくあたりはほんとに見ごたえがありました。

 

 そして、33集には皇宮に攻め込んでくる罨撒葛たちの軍勢と密かに備えていた韓徳譲たちの率いる軍との戦いが始まりました。撮影したのが、象山影視城の桃園行宮なんですが、ここでこんなに大掛かりに本格的戦闘シーンが繰り広げられるのを久しぶりに見ました。

 

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 罨撒葛と韓徳譲との一騎打ちとかもよかったのですが、そこに颯爽と手勢を率いて入ってくる烏骨里とか弓を引き絞る燕燕もかっこよかった。

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けど、一番いいなと思ったのは、玉座に座ったままじっと戦いを見つめている明扆です。動かない、じたばたしない、すべて計略は立てた、後は配下を信じて任せている・・・上司としてはこうでなくてはw

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 三人の姉妹とその夫たちの関係は、政略結婚の大姐、ナンパに引っかかった二姐、そして燕燕とそれぞれのスタートはさまざまだけど、三組とも夫婦としての絆を深め、結構幸せな家庭を築いている。

 そして、無理やり別れさせられた韓徳譲は戻ってきてたものの、皇后としての能力と責任感も、明扆との感情も育てている燕燕に微妙な感情を持たざるを得ない。彼が朝廷に重臣として姿を見せると、今度は彼と皇后との間が疑いをもたれ、誰でもいいから結婚させてほしいと皇帝から父親に命が下りる。まあ、そうなりますな~

 そこで、ずっと韓徳譲を愛していた李思が「どこの誰ともわからない人間とずっと一緒に暮らすくらいなら、私と結婚して」と彼を説得する。この李思を演じる孟子義って、「射鵰英雄伝」の穆念慈とかなんかじっとりと引きずる感じの役が多い気もするんで、実はここでもまた他の女性を愛している男性をネバネバ待ち続けるのかと思ってたら、そういうことではなかった。ずっと好きで思い続けているのはその通りなんだけど、今は無理だと冷静に判断して出ていかない、キャッキャとせまることもネバネバまとわりつくこともない。でも、必要な時には姿を見せることもためらわないし、けっこうきっぱりしているのが好感度高かったです。

 今回視聴分で最大の政敵罨撒葛やそれにつながる女里や高勛らを排除することに成功。残るのはいろいろやらかすけど頭が切れるわけではない喜隠ですが、これからは外敵ですか?いや、その前に姉妹対決?

 恋愛ドラマメインから権力闘争ドラマに変貌してしまいましたが、私的には大歓迎。これまでの視聴分よりとても面白かったです。

 ということで、33集の戦闘シーンリピします。

偵探語録

1~26集(大結局)

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 清朝末期の天津をを舞台にした探案ものです。清朝の警官なら辮髪を切るなとかいう話が出てきたり、どうしようかと思ってるうちに中途半端なことになった人物が出てきたりというのは興味深かった。
 清朝古装劇と民国時代がミックスされたような混沌とした時代を背景に、宋家一族で次々に人が殺されるという事件に清朝の役人である警察官が取り組むという話。
 一応ごく普通の探案ものなんですが、主人公の設定がユニークだったのでついはまってしまいました。

 

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 主人公の譚伯頓は、探案名手の警官なんですが、実は二重人格。鏡の中にいるもう一人の人格は、冷酷で果敢、ところが探案となるとこちらの方が有能であるときもあって、二人で?事件について話し合ったりもしている。「暗黒者」でも羅飛にそういう演出がありました。ところが、このドラマでは鏡の中の人格がなんとかして外を自由に動くメイン人格を自分のものにしようとしてきて、ひどい頭痛や苦しみに耐えている。顧伯頓は西洋人の神父から「彼」を抑えるための薬をもらってなんとかこらえている。

 彼には西洋帰りの駱加貞という恋人がいて、彼女は積極的に彼に結婚を迫ってくるけど、この第二人格がネックになって、煮え切れない。ところが、第二人格が彼の体を乗っ取ると積極的に彼女に迫っていくので、二人の中もこじれる。
 私は、この第一人格と第二人格のやりとりが興味深くて、つい一気見してしまいました。他に見るのいっぱいなんですけどね~

 

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 ドラマ自体は、清朝がほんとにもう末期に来ていて、革命派の動きとかを背景に20年にわたる宋家乗っ取り計略かと革命派の陰謀とか殺された鏢局一同の復讐とかをベースに、大家で次々起こる殺人事件を描いています。
 そして、殺されたはず、死んだはずの人間が、別の人間に乗り移って復活するというオカルト系の謎に取り組むことになります。


 まあミステリとしてはかなり雑というか思い切り無理を通してる感じ。それは禁じ手だろうと思うような荒業も出てきます。あえて言ってしまうと、双子を使ったトリックでこんな力任せなのは滅多に見られないと逆に感心してしまいました。

 それに主人公たちが謎の真相迫って、事件の背景なり犯人なりを一応知ると、証拠もつかんでないのに、村人一同を集めて「お前が犯人だ!」ってやるもんで、証拠もないのになんだ?とどんどん村人たちの不信感を募らせてしまうという流れが何度も繰り返されるのもどうかと思う。少しは学習しろと当然突っ込む。


 残念なのは、第二人格とのせめぎあいが頂点に達したあたりで、ヒロインに「あなたの中には別の人間がいるでしょ?」と気づかれたとたんに、第二人格が登場しなくなってしまったことです。

 もっとも明らかに多重人格という設定の主人公だけでなく、多くの登場人物が「昔の自分」「本当の自分」とか「乗り移られた結果の○○」とかを持っていて、最初に登場した時とドラマの終わりに至った時と全く同じキャラのままという人の方が少ない。まあ、実にめんどくさいドラマでもあります💦

 

 このドラマは、1912年の辛亥革命の翌年で終わっていますが、辛亥革命を挟んで権力構造もすっかり変わって、その結果また人格とかが激変する人物もいるわけです。

 社会的要因、時代的要因までが、登場人物のキャラクタ設定を複雑にしてくるw
 ドラマ自体は第一季終了なので、第二季が出てくるかもしれません。個人的には、出れば見るかな?と言う感じ。とにかく第二季とかあてにはしない習慣がつきましたw


 俳優的には、主人公譚伯頓の高至霆はあまりなじみのない人でした。ヒロイン駱加貞の張鑫は「招揺」の元気な路十七で顔を覚えたし、主人公の相棒大潘が「延禧攻略」の李玉で人気の出た劉恩尚。被害者一族の宋承民の曲高位は「九州海上牧雲記」とか「天盛長歌」で見ました。後、「大軍師司馬懿之虎啸龙吟」の劉禅の姜寒、ヒロインの父で実は革命派の駱玉鼎に劉奕君、地元警察の鄭孑武の王泷正なんかが私にはお馴染み。もう一人クレジットに王啓松飾宋明山とあるので、お?と思ったら、別の俳優さんでした。同じ名前の人がいるんですね~これまで知らなかった。失礼しました~

 

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演 員     角 色
高至霆  飾  谭伯顿
张 鑫  飾  骆加贞
王泷正  飾  郑孑武
曲高位  飾  宋承民
刘恩尚  飾  大潘
陈雅丽  飾  贺春婷
金士杰  飾  冯万江
刘奕君  飾  骆玉鼎
王劲松  飾  宋明山
彭 博  飾  宋承风
薛亦伦  飾  宋承顺
姜 寒  飾  炳文
陈 姝  飾  陈新花
张渟婷  飾  何玉凤
侯 勇  飾  巴图
孟 秀  飾  柳雀南
邢杰风  飾  司远胡

職員
出品人 龚宇、董宸辰、马中骏、马灿灿
制作人 杨蓓、高小娴
監 制 王晓晖
導 演 温德光、郝清凯
編 劇 陈金鹏、李想、王宏君、张红霞

 

2020年版鹿鼎記 その2

11~20集

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 建寧公主の雲南輿入れ道中まで来ました。

 やっぱり速い。これは45集、黄暁版は50集ですが、同じ場面まででもう7,8集の差がついています。

 この分でいくと通吃島あたりのドタバタをえんえんとやるんではなかろうかという不安に駆られてしまっています。

 大枠でのドラマの展開は、ほぼ原作通りに進んでいってるんですが、やはりアクセントの付け方がかなり特徴的。というか、普通に言う「山場」が相当に低い山じゃないかと・・・

 五台山での行痴上人救出前後の話とかは結構クライマックスだと思うんですが、出てくる人間の数も少なければ、かける時間も短くて「え?これだけ?」と思うほどにあっさり。その後の父子対面とかは短いとは思わなかったので、予算の関係かとも思うのですが・・・

 ヒロインズは、建寧公主、沐剣屏、方怡に続いて、双児、蘇荃、曽柔、阿珂と登場して、7人の妻勢ぞろい。

 

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 建寧公主の唐艺昕以外に、顔見知りの俳優はいないようです。最近のドラマにしては、瓜子臉のかわいい系の人が少ない気がしますが、そちら方面とは違う系統の俳優をそろえていたようです。でも、なんだか似たような表情の人が多くないですかね?阿珂って、一番美形なはずなんですが、ちっとも際立ってないし・・・双児もなんか地味なんですよね~同じ型からくりぬいたとか言ってる口の悪い評価も出てますが、無理ないかと思います。

 彼女たちに限らず、康親王とか多隆とかの男性陣も同じような年ごろの俳優が多く配役されていて、こちらもなかなか記憶に残らなくて困惑してます。

 

 韋小宝が太后が偽物と知って、康煕と共に救出に向かうあたりの方が、五台山より時間かけてたような気がしないでもない。韋小宝が彼女は悪くないと建寧の助命を願うとか、あまり見なかったシーンも出てきたし、やはり建寧公主にかかわる場面が増えています。

 神龍島にも行って白龍使にもなったし、韋子爵にもなったし、韋小宝得意の絶頂の時期です。

 これから雲南ですが、輿入れ道中の華麗さは黄暁明版には比べるべくもない感じ。

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 とにかく、なんかこう全編通してバタバタしてはいるんだけど、平均化されてしまってる感じであまり山場がなくて平板な感じを受けるのが哀しい。

 で、そのバタバタに「仕組んでます、ここで笑ってもらうようにしかけてますよ~」というメッセージが見えすぎるんですよねぇ。例えばこの官帽、何かというとそれがコミカルが場面を作ってるんですが、房が固定されてないのは韋小宝のだけなんです。小道具で小細工してるような感じがして、あまり笑えないです。

 

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 そんなことよりやっぱり引っかかってるのは、少年時代をほとんど抜きにして話をすすめたために、康煕と小宝の関係が熟してないこと。康煕が一方的に小宝に好意を持ってるようにしか見えないんですよ。
建寧と韋小宝の関係がだんだん熟してきてる描写の方がしっかりされてるかもしれない。

 金庸作品のドラマ化には、前の作品と比べて評価されるというのは付き物。これはこれで見ていかないと行けないよな~と思いながら、つい比べずにはいられない。

 建寧公主というのは、ほぼどの作品でも一番目立つ俳優がキャスティングされてきたし、そうあるべきだと思うのですが、今回はちょっと格差が出来すぎてるんじゃないでしょうか?

 これからの双児の活躍次第ではあるんですが・・・あまり期待できない感じですかね?これからは雲南なので、やっぱり建寧公主メインでドラマが進むでしょうね。

 ま、仕方ないですな💦

 

狼殿下 その1

1~9集

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 やっと出てきた~と肖戦のファン、王大陸のファン方面からの喜びの声が上がっています。

 私もずっと3年以上待ってましたが、理由が少し違う。ちょうど撮影中の象山影視城に2回目の琅琊榜ツアーで訪れてたんです。そこで撮影スタッフ、作りこまれた風景とか見かけて、作品が出るのをずっと楽しみに待ってた。中国のドラマは撮影終了して、すべて出来上がっても、審査を通って、発表の許可がでないと放送も配信もされないということになってます。だから、当時同じように撮影してたドラマでも「三国機密」なんかはわりに早く見ることができたし、今に至ってもまだ出てきていない「嬴天下」とか「天下長安」なんてのもあります。

 この「狼殿下」もへたするとずっとお蔵入りかと思ってたんですけど、突然出てきた。それも49集最後まで一気に。「いきなり大結局」の人もいるようですが、私は順番に見るからね~

 しかし、3年前には王大陸主演のドラマを待ちかねてたのが肖戦のファンなんて図は考えられなかった。私にしても王大陸は名前は知ってるけど作品を見たことはなかった。彼が「狼殿下」の次に主演した「鬼吹灯之牧野詭事」は第1集でフリーズしたまま。映画だと「鐵道飛虎」「鮫珠傳」「英雄本色2018」「素人特攻」と結構見てるんですけどね~

 肖戦はこの当時まだX玖のメンバーとしてひとくくりで売り出されたころ。「闘破蒼穹」よりはいい位置ですが、主演ではない。なのに、「狼殿下」で検索かけると肖戦の画像ばかりが出てきて、困惑。

 ま、そういうことはさておき・・・

 

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 ドラマ開始冒頭から、キャッキャして見てたのは、こういうところ。ここは「琅琊榜」の靖王府だった象山影視城の屠岸府、ドラマでは馬府とか渤王府になってます。こういうのを見つけるとうれしくなります。

 

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 あ~~ここだここだ~と一人盛り上がって見てました。ツアーの仲間でスタッフに傘をさしかけられて撮影に向かう黒マントの俳優さんを見かけてた人がいて、あれは誰だった?と帰国後に盛り上がったのも楽しい思い出。

 そういう個人的思い出を抱えて、ずっと待ってたんですよね~その間に肖戦は「陳情令」で一気に人気者になり、ファンの起こした事件で表舞台に出ることが減って、ようやくまた戻ってこられたというドラマ以上にドラマチックな3年間。順調に行ってたら、多分この「狼殿下」で人気を上げる見込みだったのかも・・・

 

 で、出てきた「狼殿下」

 おもしろいです。予想してたよりずっと。

 舞台は架空の国になってるんですが、原案を覗くと、舞台は朱温の後梁で、主人公渤王というのは朱温の養子朱友文です。これを頭に入れている方が、人間関係がわかりやすい。

 

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 狼に育てられた少年が奎州城主馬瑛の娘摘星郡主と知り合い、狼仔と呼ばれて人間の世界にもなじんでくる。そこで起こったトラブルから、馬摘星は彼を逃がそうと悪口雑言を言う。逃げた彼は崖落ち。それを助けたのが、朱温に当たる楚軌(演じるのは「琅琊榜」梁帝の丁勇岱)。彼の戦闘力を見込んで、養子とします。

 

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 そして十年ばかりがたって、馬摘星は次々来る縁談を断り続け、狼仔と再会するのを待っている。

 狼仔は楚軌の養子となり教養も武術も身につけ、渤王として軍を率いている。

 楚軌の命で馬瑛一族が皆殺しにされたときに、渤王が馬摘星を助ける。彼は馬摘星があの時の娘だと知っているが、裏切られたと思っているので、正体を明かさず、つんけんしている。

 馬摘星も渤王が狼仔とは思うんだけど、確証を持てずにいる。

 そんな関係のところに、楚軌は渤王と馬摘星の婚姻を命じる。

 渤王は、有能な将軍となっていて、楚軌に重用されているけど、情に脆いところがあると、馬家抹殺のようなことは彼の知らないところで配下に直接命じられている。

 この渤王は三殿下で、一番上はすでになく二殿下楚有圭(演じるのは懐かしさも覚える林佑威)は一応楚軌の息子ということになってるが、出生に疑惑が出てきている。四殿下はまだ出てきてないけど彼を担ぐ重臣もいて、王家の中でもいろいろくすぶっています。
 この関係とかは、朱温だと読み替えるとわかりやすい。最近この時代にとっても縁があるのです。

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 とりあえず9集まで来て、渤王は馬摘星が彼を裏切ったわけではないということを知って、態度がころっと変わりました。でも、まだ彼女には言ってないです。

 なお、肖戦の登場は10集らしいのでまだです。賞金稼ぎの彼は実は晋の世子らしいので、李存勗?などと真偽も怪しいいらんことを呟いて後のお楽しみにします。