江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

贅婿 その4

29~36集(大結局)

 

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 霖安攻防戦で董道甫軍の「内通者」の役割を果たす寧毅の活躍から、それに続く靖国との攻防と初めのあたりとは全く違うドラマのようになってしまいました。

 寧毅自身の価値観や人格は変わらないのですが、雪だるま式にどんどん話が転がっていって、武朝を代表して靖国王と交渉に出向くまでになってしまいました。

 

 方天雷の軍と董道甫の軍が対峙する中、方天雷の火薬庫を押さえようとした寧毅は方天雷の配下鮑文翰に発見され、これを寧毅が射殺。寧毅を守りたい劉西瓜は彼を愛してると言い出し、方天雷は二人を結婚させることにする。

 これを機会に寧毅の手引きで董道甫が攻めてくるだろうから一網打尽にと考える方天雷、その一枚上手をいってやっぱり董道甫軍を攻め込ませた寧毅。
 こういう戦闘シーンはそれほど重点をおかれてはいなくて、寧毅と他のキャラとの知恵比べの結果ということが多いです。

 

 ただ、このあたり私もお気に入りだった耿直が寧毅たちを守って命を落としてしまいました。彼との思い出とかをたどる場面がとても切ない。彼にこんなに泣かされるとは思わなかった。

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 寧毅を守るために偽りの結婚をしたとはいえ、本当に彼を愛していた劉西瓜と寧毅の決別とか、いろいろ切ない展開が続きました。


 ともかく無事に霖安が解放され、一同は江寧に戻りました。劉西瓜との結婚のために一度離婚したことになった寧毅と檀儿が再び婚礼を上げるなど、ここで終わっておけばめでたしめでたし。

 でも、ドラマはまだ続く。


 靖国が攻めてくる、抗戦を主張する秦嗣源、全く根性なしで最初から逃げ腰の皇帝・・・と朝廷ドラマ。ここで初めて青雲六州を取り返すという話が出てきて、なるほど、一応武朝は宋、靖国は遼ということなんですね。相当に設定をいじってあります。


 この二国間の争いを治めるために乗り出した寧毅が奇策を弄して・・・なんですが、相当にシビアな展開です。絶対この皇帝、根性悪いw

 そして、待っていたこの人が登場。きっとまた出ると思ってたw

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 ドラマは再び小説家場面に戻って終わりますが、第二季に期待を持たす終わり方。なんでも原作は膨大で、寧毅はさらに雪だるまでころがり続けるらしいので、いくらでも続きはできるはず。

 ドラマ後半になると最初のハイテンションな寧毅の商売場面が影を潜め、武侠ドラマから戦争ドラマ、政治ドラマへと変わっていきました。朝廷や外交といった政治場面の描写は今一つ単純なのですが、この先第二季が作られたらもっと突っ込んだ描写になっていくんでしょうか?

 もう一つ、鮑文翰の被害に遭った女性たちを逃がし、彼の配下を掌中に収めたうえ、彼のため込んだ財宝を奪って去っていった楼舒婉のその後が見たい。このまま黙って消えていきはしないと確信してるのです。

 だんだんと寧毅と檀儿が夫婦としての信頼と愛情を深めてきているので、そっちの今後も楽しみではあります。でも、慶余年2じゃ、また姉と弟w

 まあ、すぐに出るわけもないので、頭の切り替えには十分な時間がありそうです。


演 員     角 色  配 音 

麒麟  飾  宁 毅   郭麒麟
宋 轶  飾  苏檀儿   宋轶
蒋依依  飾  刘西瓜
高曙光  飾  秦嗣源
海一天  飾  方天雷
尚语贤  飾  陆红提   李诗萌
朱 珠  飾  楼舒婉
张若昀  飾  江皓辰
田 雨  飾  康 贤
岳 旸  飾  苏仲堪
刘冠麟  飾  苏文兴
冯 晖  飾  苏伯庸
王成思  飾  耿护院
叶项明  飾  皇帝周喆
赵 柯  飾  姚萍儿   李金艳
曹曦月  飾  元锦儿   贺文潇
钱 波  飾  贺元常
刘已航  飾  陈 凡
黄澄澄  飾  李 贫
李 彧  飾  宋 宪
戴向宇  飾  乌启豪
胡丹丹  飾  聂云竹   杨洁
王丽娜  飾  小 婵
张净桐  飾  杨妈妈
刘小北  飾  高 秋
鹿 骐  飾  沈 淼
姚一奇  飾  冯 源
任 帅  飾  李 冈
韦奕波  飾  韩德成
魏子昕  飾  鲍文翰
张晓晨  飾  唐明远
黑 子  飾  百里弘亟

職員
制片人  刘闻洋
原 著   赘婿
導 演   邓科 
編 劇   秦雯 赵启辰 顾峥兴 杨雨晨 陈金鹏

山河令 その2

9~12集

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 更新の間隔が短いw その割に記事が長いw

 気に入ったドラマはせっせと記事にしておかないと、見呆けてしまって36集くらい何にも書かないうちに終わってしまう危険があるのですよ。

 

 中華サイトを見てるととても評価が高い。「陳情令」と比較しているところも見かけますが、顔値は「陳情令」の勝ちとかいう「そこしか見るとこないの?」と突っ込みたくなるようなのもちらほら。


 「山河令」はまだ全体の3分の1を過ぎたところですが、この時点での評価が高いのは作中の人物たちも視聴者も「忍」の一字でつらいシーンの連続を通過しないといけないという試練がないのもとっつきやすい一因ではないかと思うのです。

 「山河令」では、周子舒も温客行もすでにたくさんの経験を積み、苦難を潜り抜けてきた成人男性として登場しています。彼らの過去も少しずつ明らかになってきてますが、延々とそれが続くということは今のところない。

 彼らが大人であるのに対して、若い未完成な人格として設定されたのが二人に助けられた張成岭。周子舒を師父と仰ぎ、温客行を叔叔と慕う彼は、殺された一門の仇を討ちたいと願うが武林の名門の師弟でありながら武術のたしなみが全くないという白紙状態。これから多くの試練に耐えて成長していく彼の存在はドラマによいバランスをもたらしています。

 今回視聴分はたった4集なんですが、いろんなことが次々起こってもっとたくさん見たような気がする。


 画像以下立ち入りご用心でお願いします。

 

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 温客行は自身が仕組んだ偽の瑠璃甲が原因となって、江湖に波風が立つのを冷笑して見ている。しかし、そのせいで穏やかに老後を過ごしていた安吉四賢が瑠璃甲を出せと押し寄せたもろもろの江湖の連中のために四人とも死んでしまう。彼らを好意的に見ていた温客行は大きな衝撃を受ける。周子舒から非難されて「天窗の首領は悪人しか殺さなかったのか」と言い返して、両人決裂。

 温客行は鬼谷の十大悪鬼を招集して、当たり散らし、謀叛の兆しがあったと白無常を殺してしまいます。

 周子舒といるときとは全く違う温客行の顔が描かれます。

 

 張成岭を得て、瑠璃甲を出せ、娘の婿になれと責め立てる五湖盟の盟主高崇が死んだ仲間たちの位牌に額づいていたりとなかなか一筋縄ではいかないキャラ設定。

 その張成岭がやはり瑠璃甲を狙う毒蝎一味によって誘拐されると再び周子舒と温客行が手を組んで救出。周子舒は弟子入りを願う張成岭に自分の正体を明かし、それでも弟子になるかと尋ねる。

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 こうして弟子入りがかなった張成岭を周子舒と温客行が見守ることになりました。ま。子は鎹って感じですかw

 高崇は英雄大会を開いて、武林の盟主として鬼谷征伐を始めようとします。周子舒たちの「瑠璃甲なんかやってしまえ」という助言を受けた張成岭から瑠璃甲を手に入れ、義弟の持っていた分も取り上げてこれで3つが高崇の手元に。

 どうやら、この世界では高崇を頂点にする五湖盟の他に、崋山派が属する五岳剣派、丐幇ともあって、こちらが「正派」、鬼谷が「邪派」、でその間にもっとうさん臭い連中がいるという構図でしょうか?そこに朝廷由来の天窗とかも絡んできて、まさに武林は大騒動。

 

 私的には、もう同性恋の話なんかどうでもいいや~となっています。でもまあ、ここまでにすっかり意気投合してますし、温客行に対してつっけんどんに逃げ回っていた周子舒がすっかり柔らかい雰囲気になりました。朋友から知己に格上げしたようですが、そういうレベルの違い、初めて意識しましたw

 周子舒は元は四季山庄の庄主。師父の亡きあと若い庄主では四季山庄の威名を守ることができず、一門ごと晋州節度使に投降、天窗を創立して朝廷に使われ、四季山庄の旧部で生き残っているのは彼一人。

 瑠璃甲の由来も少し詳しく出てきました。20年前、交友関係にあった高崇たち五湖盟と容炫が争い、高崇の剣に塗られた毒に当たった容炫が正気を失って荒れ狂い、彼らの手によって殺される。そして容炫の残した秘伝書を隠した武庫を開くための鍵瑠璃甲を五つに分けて独占しまった。この事件の経緯を知る温客行もつながりがあることは確実でしょう。

 こういう一世代二世代上の因縁が主人公たちの現在に強い影を投げかけています。

 周子舒は天窗から去るために七窍三秋釘を自分に打っていて、だんだんと五感が薄れているし、内力も長く持たないという令孤沖状態。始終血を吐いて苦しむ彼を助け、気を送り込んだり、毒を吸い出したりとかいがいしく世話する温客行の姿が繰り返され、結構身体的接触が多いのは事実。でも、それが見たくて、このドラマにはまったわけではない。ラブ史劇とか言われない武侠ドラマが見たかったのですよ。

 

 登場人物に男性が多いわけですが、女性キャラもやっつけ仕事みたいな配役はされていない。鬼谷の一人喜喪鬼として登場するのは陳紫函で、「神雕侠侶」以来のお馴染み。

 温客行の侍女として登場した顧湘@周也もただウザいだけのキャラかと敬遠していましたが、中の人は顔値が高いだけなく、演技もしっかりしてるし、キャラ自体にも深みと面白みがありました。同時進行で見ることになってしまった「墓王之王」はこういうところだけ見ても絶対損したな~と同情に耐えない。

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 ま、それはそれとして、もう少しまとまって配信してくれると嬉しいんですが、配信が少ないんで、リピして見る人が多くて、ファンが増えているという分析をしてる記事も見かけると何がいいのかわからなくなってしまいますw

 

贅婿 その3

21~28集

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 霖安編ってところでしょうか?

 方天雷が占領した霖安で劉大彪こと劉西瓜の覇刀営の軍師にされてしまった寧毅、なんとか霖安から脱出しようとします。が、うまくいかない。

 方天雷の配下八大営の中でも略奪し放題の武徳営の統領鮑文翰とそれなりの秩序を求める劉西瓜が対立している。その鮑文翰が目を付けたのが、檀儿が姐姐と呼ぶ楼舒婉。彼女は何とか逃げようとしますが、父と兄に鮑文翰に売られたと知って自殺を図る。そこを助けて、死んだら負けとか引き留めたのが寧毅。

 以後、すっかり性格一変。商売には長けていても父や兄に逆らえなかったお嬢様が自ら鮑文翰の元に向かう。なにしろ中の人は「大秦賦」の趙姫、「闘羅大陸」の比比東の朱珠です。ただのなよなよしたお嬢様ではもったいないと思った。

 寧毅が脱出させたつもりだった檀儿がまだ霖安にいて、しかも行方不明になっている。なんとか彼女を見つけようとする寧毅、彼が結婚していると聞いておもしろくなさそうでも檀儿探しに協力する劉西瓜。

 武芸の達人陸紅提は寧毅が師父と呼んでいましたが、彼女も秦嗣源の配下で寧毅の指揮下に入ることになって、檀儿を探す。

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 この辺までくると、コミカルな場面よりシリアスな展開が目立ってきます。

 

 ようやく檀儿を見つけた寧毅の犯人への復讐、恐怖で固まっていた檀儿が悲鳴と共に意識を取り戻すこのあたりの展開に笑える様子はありません。

 

 それを補うのが、耿護院や霖安占拠で寧毅たちが行方不明になってと聞いて、連れ戻しに行くという名目で物見遊山がてらに出て来た二叔父子。耿護院の地図に振り回され、途中で馬車も奪われて、よれよれ。

 ようやく寧毅たちと再会しますが、息抜きに出してきたようです。

 方天雷の許しも出て、寧毅が彼らを連れて霖安から去ろうとしたとき、皇帝に派遣された董道甫の大軍が霖安にやってくる。

 というわけで、武侠ドラマからさらに戦争ドラマになりかけた贅婿です。

 聞くところでは原作ではこの話、水滸伝につながってるそうで・・・そうなるとまた随分改編されてるんでしょうね。でも、まあドラマだけでも十分おもしろい。

 もう大結局まで見られるようなので、ちょっと視聴ペースが落ちてしまってます。「山河令」のせいです。何か新しく興味を引くのが始まると押し出しになってしまうのは仕方ないですね。

山河令 その1

 1~8集

 

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 またしても出てきた中華版BLドラマ。私的には「鎮魂」「SCI謎案集」そして「陳情令」に次ぐ4本目?ほかにも元はBLというのもあったかもしれませんので、確信は持てないわけです。

 私は、同性・異性に関わらずどっちかといえば恋愛ドラマは苦手。なので、ドラマの出来、小説の出来がよくなければ、さっさと撤収してしまいます。でも、BL原作のドラマ化では、規制を潜り抜けるための制作サイドの頑張りを見るのもまた楽しくて、それもプラスになってけっこう次々とBL原作ものを見ています。

 今回、スタートした「山河令」は「鎮魂」「有翡」の原作者Priestの「天涯客」を原作とするBLだそうです。「魔道祖師」が「陳情令」に、「天涯客」が「山河令」にと原作と違うタイトルになるのは、原作と違ってBLじゃないんですよ~という意味?

 この「山河令」、正直あんまり期待もしてなかった。BL原作というと陈飞宇、罗云熙主演の「皓衣行」の方が話題だったし、こちらの方が先に出るかと思ってました。

 「皓衣行」の出来がどんなものかはわかりませんが、「山河令」にはいい意味で予想を裏切られました。よくできたドラマだと思います。

 

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 主人公の一人周子舒を張哲瀚、温客行を龚俊が演じています。張哲瀚は「琅琊榜」の林殊、龚俊は「酔玲瓏」の十一皇子元澈です。張哲瀚は結構主役も演じているんですが、この人もなぜか主演ドラマが最後までたどり着けない人で、最後まで見たのは「琅琊榜」のようにちらっと出ているような作品だけ。今回もそれが不安要素の一つでした。

 失礼ながら、「陳情令」のように若手ばかりを集めて華やかに・・・ということもないし、見た目結構地味だったのであまり期待もしないでの視聴開始となりました。

 で、ふたを開けてみると・・・おもしろい。

 

 BLどうのこうのということよりも、武侠ドラマとしての骨格がしっかりしてる。朝廷絡みの勢力や江湖のいろんな門派がたくさん出てきますが、それぞれ設定がきっちり納得できて、キャラがたっている。しかも、ちょい見せ程度の配役に多くの武侠ドラマなどで活躍してきたベテラン俳優が次々と登場してくるのがうれしくてたまらない。

 丐幇がきちんと丐幇な装束で陣をはってきたり、どう見ても「書剣恩仇録」の天山双鷹と言う感じの老夫婦が登場してきたりと金庸ドラマを連想させてくれる。かと思えば、鬼谷谷主の率いる怪人たちの組織、正体不明の次々出てくる大層な二つ名の武芸者、でも、あっという間に退場・・・とかは古龍風味。
 武侠迷にはこれだけでも十分に楽しい。

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 物語は、20年前に大魔頭が死ぬ前に残した一晩のうちに天下を得られるという天下無敵の武器を隠した武庫を開くために必要な「瑠璃甲」を大勢が探しているという背景で進みます。

 周子舒は野心勃々たる晋王に使われる天窗の首領として、スパイと暗殺を繰り返してきた。10年前には81人いた仲間も次々犠牲になってしまい、晋王の下にいるのが耐えられなくなる。天窗から抜けるためには七窍三秋釘之刑を受けて、武功を失うばかりか五感も失い話すことも体を動かすこともできなくなってそのままなお3年生きるしかない。周子舒はこの釘の6本を自ら打ち、その代わりに3年の自由を得ることに成功する。

 しかし、そのまま彼を放置しておくわけのない晋王の追跡を逃れるために容貌を変え、酒飲みの叫花子に身をやつして日々を送っている。貴種流離譚もどき、タイムリミット付きの主人公とずいぶんおいしげな設定ですw

 その彼がただものではないと見破って、接近してきたのが温各行。周子舒が名乗った「周絮」から「阿絮~阿絮~」と追いかけまわし始めますが、彼は周子舒の正体を知っているらしい。

 実はこの温客行、配下の吊死鬼に手元にあった瑠璃甲を盗まれ、なにがなんでも取り戻してこいと命じた鬼谷の谷主ですが、自分も素知らぬ顔で侍女を連れて江湖に出てきている。

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 この二人が、五個あるらしい瑠璃甲を手に入れようとする江湖の争いに巻き込まれていきます。

 瑠璃甲を巡る争い中で一家を惨殺された鏡湖山庄の息子張成岭を助けて、五湖盟の趙敬の元へと送り届ける。しかし、五湖盟の盟主高嵩は張成岭が父親から預けられたはずの瑠璃甲を手に入れようと成岭を責め立てる。届けるまでが俺の役目と突き放した周子舒だが、別れた後の成岭が気になっている。

 瑠璃甲を追っている勢力の間ではそのために殺し合いが起こるまで緊張感が高まっている。

 周子舒は吊死鬼から瑠璃甲を手に入れていたが、これをあっさりと温客行に与えてしまう。温客行は瑠璃甲のレプリカを大量に作らせて、火に油を注いでいますが、彼の狙いや正体はまだドラマ内で周子舒には明かされていません。

 こういうドラマの展開が興味深くて目が離せない。その上に、追っかける温各行、何とかして彼から離れてしまおうとする周子舒のやり取りも楽しい。いつの間にか「阿絮」に対して「老温」と呼び合う仲になってますw


 加えて、「悪人」たちの造形が「絶代双驕」か「画江湖之不良人」かと思える。かたや「正派」らしい五湖盟や崋山派、丐幇なんかは実にスタンダードなのも好ましい。

 

 もっとも今まで見たところでは、ひたすら周子舒に付きまとう温各行、迷惑がりながらもなんとなく共に行動するようになった周子舒の間に、「鎮魂」の二人のような同性恋を思わせる視線のやり取りとかは見られないように思います。恋愛ドラマ苦手なので、見逃しているだけかもしれません。もっとも視聴者向けのサービスシーンは確かにあるw

 同じPriest原作なので、また大改編されているのかな~と野次馬根性が出てきて、原作も覗いてみようかと思っています。膨大な原作ということではなく一冊分?程度なので、私にもなんとかなりそうです。

 けど、そういうことを横に置いておいて、十分楽しい武侠ドラマだと思います。

贅婿 その2

11~20集

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 あっという間に20集に来てしまいました。
 寧毅、絶好調なんですが、そろそろなんかド~ンときてもおかしくないなと思いつつ、あまりにしんどい展開はこのドラマには向かないよねとか矛盾したことも思う。きっちりはまってます。


 寧毅は、檀儿の商売を脅かす二叔父子や嫌がらせをエスカレートさせている烏啓豪を徹底的に追い込み、破産させてしまいます。といっても、武力や権力を使うのではなく、あくまでも商売。武器は「江皓辰」の経験と知識です。

 なので、彼が展開する商売のやり方が、現代の経営手法とか顧客管理をとりこんでいて、笑える。きっと中国の視聴者にはもっと面白いはず。

 
 烏啓豪を破産に追い込み、次々とライバル店を蘇家のチェーン店として商売は大成功、蘇家は江寧一の店となります。

 順風満帆な寧毅と檀儿は実質的にも夫婦となって、蘇家はお祝いモード。しかし、その様子を何人も屋根の上から見てたりして💦


 寧毅は檀儿とハネムーンに出かけます。でも、ハネムーンの概念がない時代なので、侍女の小婵と耿護院がくっついてくる。ところがガイドとしてついてきたはずの耿護院のガイドがめちゃくちゃで・・・という一幕

 この王成思演じる耿護院がおもしろい。出てくるだけで、くすっとなる貴重なキャラです。

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 きゃっきゃと楽しい短いエピソードが過ぎるとドラマは雰囲気を一変。武侠ドラマか何かのような感じになりました。

 

 どうにか到着した霖安が、武装した賊冦の一団に襲われ、それに寧毅たち一行とついてきていた入り婿仲間の4人も巻き込まれます。
 この賊冦はただの盗賊とかではなく、聖公と呼ばれる方天雷を中心とした軍事組織となっていて、霖安を占拠。
 霖安をどう解放するのかというのが、都での皇帝や朝廷の話になります。
 皇帝というのがどうにも腹黒い太師と忠臣らしい丞相の間に挟まれています。暗君なのか、本音を見せないだけなのか怪しい感じ。とにかく中の人は、大秦賦の嫪毐の葉項明。

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 今回視聴分には霖安にいる檀儿の友人楼舒婉で趙姫の朱珠も登場してますが、同じ場面に登場ということはなさそうです。

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 北の靖国を軽視するのは危険だと右相秦嗣源は反対しますが、皇帝の指示で靖国との戦いにいくはずだった董道甫大将軍の軍が霖安に向かうことになります。

 その霖安では寧毅は江寧で秦嗣源から別れの記念にともらった短剣が密偵司指揮使の印だと言われて驚愕する。国を守るために武徳営が寧毅の指揮で動くと言われても、自分のすることではないと檀儿たちと霖安を脱出することを望む。

 と言っても、結局、武徳営に手を貸そうと戻ってきてしまいます。


 こうして最初に想像もしていなかったアクションシーン、戦闘シーン、火薬を駆使する寧毅による爆発シーンの連続。

 けど、寧毅、短銃まで作ってますが、皮蛋や防水布はともかくよくそんなものまで作る知識があったもんだと妙に感心してしまったw


 最後には捉えられてしまった寧毅は、覇刀営の劉西瓜に覇刀営の軍師となることを強要されます。

 

 とにかく朝廷の右相だろうが、武朝の駙馬だろうが、賊冦だろうがすぐに寧毅に惚れこんでしまうのが、もう笑えるレベル。


 今回登場したもう一人方天雷は海一天。この人も「慶余年」で朱格を演じてました。なかなか面白い役をする俳優さんですね。

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 劉西瓜を演じるのが蒋依依、子役時代にたくさんのドラマで見ていますが、最近では「三千鴉殺」の帝女でしょうか。

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 顔なじみの俳優さんを探すのも楽しいし、一変して武侠ドラマ風になったドラマの展開もおもしろくて、来週分が楽しみです。

玲瓏 その3

21~30集

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 毎日1集ずつというペースが定着してしまった感のある「玲瓏」

 パパ火屠辛の圧倒的主人公感に比べて、タイトルロールの娘玲瓏も、そのほかの若者グループも影が薄いように思うのは私だけ?元一よりも微生硯の方に男主2感を感じてしまう。予定通り?の位置にいるのは銀妆と烏縁の火屠辛を取り合ってる二人。

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 新たに夢盞というキャラが登場したのですが、これが私には元一と見分けがつくまでだいぶかかった。銀霄もよく似た見かけをしてるんで、うっかりしてると玲瓏と今しゃべってるの誰だ?になってしまって困惑。女性キャラは新登場の篱砂も含めて性格の違いも、外見もしっかり区別がつくんですがねぇ。若者組の男性キャラにもこれくらいのアクセントは欲しかった。

 

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 話は現在の玲瓏たちが対面している様々な問題の背景にある500年前、17年前の出来事と絡み合ってきます。

 玲瓏は自分の母が神主などではなく微生硯の作りだした「怪物」であることを知る。元一は自分の祖先が君主となる理由づけに「神主」を作り出して利用してきたことを知る。

 元一は自分が君主である理由がなくなったと姿を消し、玲瓏は父と共に人々の前で変身した姿を見せ、神主への期待感を打ち砕く。微生硯と手を組んで、神主の権威を傘に新たに王になろうとしていた銀霄には大きなダメージ。

 

 と、登場人物それぞれが大きな転換点に差し掛かったというか通過したところです。ここでちょうど30集、ここで終わっちゃってもいいような感じです。


 でも、まだまだやる気十分の微生硯と銀霄はもちろん、姿を消した元一、神主を「下りた」玲瓏とパパ、火屠辛とうまく行ってるように見えて、なお兄のために微生硯と結婚するという銀妆、じゃ火屠辛はもらったの烏縁とかまだそれぞれの話が続くのでした。

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 「闘羅大陸」は終わりましたが、代わりに「山河令」がスタート。「墓王之王」も始まるそうだし、もう「上陽賦」だめかもしれない・・・私の趣味嗜好からは十分に予想できる💦

 

闘羅大陸 その4

27~40集(大結局)

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 終わりました。 ゲーム系の幻玄ドラマにしては、きれいな展開でした。これまでのドラマ化だと脇道にそれていったり、サブキャラとかゲストキャラのエピソードに時間を割いたりしてたのが、だらだら長くできなくなったせいか、主人公を中心にした話に焦点が当てられていてまとまりがあったのはよかったです。


 今回視聴分は、闘魂大賽での史蘭客七怪の勝利までの話になります。それに関係させる形で、唐三と両親の物語、父唐昊と唐三の再会、武魂殿の首宗比比東暗殺の企みが描かれています。

 こういう話は描き方によっては、どろどろした因縁話にも、熱血根性ドラマにも、お涙頂戴ホームドラマにもなりえます。でも、この「闘羅大陸」は、そういった要素を取り込みつつも絶対的に薄い、あっさり味。好みは分かれるところですが、私は歓迎。
 唐三親子、戴沐白兄弟とか家族が絡む話も深入りしなくて私にはちょうど良い。がんばって見る気があった「以家人之名」の母親たちに吐き気がして、さっさと撤退した人間にはこの程度が無難でいいです。あれ、主人公一家5人の造形はよかったんですけどね~私には無理、残念です。

 

 比比東が闘魂大賽の裏で持っていた企み、彼女を殺そうとする企みに巻き込まれたのが唐三たちになるわけですが、巻き込まれつつもそれぞれ成長していく姿が描かれています。

 

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 これは膨大な原作があるわけで、絶対この40集では終わるわけはないと確信していましたが、あたりでした。でも、中途半端に終わった感じはなく、次のステージに進んでいく唐三と小舞を予感させている悪くない終わり方でした。


 まあ、CGそのものは悪くないけどもう少しアクションがあってもいいんじゃないかと思う戦闘シーンには今一つ不満。登場人物が多くて、次々通り過ぎていく感じはしかたないんですかね?

 それでもここまでに提示されていた唐三の出生や唐昊の過去、小舞の秘密なんかはすべて明らかにされていて、そういう意味での欲求不満は残らなかった。

 しかし、よく介抱される人だw

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 ただ話に登場してきたときには、超絶強い存在だった「封号闘羅」がドラマの終わることにはそうでもないと思えて来るのは、この手の話にはつきもの。主人公たちが強くなったから、そう思えてくるんなら話はまた別ですけどね~ゴジラは唯一無二の存在であってこそで、ぞろぞろ出てきたらもうゴジラじゃないと思えるのと同じ感覚。

 

 第2季があれば見たい気はするんですが、これ2017年の撮影なんですよね。肖戦も確か今年30歳?胡歌がもう30過ぎたし~と幻玄劇から撤退を言い出した年齢になってるしな~とか思うのです。彼に限らず出演者の状況も変わっていくわけで、このキャストでの第2季はないだろうなとあきらめ半分。
 もっともキャストが変わったからと言ってあまり大勢に影響はない種類のドラマではあるかもしれない。

 

 文句いってますが、たまにはめんどくさくない展開のドラマを気楽に見たいな~とか思ってたところには大変良いタイミングで登場したドラマでした。それに演員的には懐かしい顔にもたくさん出会えたのも悪くなかったです。

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演 員     角 色   配 音
肖 战  飾  唐 三   原 音
吴宣仪  飾  小 舞   乔诗语
辰亦儒  飾  玉小刚   王 凯
邱心志  飾  兰 德   原 音
钟镇涛  飾  唐 昊   宣晓鸣
高泰宇  飾  戴沐白   魏 超
朱 珠  飾  比比东   原 音
黄灿灿  飾  胡列娜   路熙然
刘美彤  飾  朱竹清   李诗萌
刘润南  飾  欧思客   赵毅
丁笑滢  飾  宁荣荣   刘晴
敖子逸  飾  马红俊   苏尚卿
包小松  飾  雪星亲王  刘琮
沈晓海  飾  宁风致
温升豪  飾  菊斗罗   吴凌云
张 雯  飾  柳二龙   李金艳
王亦凡  飾  叶知秋   严明
刘交心  飾  独孤博   张遥函
马瑞泽  飾  柳 龙   齐斯伽
李 豪  飾  王 圣   张博恒
仁青娜姆 飾  独孤雁
李德鑫  飾  玉天恒   张赫
苗皓钧  飾  夜火村长  郭政建
鲍柏宇  飾  雪清河   凌飞
杜俊泽  飾  戴惟仕   常进
郭家诺  飾  时年
刘 伟  飾  圣魂村长  张遥函
崔 鹏  飾  素云涛   陈光
周小川  飾  剑斗罗
王 俏  飾  朱竹云
郭子渝  飾  鬼斗罗
宋 庆  飾  不 乐   赵铭洲

職員
出品人     孙忠怀、曹华益
制作人     方芳、于婉琴、李小飚、张萌、徐健、任强、景麒駪
監 制     韩志杰、徐佳
原 著     唐家三少
導 演     杨振宇
編 劇     王倦
芸術指導 孙立
美術設計 张晓敬
動作指導 秦鹏飞
造型設計 陈同勋
視覚特效 庄严