江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

猎狼者

1~8集(大結局)

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 秦昊が主演だし、なにしろ短い!という理由で視聴スタートした、中華ドラマ五月病な私でした。でも、すっかり楽しく見終われました。

 

 このドラマ、「猎狼者」、英文名が「HUNTER」。まさにそういうドラマが8集にわたって展開しました。

 主人公たちが追うのが密猟者集団、そして彼らもまた主人公たちを追うのです。

 何しろ導演が「九州海上牧雲記」「長安十二時辰」の曹盾ですから、アクションに次ぐアクション、流血に次ぐ流血!というちょっと見る人を選ぶドラマ。でも、滅多に人は死なないし、ただアクションだけを見せるような展開ではなく脚本もしっかり描き込まれ、演員秦昊を初めとした演員も一癖ある役をさせたら~というベテランがたくさんで見ごたえたっぷり。

 

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 主人公の魏疆は5年前に密猟者を追跡中相棒の趙誠をなぶり殺しにしされ、自分も重傷を負ってしまう。それがきっかけで警察をやめ、すさんだ暮らしをしていた。その彼が密猟者に捕らえられた若い警官秦川を救うために力を貸すことになる。
 秦川を捉えた一団が未解決となった5年前の事件の犯人たちだと気づいた魏疆は秦川と共に彼らを追う。

 魏疆の周辺の人々だけでなく、密猟者グループの方の描写がしっかりされていて、回を重ねるうちに内部での争いが起こっていく様子や、一人ひとりの背景や個性もきちんと見せてくれます。

 敵と思えば味方、味方を思えば・・・と意外な人物が魏疆の命を狙っていたりする一筋縄ではいかない展開もあって、アクションだけを楽しむドラマとは違いました。

 だから、ちょっと詳しく内容をトレースするのは遠慮しておきます。

 ネタバレ気にしないという意見も聞きますが、気にする方もいるし、まあ曹盾のドラマということでわかっていただける部分も多いかと勝手に思ってます。

 ただし、ドラマの舞台は新疆。全編舞台は山奥、森の中、雪山でなければ決して豊かではない人々の暮らす町、というわけで華やかな衣装もセットもありません。自然は美しいけれど、観賞用の風景ではなく、荒々しい野生の自然です。登場する人たちも土地に根付いて行き、しっかり人生を背負っている感じで、浮ついたキャラは一人もいない。

 出演者はそう多くないですが、演員表を見ていると魏疆の秦昊、秦川の尹昉たち「正義」サイドより犯罪者グループの方が主だった出演者として多く紹介されています。確かに、狼を名乗るこの犯罪グループがいないことには主人公たちが光ることもないわけで、ボスの毒鹞子に尹铸胜、その配下の一人周炀に余皑磊と「長安十二時辰」から「林九郎」と「元載」が参加していて、とにかく存在感のある「悪役」が控えています。で、反派一同の海報w

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 8集は短いとは言え、一気に見るにはちょっとしんどいかもしれません。「九州海上牧雲記」の瀚州での戦闘シーンとか「長安十二時辰」の大立ち回りが気に入ったという人にはぜひお薦めしたいところです。アクション以外に派手なところは全くないし、恋愛要素も死んだ趙誠と残された妻のエピソードが唯一といっていい感じでそういう方面での華やぎもないです。でも、質実剛健なドラマ展開を楽しめました。

 

角 色  演 员

魏 疆  秦 昊

秦 川  尹 昉

赛 娜  黄子星

花翻子  沈佳妮

毒鹞子  尹铸胜

周 炀  余皑磊

刀 子  赵 魏

狐 狸  隋咏良

赵 诚  姬 他

巴 图  何 晨


職員

導 演  曹盾,高翔

編 劇  顾浩然,高鹏

 

玉昭令第2季

 玉昭令第2季 1~20集(大結局)

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 予定通り配信はされてたんですが、見てる方の調子が上がらなくて、クリアするのに時間がかかってしまいました。

 第2季20集、どうしてここで切ったのかわからないようなところで第1季との区切りが来てます。区切る必要はなかったと思います。

 けど、第2季になって話を進めるのは完全にブラック化した謝君豪演じる江文卿。端木も展顔も彼の企みに引きずり回され、やがては蓬莱=天界の仙人たちも彼に支配されるようになってしまうという謝君豪の悪おじ無双な展開になりました。

 このドラマ、最初は包青天ものまがいな様子でしたが、どんどん話があらぬ方向に進んでしまって、最後は人族、幽族、蓬莱を巻き込んだ大戦争になっていきました。

 

 最初の方の一応探案もの的な話から、幽族の反乱、1000年前の世界での人族と幽族の戦い、そして再び「現代」での戦いと舞台がどんどん変わっていきました。

 特徴的なのは、ドラマの展開と共に登場人物たちが違う個性を背負って出てくることでしょうか?

 幽族の王子で後に王となる温孤なんかはその最たるもので、人は同じなのに最初は端木に従う上仙で医者。ひたすら端木を慕っています。それから龍王となって幽族を率いて反乱を起こし、端木と恋愛関係になった展顔と戦って死ぬ。1000年前には父龍王に反発して家出、端木の軍に身を寄せた若者、身分が明らかになって、最後は人族との闘いを終わらせる、そしてまた現代では彼を慕う紅鸞によって復活させられたものの何一つ記憶のない純朴な若者とふれ幅の多いキャラ設定です。

 他のキャラも人格者の県令江文卿が義理の娘に譲った神格を取り戻そうとあがいた末に、天界までもその掌中に収め、世界を支配しようとする大魔頭と変わっていったり、と同じ人物が全く違うキャラに変わっていくのがおもしろかったです。

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 その中で、最後まで一貫していたのが展顔。彼は1000年前でも自分を見失うことなく、端木を守り幽族と人族の和平をなそうとがんばります。

 端木は1000年前には幽族と戦う軍の将軍で一族を守るために必死です。

 

 多くのキャラは何度も死んでは生き返ってくる、キャラはいろんな顔を持っているというのは続けて見ていないと誰が何をしているのかわからなくなってしまうという危険性もありますが、目先が変わって飽きさせないという利点もあります。

 ドラマ世界も仙人の蓬莱、人族、幽族の三つが入り混じり、そこに1000年前世界と現在という時空が並列するというややこしいことになってます。でも、それほど複雑な感じはありませんでした。何しろ場面ごとにキャラが立っている。俳優さんたちの演じ分けの成果でしょうか?

 

 特に目立ったのは天界の仙人たちが情けないことでしょうか。

 役に立たないのは普通だし、根性がよくない、むしろ邪悪とかいうのは珍しくもないですが、ここのはとにかく情けないw

 人間たちも「上仙」とは尊称するもののそこらの役人程度にしか思ってない。威厳もないが実力もないようで・・・楊戩一人がキリキリしているものの後は天庭の仙人たちというより村の広場でごちゃごちゃやってるおじいさんたちと言う感じ。

 端木と展顔によって1000年前に封じ込められた江文卿が脱出して天界にやってくるとあっという間に彼の言うままになってしまう・・・とにかく情けない。コメディでもないのにこんなに情けない天界の面々というのも珍しい。

 

 配役的には展顔の官鴻と端木翠の張艺上らの若手を江文卿の謝君豪、楊戩の韓棟たちが支える形になっています。けど、第2季になると謝君豪のノリノリな大魔頭江文卿とそれを受ける韓棟の「僕は生真面目、義妹大好き」楊戩演技に若手一同押されっぱなしという感があります。

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 端木翠と展顔らの恋愛関係も、三界の平安もちゃんときれいに収まってドラマ終了。

 そういや一応無事に結婚できたのは貴重かもしれないw

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 で、これで見るものがほんとになくなったのです。2,30本は確実にある途中で放り出したままだけど、決定的に見る気がないわけではないという「積み」ドラマ、消化しますかね~

 
 

角 色    演 员

展 颜    官 鸿

端木翠    张艺上

红 鸾    王一菲

温孤苇余   古子成

上官策    杨 泽

江文卿・江易 谢君豪

杨 鉴    韩 栋

小 天    姜瑞霖


制作人   杨蓓、阮杰、陈韬羽、冯蕴婷、何清、张钊

導 演   郑伟文

芸術指導  李显昌

造型設計  何茜

編 劇   邹越、安以陌、唐小宁、黄子恩、余立、张璐、吕阳

長歌行 その5

41~49集(大結局)

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 無事に視聴終了しました。

 最後までアニメというか一部動く縦スクロール漫画の出現にイラつきながらも、ストーリそのものは私の苦手な方向に走ることもなくわりにきれいに落ち着くところに落ち着いたので、視聴後感は小ざっぱりしています。

 このドラマ、すでに日本でも原作漫画が出版されているということなので、原作とドラマの違いはそちらの読者にお任せすることにします。ただドラマでは東突厥とか契丹とかいう名前は出てこなかったし、人名も原作では例えば「阿史那隼」なのでしょうか?ドラマの海報や記事でも阿詩勒隼でなく阿史那隼になっているのを結構見かけます。

 でも、聞いたところでは女主2の李楽瑶と皓都なんかはドラマのオリジナルキャラだそうですね。ところがこのドラマの片頭見てると主演の迪麗熱巴と呉磊よりも、李楽瑶と彼女を挟む皓都、魏叔玉の趙露思、劉宇寧、方逸倫の方が特別主演という肩書で先にクレジットされてるという不思議な状況。私自身は原作未読なので、オリジナルキャラに何の抵抗もなかったのですが、制作がこちらに力を入れている感じが伝わってきて、そりゃ原作ファンが眉顰めても仕方ないかと変に納得してました。

 まあ、私の穿ちすぎかもしれませんが💦

 ドラマは奕承公主が自分の息子涉尔を草原の王にし、阿詩勒部を利用して隋を復興させようとしていた企みを長歌や阿詩勒隼たちがどう防ぐかという話になります。

 つまりこのドラマヒロイン無双であると同時に、反派の方も「ヒロイン」無双という形になります。後宮ドラマはともかくとして、「媚者無彊」とかでもそういう展開はされてたんですが、双方が政治的に力を持ち、軍を動かすこのシチュエーションは結構目新しいんではないでしょうか?

 李長歌が自分で言っているように、奕承公主というのは「ありえたかもしれない自分の将来」の姿でもあったのですが、民衆は平安を求めているという彼女の気づき、その思いを共にする阿詩勒隼、同じことに気づけた楽嫣や仲間の存在が長歌を暗黒面に落ちることを妨げています。

 そもそもの出発点となる玄武門の変の背景が今一つしっかり描写されていなかったのですが、長歌が復讐を捨てる重さだけは伝わったように思います。

 

 絶対的な悪という存在はなくて、相対的に悪というか敵、だから居場所や立場が変わると悪にも善にも、敵にも味方にもなるという流動的な人間関係はドラマをおもしろくしていました。それが特に現れていたのは、長歌に救われてから行動を共にしている弥弥古麗とか奕承公主の息子涉尔たちです。でも、長歌にしても阿詩勒隼にしてもそれは同じことで、最終的に二人がそこから自分たちの道を見つけていく過程がドラマの見どころでもありました。

 

 それにしても呉磊がいい青年に育ったな~などと思いつつ視聴終了する年長者w

 いや実際「闘破蒼穹」や「山海経之上古密約」に比べて、演技も随分変わってきたと思うのです。大結局近くの場面など、胆の据わった器の大きな人物像を見せてくれてうれしかった。

 今回は女主2の趙露思、どうしてもラブコメとかの元気なキャラが脳裏に浮かぶのですが、今回は一人の公主の成長をきっちり見せてくれて、失礼ながらこういう演技もできるんだと見直しました。

 迪麗熱巴は女主1の李長歌で確かに彼女の行動がドラマを進めていきはするんですが、人間的な成長という点では楽嫣と長歌のどちらがメインという違いはなかったように思いました。

 

 ちょうど中華ドラマ的五月病の真っ盛りで視聴が思うように進みませんでしたが、出演者も結構華やかだし、ストーリ展開にも起伏があって悪くなかったです。

 とはいえ、まだ本調子ではない私・・・この次は「玉昭令」第2季?
 いっそ、「長歌行」に続いて「行」並びで「驪歌行」?と思わないでもないけど、現時点では「このタイトル、なんじゃ、これ?」としか思えなくてですね~

 つまり、どうするか未定ですw

 

  しかし、なんかこういうシーンがやたらに多いドラマだった気がするのは気のせいだろうか?

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角色    演員     配音

李长歌   迪丽热巴   乔诗语

阿史勒隼  吴磊     歪歪

皓都    刘宇宁

李乐嫣   赵露思

魏叔玉   方逸伦

阿史勒渉尔 娃尔

穆金    易大千

弥弥古丽  曹曦月

司徒郎朗  刘海宽

孙思邈   李光复

李世民   耿乐

杜如晦   成泰燊

静澹真人  萨顶顶

 
職員

制作人:鄢蓓

原 著:夏达

配 乐:李赫

导 演:朱锐斌

编 剧:裴雨飞,常江,夏达 

御賜小件作 その3

25~36集(大結局)

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 さくっと見終わりました。私の中華ドラマ的五月病も一山越した感じでしょうか?
 ところが肝心の中華ドラマの方にこれという新作が出てこなくて、やっぱりテンションが上がらないという何とも言えない状況がやってきました。ほんとこの「御賜小件作」見終わってしまったら、どうするんでしょうねえw

 でも、見終わってしまったので、とりあえず視聴メモ。


 蕭瑾瑜と楚楚の間は一気に結婚しましょう!という間柄になりました。いろいろ難関がひかえているわけですが、周囲の理解と本人たちのガッツもあって無事結婚の運びとなりました。

 と言って、やたらにべたべたとバカップル化することもなく、自分たちの恋愛を結構冷静に見ているところがあって、かえってそこがドラマの魅力になっています。


 そして、皇位を巡る陰謀は二重にも三重にも企まれていて、私的には非常に満足。ちょっと蕭瑾瑜がキレ過ぎるというか、彼の想定通りに物事が進み過ぎるきらいはあるのですが、あまり気にはなりませんでした。反派サイドのキャラがしっかり立っていて、それぞれに真っ黒パワーを巻き散らかしていたのもよかった。


 適度に親子関係、兄弟関係、恋愛ドラマも盛り込まれていました。でも、最初のころに心配した西平公主や景翊の母あたりを中心に後宮ドラマエピソード化ということもなく、主人公サイドの年長グループには基本的には「好人」がそろって、若者たちの行動や恋愛をサポートしていました。

 

 最初から身分とか血筋、差別を物語のバックボーンに置いているドラマだと思っていましたが、最後までそこを気にしつつ見ていました。

 蕭瑾瑜と瑾璃の双子のどちらか片方が実は養子だという話も大騒ぎにはなったもののあっさりと解決、安郡王と一介の件作の結婚を身分違いで認められないという皇帝も「じゃ、件作やめたらいいんでしょ」であっさり承認とか、血筋とか身分とかそれはそれとして~というような主人公サイド。

 それだけでなく、皇帝をないがしろにして権力をほしいままにしていた秦鸞、昌王を僭称した薛汝成などもやはり自分のためにならないなら身分などなんぼのものじゃと思ってる。

 彼らは身分制度を自分たちに合わせて書き換えようとしていますが、主人公サイドはその制度の中でうまくやっていこうとしているようにも見えます。それでいいのかという気がしないでもないですが・・・

 

 楚楚は結婚退職?あれ~?と思ってたら、最後に、楚楚の才能を惜しんだ皇帝が「じゃ、件作続けてもいいよ」という詔勅を出して、こちらもカバー。

 まあ、そんなところにポイント置いて見てる視聴者もあまりいないかとは思います。

 

 このドラマは全36集通して大きく一つの事件を扱っているわけですが、派手さのない割にいろいろな要素がバラエティ豊かに盛り込まれていて、飽きることなく最後まで見ることができました。

 何と言ってもキャラがよかった。蕭瑾瑜、楚楚、冷月、景翊、蕭瑾璃の主人公グループはみな素直な性格の頼りになる仲間で、変にいじけたキャラとか迷惑かけ放題なキャラとかがいないのはうれしい。

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 反派の方では秦鸞の穆懐虎の怪演が目立ちましたが、全体に若者グループより濃い演技をしている感じでしょうか?なぜか宗峰岩が大山鳴動して鼠一匹って感じのキャラで出てましたw

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 素直な感じのする若者グループに対して、常に長安の街のジオラマを作ってる皇帝の食えないキャラも、こじれた薛汝成も含めて、年長グループの一筋縄ではいかないキャラ付けがおもしろかったです。

 やっぱりドラマはストーリとキャラ設定にかかってるよな~と思う視聴後感。それにマッチした配役がされていれば文句はないです。このドラマの評価に「金かければいいってもんではない」というのが目立ちますが、私も同感。

 

 さあ、とにかく次は「長歌行」クリアを目指しますか。

 とはいえ、絶賛「三体」読書中なんで、いつのことになるかw

 

演 員   角 色   配音
苏晓彤   楚 楚   赵梦娇
王子奇   萧瑾瑜   弋凡
杨廷东   景 翊   卢力峰
赵尧珂   冷 月   贺文潇
王彦彬   萧瑾璃   常文涛
穆怀虎   秦 栾   郭政建
郭 军   皇 帝   赵铭洲
郭秋成   薛汝成
史兰芽   西平公主
宗峰岩   韩 蹟

職員
編 劇  清闲丫头、钱小白
導 演  楼健
原 著  御赐小仵作(清闲丫头)

你好,李焕英

你好,李焕英

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 今年の春節映画として登場したこの映画、相声の芸人でコントやバラエティで活躍している賈玲が初監督作にして「唐人街探案3」の売り上げを抜き去って興行収入トップになったという話題がニュースになっていました。

 賈玲というと私には「王牌対王牌」のレギュラーメンバーとしてなじみがあったので、この映画にも興味がありました。でも、賈玲自身の早世した母をモデルに、というより母と彼女自身をモデルにした映画ということでちょっと二の足を踏むところがないわけではなかった。

 でも、とにかく見てみないことにはな~と視聴開始。

 2001年、突然の交通事故に巻き込まれた賈暁玲と母の李焕英。賈暁玲は無事だったが、李焕英は危篤状態となってしまう。その母の傍らで、これまで何一つ母の自慢できる娘にはなれなかったことを激しく後悔する暁玲。何しろ学校から呼び出しを始終くらい続け、一度くらい母に娘自慢をさせてやりたいと芸術大学への合格証を偽造してしまうようなとんでもない娘。といっても母子の関係が悪いわけではなかった。
 

 その暁玲が突然1981年にタイムスリップして、まだ結婚前の青春真っ盛りの母李焕英と出会うというストーリになります。

 「母はずっと中年女性のイメージで、母にも青春時代があったとは思いもしなかった」というような言葉が出てきましたが、そういう感じ方はどこの親子にも共通するものかもしれません。

 2001年には中年だった若い母や親戚たちと出会い、意気投合して、81年の青春を謳歌する暁玲。

 母が父ではなく、もっと条件のいい男性と結婚していれば・・・と工場長の息子とのデートを取り持とうとしたりもします。

 けれど、賈暁玲はこのタイムスリップの真実に気付く。春節映画最大のミステリがあるとか言われる由縁に納得しました。

 この映画は、母と娘の交流を、母の臨終のときを舞台に描いています。
 
 最初から泣きながら見た、最後の場面で号泣したというような感想をたくさん見かけますが、私はそういう感じではなく何かほのぼのと温かい思いで見終わることができました。

 母と娘というごくごく一般的なテーマだからこそ、心の琴線に触れる人が多かったのは確かだと思うし、私のその一人であることは間違いないです。

 加えて、1981年という時代へのノスタルジックな部分も重なって、映画の人気を高めたのもあると思います。

 けれど、やっぱり私には賈暁玲が自己肯定感を得ていく過程がこの映画一番の見どころでした。

 この映画のラストをどう見たかというような話をしちゃっていいんでしょうか?なんか「唐人街探案3」と同じくらい、ラストは見終わった人同士で話したいな~と思うのであえてこれ以上触れないことにしておきます。

 

演 員  角 色
 
贾 玲  贾晓玲

沈 腾  沈光林

张小斐  李焕英

陈 赫  冷 特

刘 佳  李焕英(中年时期)

何 翯  包玉梅

丁嘉丽  包玉梅(中年时期)

包文婧  趙豔華

韓雲雲  王 琴

王 琳  王 琴(中年时期)

許君聰  徐志凱

喬 杉  賈文田

賈文田  賈文田(中年时期)


導 演  贾玲

編 劇  贾玲、孙集斌、王宇、刘宏禄、卜钰、郭宇鹏

長歌行 その4

31~40集

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 10集見るのに一か月近くかかってしまいました。

 なんか不調だったんですよね~新人社会人でもないのに五月病ですかね?

 ドラマの方は、山あり谷あり、恋愛あり陰謀ありで私好みでないというわけでもないんです。だから見てるんですがw

 ただ、どうしてもこのドラマ、ここだけは勘弁ならない!というのがアニメの使い方。戦闘シーンや戦場場面でさあこれから主人公大活躍!とか期待するとアニメ、それも静止画をいじった程度のアニメもどきに切り替わる。予算削減以外の目的が思い浮かばない。

 静止画やアニメを場面転換に入れたり、今同時進行の「御賜小件作」のように補足説明の資料として入れてくるのは珍しくないし、そんなに気にもならないんですが、これはちょっと勘弁ならないレベル。

 例えば「琅琊榜」の九安山の場面で蒙大統領が「かかれ!」と大号令を発したとたんにイラストに変わるとか「陳情令」で舞天女に挑みかかったとたんに突然静止画パタパタになってしまうとか、「天舞紀」なんかのダンス合戦シーンで主人公グループが出た瞬間にほぼアニメになってしまうとか、ありえないでしょ?それをやらかしてくれるんですよね、このドラマ😢

 ドラマの内容以前の問題ではあるんですが、やっぱり全体のイメージ悪くしているのは否定できない。イラストやらアニメやら入れ込むならもっと効果的な方法があるはずなんですけどね~

 アニメでなくても、主人公カップルのキスシーンと思うとインコのアップとか・・・規制でもかかったんでしょうか?きっと期待してる人少なくないと思うんですがね~、「三生三世十里桃花」で白浅と夜華が抱き合ったとたんにインコがアップになるというようなレベル💦

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 で・・・

 話は草原での大可汗の地位を巡る陰謀が意外な方向から急激に進展しました。ウザいだけのキャラと思っていた隋朝の奕承公主が自分の息子を大可汗にするために邪魔な阿詩勒隼を排除し、大可汗を寝たきりの病人にして実権を掌握。

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 彼女にとっては、息子以外の全ては復讐の対象なんですね。隋の公主として大可汗に輿入れしたものの、隋は滅ぶし、4代もの大可汗に使いまわされるし、すっかり真っ黒になってもしかたないかもしれない・・・

 

 命を狙われる阿詩勒隼は自分が生きていると部族にも仲間にも危険が及ぶと死を偽装して、長歌と二人で生きていこうと心を決めます。

 ところが、大漠の国々と唐の間の和平交渉に長歌が漠北王の妹の資格で唐への使者に立つことになって、舞台は長安に戻ります。
 それに死んだことになってる阿詩勒隼も同行。長安では長歌と皇帝李世民が再会。彼と長歌の母のかかわりが明らかになります。こういう場面をアニメで表現してる分には嘆かなくてもいいんですけどね~

 そして、長安で奕承公主母子、長歌たち一行が勢ぞろいということになりました。長歌と阿詩勒隼は唐と草原に平和が訪れたら二人で隠棲しようという話をしています。阿詩勒隼は長歌のためにすべて捨ててもいいと思ってるわけですが、いやな予感がしないではいられない「山河令」後遺症。

 そんな予定で、死んでるはずなのにホイホイ姿を現してしまう阿詩勒隼って💦

 

 というわけで、せっかくの死の偽装プランも水泡に帰したところで残り9集のラストスパートになりました。

 繰り返しになりますが、ストーリの展開は悪くない。主人公の李長歌にしろ、李楽嫣にしろ成長の過程がきっちり可視化されてるし、陰謀度wもそれなりに高い。心配だった後宮ドラマ化もすることなく大結局まで行ってくれればストーリ的には文句言わなくてすみそうですが・・・さて?

御賜小件作 その2

13~24集

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 誰も名前の知られた演員がいないのに評価は高いという評判のこのドラマ。私はあまり評価サイトのポイントを気にする方ではないんですが、同時期の「長歌行」や「玉昭令」が6ポイント台なのに、これは8ポイントを超えているというのには確かにそれなりの理由があると思う今日この頃。

 ですが、どうもこのドラマの出来が良い「良心之作」というだけではないようにも思えるのです。

 「長歌行」にしても「玉昭令」にしても、今が旬の人気若手俳優を起用し、結構な予算もつけて制作しているのは見てとれます。けど、言っちゃ悪いけど、なんか同工異色な感じでちょっと疲れてきた・・・私以外にもそういう人が結構いるんじゃないかなとか勝手に思ってるところ。

 前世紀的に言えば「チャンネルを合わす」のに「どっこいしょ」って掛け声がいる。そこを超して見てれば、それぞれに特色もあれば、見どころも盛りだくさんなんですけどね~

 

 この「御賜小件作」も一応主人公カップルの恋愛要素もあるんですが、そこがメインではない。ヒロイン楚楚はまずは「件作」として自立することを目指していて、安郡王蕭瑾瑜にプロポーズされても即恋愛関係ということにはならない。むしろ彼女の方には恋愛要素がないというか無頓着で、恋愛モードに入ってるのは蕭瑾瑜の方。

 頭が切れて、探案の名手として知られている彼ですが、こと恋愛についてはまるで初心者。そこで人のいい仲間たちがいろいろアドバイスをする、それを真に受けて、失敗するというラブコメ展開。恋愛場面とそれ以外の場面での、彼の落差も見どころでしょうか。

 

 黔州での彼らは表向きには贋金作りの捜査、裏では楚楚の出生の秘密を探り、彼女の母親の死の真相を知ります。そこから楚楚が慕っていた大巫が実は蕭瑾瑜兄弟の父蕭恒であることを探り出し、今度は父親を探そうと動きます。

 同時に宮廷では楚楚が18年前の反逆者剣南節度使陳瓔の副将雲易の遺児だということが知られて、彼女に対する逮捕令が出される。

 

 朝廷では突然の皇帝の言葉で冷月と蕭瑾瑜の兄蕭瑾璃の縁談が起こって、冷月が好きな景翊は焦っています。まあ、恋愛関係のこじれ方としては比較的単純な方でしょうね。

 でも、恋愛モード以外の部分では実にこじれたややこしい人間関係になっています。

 

 朝廷の使いとしてやってきた蕭瑾瑜の師薛汝成は明らかになんか企んでいるし、蕭瑾瑜たちの動きを朝廷にリークしているスパイもいるし、皇帝の腹の内は読めないし、景翊の父や蕭瑾瑜の母西平公主の腹の内も読めない。宦官たちはねちねち企んでいるし、実にこじれまくってます。そこに18年前の事件も絡んできて、ますますややこしい。
 
 蕭恒が姿を消し、楚楚の実の父が反逆者とされた事件というのは、何やら「琅琊榜」の匂いがします。

 話は贋金作りの黒幕として黔州刺史李璋を名指しするところまで来ました。しかし、こんなに簡単に終わるわけはないですね。

 蕭兄弟の出生にもなにかありそうだし、話には出てくるけど謎の昌王というのの正体も全くわからない。何しろまだまだ三分の一も残ってますから、これからのお楽しみw


 細かく組み立てられた話とは思うのですが、突っ込みどころもいっぱい。結局、蕭恒は死んでいるのが発見され、彼の残した暗号の遺書が見つかります。しかし、五年も沼に使っていた死体が腐敗も屍蠟化もしていないとか、暗号を描いた布が濡れてもいないとか、あらま~

 自分でぐるぐる巻きになって入水自殺するなんてことができるもんかとか突っ込んではいけないんでしょうね💦

 

 兄がいるのになんで蕭瑾瑜が安郡王で、兄は将軍なのかと思ったら、反乱軍との戦いで死んだ父に与えられた王号を弟に譲ったという経緯なんですね。とにかく弟に過保護な兄です。

 この兄弟、双子という設定ですが、これまでの各種双子設定に比べりゃ「双子」感があります。しかし、ここにきて、この二人の出生絡みで一波乱来そうです。

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 ラブコメじゃないなと思うのは不必要にけたたましいキャラも、お笑い担当キャラもいないからですが、ラブコメ要素がないわけじゃない。私的にはこれで十分w
 恋愛関係であまりごちゃごちゃしない以上に、朝廷方面が思い切り陰謀だらけ。こっちのこじれるのは気にならないのは全く好みの問題です。

 

 話変わりますが、このドラマ朝廷の去勢された役人たちに「宦官」って表現使ってますが、「太監」の方に慣れてたもので、ちょっと意外な感じがしています。中華ドラマ見るまでは「太監」の方になじみがなかったんですけど、この使い分けって何かあるんでしょうか?
 
 登場する宦官たちが秦鸞を頂点に、きっちり朝廷を陰で掌握、皇帝なんかただのお飾りと言いたい放題、やりたい放題をしています。いろいろ宦官がのさばる話は見てきましたが、これも相当に強烈です。時代的には皇帝の首を宦官たちが据えかえたりしている時代ですから、自分たちこそ天下を動かしているという宦官たちの驕りも史実に近いということでしょうか?