江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

御賜小件作 その2

13~24集

f:id:maimaimaigo:20210521230852j:plain

 

 誰も名前の知られた演員がいないのに評価は高いという評判のこのドラマ。私はあまり評価サイトのポイントを気にする方ではないんですが、同時期の「長歌行」や「玉昭令」が6ポイント台なのに、これは8ポイントを超えているというのには確かにそれなりの理由があると思う今日この頃。

 ですが、どうもこのドラマの出来が良い「良心之作」というだけではないようにも思えるのです。

 「長歌行」にしても「玉昭令」にしても、今が旬の人気若手俳優を起用し、結構な予算もつけて制作しているのは見てとれます。けど、言っちゃ悪いけど、なんか同工異色な感じでちょっと疲れてきた・・・私以外にもそういう人が結構いるんじゃないかなとか勝手に思ってるところ。

 前世紀的に言えば「チャンネルを合わす」のに「どっこいしょ」って掛け声がいる。そこを超して見てれば、それぞれに特色もあれば、見どころも盛りだくさんなんですけどね~

 

 この「御賜小件作」も一応主人公カップルの恋愛要素もあるんですが、そこがメインではない。ヒロイン楚楚はまずは「件作」として自立することを目指していて、安郡王蕭瑾瑜にプロポーズされても即恋愛関係ということにはならない。むしろ彼女の方には恋愛要素がないというか無頓着で、恋愛モードに入ってるのは蕭瑾瑜の方。

 頭が切れて、探案の名手として知られている彼ですが、こと恋愛についてはまるで初心者。そこで人のいい仲間たちがいろいろアドバイスをする、それを真に受けて、失敗するというラブコメ展開。恋愛場面とそれ以外の場面での、彼の落差も見どころでしょうか。

 

 黔州での彼らは表向きには贋金作りの捜査、裏では楚楚の出生の秘密を探り、彼女の母親の死の真相を知ります。そこから楚楚が慕っていた大巫が実は蕭瑾瑜兄弟の父蕭恒であることを探り出し、今度は父親を探そうと動きます。

 同時に宮廷では楚楚が18年前の反逆者剣南節度使陳瓔の副将雲易の遺児だということが知られて、彼女に対する逮捕令が出される。

 

 朝廷では突然の皇帝の言葉で冷月と蕭瑾瑜の兄蕭瑾璃の縁談が起こって、冷月が好きな景翊は焦っています。まあ、恋愛関係のこじれ方としては比較的単純な方でしょうね。

 でも、恋愛モード以外の部分では実にこじれたややこしい人間関係になっています。

 

 朝廷の使いとしてやってきた蕭瑾瑜の師薛汝成は明らかになんか企んでいるし、蕭瑾瑜たちの動きを朝廷にリークしているスパイもいるし、皇帝の腹の内は読めないし、景翊の父や蕭瑾瑜の母西平公主の腹の内も読めない。宦官たちはねちねち企んでいるし、実にこじれまくってます。そこに18年前の事件も絡んできて、ますますややこしい。
 
 蕭恒が姿を消し、楚楚の実の父が反逆者とされた事件というのは、何やら「琅琊榜」の匂いがします。

 話は贋金作りの黒幕として黔州刺史李璋を名指しするところまで来ました。しかし、こんなに簡単に終わるわけはないですね。

 蕭兄弟の出生にもなにかありそうだし、話には出てくるけど謎の昌王というのの正体も全くわからない。何しろまだまだ三分の一も残ってますから、これからのお楽しみw


 細かく組み立てられた話とは思うのですが、突っ込みどころもいっぱい。結局、蕭恒は死んでいるのが発見され、彼の残した暗号の遺書が見つかります。しかし、五年も沼に使っていた死体が腐敗も屍蠟化もしていないとか、暗号を描いた布が濡れてもいないとか、あらま~

 自分でぐるぐる巻きになって入水自殺するなんてことができるもんかとか突っ込んではいけないんでしょうね💦

 

 兄がいるのになんで蕭瑾瑜が安郡王で、兄は将軍なのかと思ったら、反乱軍との戦いで死んだ父に与えられた王号を弟に譲ったという経緯なんですね。とにかく弟に過保護な兄です。

 この兄弟、双子という設定ですが、これまでの各種双子設定に比べりゃ「双子」感があります。しかし、ここにきて、この二人の出生絡みで一波乱来そうです。

f:id:maimaimaigo:20210521231501j:plain



 
 ラブコメじゃないなと思うのは不必要にけたたましいキャラも、お笑い担当キャラもいないからですが、ラブコメ要素がないわけじゃない。私的にはこれで十分w
 恋愛関係であまりごちゃごちゃしない以上に、朝廷方面が思い切り陰謀だらけ。こっちのこじれるのは気にならないのは全く好みの問題です。

 

 話変わりますが、このドラマ朝廷の去勢された役人たちに「宦官」って表現使ってますが、「太監」の方に慣れてたもので、ちょっと意外な感じがしています。中華ドラマ見るまでは「太監」の方になじみがなかったんですけど、この使い分けって何かあるんでしょうか?
 
 登場する宦官たちが秦鸞を頂点に、きっちり朝廷を陰で掌握、皇帝なんかただのお飾りと言いたい放題、やりたい放題をしています。いろいろ宦官がのさばる話は見てきましたが、これも相当に強烈です。時代的には皇帝の首を宦官たちが据えかえたりしている時代ですから、自分たちこそ天下を動かしているという宦官たちの驕りも史実に近いということでしょうか?