江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

少林寺之得宝伝奇

少林寺之得宝伝奇 もしくは呉孟達追悼

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 実は2月17日にはもう見て、ブログ用の記事も大体できていた。

 いや~楽しかったわ~
 王宝強のコミカルなところも、武芸の見せ場もたっぷりだし、呉孟達とか于海、熊欣欣とかも顔出しているし、これまでの少林寺ものへのリスペクト感も満載。最後には劉昊然も出てきて、「唐人街探案3」ロス(まだ来てなかったけど)も解消・・・崖から落ちていった得宝の息子が亡くなるとは思わなかった!とか、それにしても劉昊然の太子、聖旨到!であっさり皇帝になっちゃったけど、この手の少林寺ものの中で最短記録か~とかハイテンションな内容。

 さっさと演員表とか入れて記事アップしておけばよかったんですけどね~

 ぐずぐずしているうちに、2月27日に呉孟達逝去のニュースが飛び込んできました。

 それで、準備したものを出す気にならず、そのまま3か月が過ぎようとしています。

 

 怪しげな客餞で商人たちをだまして小金を稼いでた得宝が、様々な苦難の末に、少林寺の武芸を治め、弾圧によって衰退していた少林寺を復興させるまでの話となります。

 その得宝に騙されかけた商人が呉孟達。冒頭だけの登場でしたが、顔が見られただけで十分満足してました。

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 そこに突然の訃報で、追悼のつもりで「喜劇之王」とか「少林足球」を見たりしてました。

 

 最近、国の東西を問わず俳優さんの訃報が続くような気がするのは気のせいでしょうか?昨日は田村正和さんの訃報が伝えられ、いっそうそんな気がしてきました。こちらの年のせいかもしれない・・・

 

 とにかく遅くなりましたが、個性的な演技を楽しませていただいたことへのお礼とご冥福をお祈りいたします。

 

 というわけで、真三國無双とはまた違った理由で「見たというだけ」の記事で申し訳ない限り。
 映画はすごく楽しかったことだけは明記しておきます。

 

演員表

角 色   演 員

西门得宝  王宝强

和 尚   倪大红

客商老者  吴孟达

太 子   刘昊然

铁大雪   索朗美淇

有 肉   白泽泽

西门梓   于 海

袁 嵩   熊欣欣

屠 昊   都桂宇


職員

導 演  唐季礼

編 劇  束焕

真三國無双(電影版)

三國無双(電影版)

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 最近、なんか視聴ペースが落ちてしまった。
 
 「武当一剣」の後、どうも今一つ視聴に気合が入らないんですよね~
 「長歌行」も「玉昭令」も「まあ、一応見てます」レベルから上にモチベーションが盛り上がらなくて、正直困ってる。
 かといって、全然見る気がないかというかとそういうわけでもなくて、さらに困惑。


 でも、まあ、ぼちぼちと・・・


 中華ドラマには制作されてから時間をおかずに順調に配信されるものもあれば、何年もたって突然出てくるもの、待っても待っても出てこないものとあるわけです。それは十分承知の上で、中華ドラマを見ているわけではありまして、長年のうちに「出ないな~いつかな~」とぼやいているのも楽しみのうちと割り切るようになりました。

 とまあ、これも相当長く待っていた映画版「真三國無双

 制作が始まったのは「琅琊榜」で王凱がブレークしてまもなくの2017年。そこからずっと待ってたんですけど、実はそんなに「まだか、まだか」って感じはなかった。

 だってね~

 まずお断りしとかなきゃいけないのは、私はゲームをしたことがない。だから、ゲームにつながる思い入れがない。三国志にはそれなりの興味も関心もあるけど、のめり込んでいるほどでもなくて、一般教養程度と言う感じでしょうか。つまりあまり熱意がない視聴者なので、申し訳ない。

 そういうわけで、制作が始まったというニュースを聞いた時点から「王凱が曹操呂布が古天楽!なんちゅうキャスティング!!!」というのがこの映画に持ってた最大の興味関心でした。

 

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 で、4年待った挙句にやっと見ることができたのですが、視聴後の感想は「林雪が董卓!!!」がプラスされました。ごめん、林雪が董卓っての4年前にキャッチしてたはずなのに覚えてなかったw

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 話としては、曹操董卓暗殺に失敗する話あたりから始まって、呂布貂蝉劉備関羽張飛とか有名キャラも登場、こうして三国が争う時代が始まった的なまとめで終わってます。

 全体としてゲームのイントロダクション的な構成になっているということなんでしょうか?

 関羽華雄を破るというような見せ場も用意されていましたが、こちらもゲームテイスト。劉備達三兄弟が戦場を馬で疾走するとその経路の敵軍が木の葉が舞うように吹き飛んでいくとか、ゲームそのままの描写w

 

 ニュージーランドでロケをしたということで、大変美しい風景。でも、何でこんなところで呂布貂蝉が出会うんだ?とか、曹操劉備がなんでこんなところで腕比べやってんだ?というように突っ込みたくなってしまうんですよね。中国の風景にはとても見えず、逆にこれはゲーム世界だという非リアリティを演出しているのかもしれないです。

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 演員的には、王凱の曹操はゲームキャラそのもの。天下はいずれ自分のものにするというふてぶてしい自信と驕りにあふれたまだ若い曹操です。いくら何でも貫禄ありすぎな古天楽の呂布と配役交換してもよかったかもしれない。呂布が深刻な顔するほど、映画全体から浮いてしまうとか💦

 それにしても香港の俳優さんは仕事選ばないな~とまた感心。

 貂蝉古力娜扎は「武神趙子龍」に続いて二度目の貂蝉。きれいです。

 楊祐寧の劉備、韓庚の関羽、張建声の張飛。楊祐寧の劉備はやっぱり胡散臭い感じがあって悪くなかった。関羽張飛はいくら若い時代とは言ってもちょっと貫禄がない。筋肉もない?特に張飛の万引きでもした品物を懐に詰め込んだような腹はなんとかならなかったのか?
 ゲームキャラに寄せたのかもしれないけど、もうちょっとな~

 で、つまることろ一番印象的だったのは林雪が怪演している董卓でした。

 この手の映画って、内容とかキャラの描写とか追求するようなものじゃないでしょうと思うのです。
 まあ、この映画を見て、ゲームを始める人が増えればいいのかなと・・・でも、ごめん。私はやっぱりゲームはしません💦

 
角 色  演 员

曹 操  王 凯

吕 布  古天乐

刘 备  杨祐宁

关 羽  韩 庚

貂 蝉  古力娜扎

袁 绍  吕良伟

董 卓  林 雪

铸剑堡主 刘嘉玲

张 角  姜皓文

陈 宫  张兆辉

吕伯奢  罗家英

张 飞  张建声

曹 仁  王梓轩

俞 涉  法志远

督 邮  宁小花

職員

制作人 :杜致朗,周显扬,杨丽

配 乐 :波多野裕介,黄慧仪

美术设计:John Allan

剪 辑 :张嘉辉

导 演 :周显扬

动作指导:林迪安

造型设计:吴宝玲

出品人 :于洋

编 剧 :杜致朗

监 制 :杜致朗,周显扬

御賜小件作 その1

1~12集

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 Twitterで一部話題になっていたドラマです。低予算、有名俳優も豪華な衣装やセットも目に入らないし、テーマ的にも派手さはない作品です。なのに評価サイトでのポイントはとても高い。どれどれ~と覗いてみました。

 うん、確かにこれは見る価値がある!と納得しました。

 

 主人公の楚楚が件作、つまり検視官的な仕事、になろうと黔州から長安にやってくるところからドラマが始まりました。早速大理寺少卿の景翊や三つの法機関を統括する安郡王蕭瑾瑜と知り合い、事件に巻き込まれていきます。

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 このドラマ、時代は中唐の宣帝のころ。この宣帝というのは「櫃中美人」で周渝民が演じた文帝の次の次の代になります。文帝というのは宦官に擁立されて皇位につき、宦官によって幽閉され死んだという人物。今度の宣帝も同じく宦官によって権力の座についてものの宦官勢力の削減に成功するなどある程度の成果を上げた人物。そういう時代に、三法司を一手に握る蕭瑾瑜は宦官たちにとっても、朝廷の重臣たちにとっても厄介な存在です。

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 圧倒的な推理力で事件を解決していく蕭瑾瑜が件作の募集をしたところにやってきたのが楚楚。彼女の能力を認めて検死に当たらせますが、彼が楚楚を屋敷に住まわせ、採用試験の結果保留中という名目で引き留めているのにはもう一つ理由がある。彼女が持っていた玉牌が、彼の手元にある父親の形見の片割れで、なぜそれを彼女が持っているかという謎。蕭瑾瑜の母は西平公主、駙馬の蕭恒が父ですが、ずっと行方不明で死んだものと思われています。

 そして、この玉牌に気が付いているのは宮中を牛耳る宦官の秦鸞も同様。

 気が付かないうちに楚楚は宮中の権力争いに巻き込まれています。

 

 父が生きていると確信した蕭瑾瑜は景翊、冷月そして楚楚を連れて黔州へやってきます。

 黔州刺史李璋のところには景翊に安郡王を名乗らせて、自分は楚楚の祖父楚平の家に泊まり込み。

 このあたり件作を家業としてきた楚家の一族が、他の人たちから蔑視されてきた話が盛り込まれています。楚楚自身も自分の持ち物や金銭を他の人間が嫌がらないかと気にしています。楚家の人たちも泊めてくれという蕭瑾瑜たちが件作の家ということにこだわらないことを喜んでいます。こういう死にまつわるケガレ意識というのは日本でも深刻な差別の原因の一つとされていますが、これを真正面からドラマの中で取り上げているのは記憶にないです。

 また、反派の宦官秦鸞が自分は宦官だから差別されているという意識を強烈にもっていて、私室で髭を張り付けている姿には、ただ哀れを感じるだけではない、彼のここまでの人生を考えずにはいられませんでした。

 そして、主人公は実は楚平たちがこっそり連れ帰ってきた棺の中で死んだ母から生まれた子どもであったということが明らかにされます。当然役所に知られたら大ごとなのです。しかし、そういう状況で生まれた子が親元で歓迎されるはずもない、それではかわいそうだとずっと本人にも黙ってきた一族。

 

 探案ドラマとしては、腕利きの検死官楚楚、抜群の推理力を誇る安郡王蕭瑾瑜、彼と共に育ってきて現在は最良の協力者である景翊、もう一人の幼馴染で優れた武芸を持つ冷月、安郡王の護衛呉江たちで構成する捜査チームが活躍。同時に楚楚と蕭瑾瑜のロマンスも進行しそうです。

 個々の事件の背景に大きな企みが隠されているというのは中華ミステリにはよくあるパタンですが、今回もそういう方向のようです。

 黔州で進んでいる贋金作り、宦官勢力を削減しようとする皇帝の計略、宮廷の高官たちそれぞれの思惑、宦官たちの暗躍とこれからに向けてたくさんのミステリ要素が出てきています。

 

 主役陣もあまりなじみのある人はいないのですが、キャラと配役がよくマッチしている感じで悪くないです。主役の楚楚を演じる蘇暁彤は、「大宋少年志」で自己肯定感の低い渤海の公主を演じてましたが、今回は逆に自分の技術には大きな自信を持っています。

 蕭瑾瑜の王子奇、景翊の楊廷東、冷月の趙尭珂とそれぞれ数本のドラマに出ているそうですが、私はすべて未見か覚えがないキャラでした。

 

 今回のドラマ、けたたましいキャラがいないのが私にはとっても好ましいです。息子が安郡王に巻き込まれて危険な目にあったりしないかと常に目を光らせている感じの景翊の母あたりにそっち方面の危険を感じないでもないですが、まあ出番少ないし・・・許容範囲。

 同じようなパタンで楚楚に当たるキャラが理不尽にけたたましく登場するドラマはいやというほど見てきたんで新鮮でもあります。

 いろいろ先の展開が楽しみな作品です。

玉昭令 その3

23~32集(一応大結局?)

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 見終わりました。と言っても、またしても「ここで終わるか!」なんで、クリアしたと言う感じはありません。噂では5月10日には第2季がもう出てくるそうなので、号泣せずにすみそうです。

 ドラマの長さ制限が出てから、本来一続きのドラマなのに第2季に分けるというパタンがたくさん。「大軍師司馬懿之軍師聯盟」と「大軍師司馬懿之虎嘯龍吟」のように上手に分けたのもありますけど、「青雲志」のようにアンバランスな分け方をした上になお「ここで終わるか!」案件なのも少なくない。中には「うまいことやったな~」と感心した「天意」と「天意超能編」のようなのもありますけどね~
 さらに悪いのは第2季にいろいろ積み残して視聴者の感心引きずったうえで、待てど暮らせど第2季の影も形も見えてこない。個人的には「七剣下天下」以来、どれだけ痛い目にあってきたことか・・・

 と、本作とはあまり関係のない泣き言でスタート。

 

 何としても端木翠を自分のものにしたい温孤は幽王となってすべてを犠牲にしても思いを遂げようと瘟疫之雨を降らせる。これを阻止しようとする江文卿率いる啓封府の一同。もちろん最終決戦は、端木・展顔vs温孤ということになります。これになんかウザいだけの天界のなんとか神もろもろがえらいこっちゃなんとかしないと~と楊鑑を急き立てます。このドラマの天界はまたことさらにレベルが低い💦

 どうにか温孤を倒して疫病を防いだものの、端木は封じられていた記憶を甦らせ、千年前の因縁にケリをつけようと崇城大戦の戦場へと向かう。これを追う展顔。

 この戦いで端木営を率いていた彼女は当時の婚約者であった毂阊や将士たちが全滅してしまったのは自分のせいだという後悔の思いをずっと抱いています。

 さらに江文卿までが密かについていきます。江文卿は千年前世界では楊鑑や端木の義父江易で封神を行ったのですが、その時に自分は神とならなかった。つまり姜子牙のパタン。ところが今疫病に苦しむ啓封の人々を前に手をつかねている神仙たちに嫌気がさし、もう一度封神をやり直そうとしています。

 こうして舞台は千年前の崇城へと移ります。そこには端木も楊鑑も丞相江易の義子で将軍として存在。幽族の王の子でありながら母が人間だと差別された温孤も幽族を捨てて端木の軍に、温孤を慕う紅鸞も温孤を見守っています。

 そこにやってきた端木は千年前の自分に同化して存在しているのは一人、元々その時代にはいなかった展顔はタイムリミット付きで実体として出現、ややこしいのは江易とは別にもう一人の人間として出現した江文卿、顔を見せられないので変装して江易の軍にもぐりこみます。
 この3パタンが同時に出てくるというのもちょっと珍しい気がします。ようするに「若曦パタン」と「項小龍パタン」「易小川パタン」が同居?


 端木翠の父親が率いていた端木営は男たちが全滅し、残された女性たちが大活躍しています。これが気に食わず、何かというとすぐに結婚して自分の軍と合体させようという彼女の親の決めた婚約者毂阊、女性を軽視し嫌がらせや差別的言動を繰り返す高伯蹇たち。これに屈することない凛とした端木翠が酷です。

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 端木は幽族のスパイを展顔や温孤の力を借りて探し出し、裏切り者を始末。幽族の安邑城攻撃の兵権を委ねられた端木に、展顔は新しい兵器を提案し副将として側にいることになる。

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 しかし、端木が安邑攻撃の総司令となることに不満な高伯蹇は兵器庫を焼き討ちするとか滅茶苦茶だし、毂阊は将軍としての能力の高い端木に嫉妬むき出し、早く結婚して押さえつけようとしているのが見え見え。そんなところに出現した展顔、千年前の世界の端木は彼のことを覚えていませんが、次第に記憶がよみがえってきている様子。


 本来存在していない世界に無理に割り込んでいる展顔はそろそろ体が透明化してきています。

 彼らの知らないところで、今度こそ封神をうまくやるぞ!自分も神仙になるぞと江易の行動に目を光らせている江文卿。

 

 という状況で、安邑城攻撃が始まろうというところまで来て、第1季終了。ちゃんと第2季の制作も終わっているようなので安心していいんですよね?

 新しく見始めた「御賜小件作」もそうなんですが、普通にドラマの中で職業差別や女性差別をきちんと取り上げているのはよいことだと思います。差別の醜さを見ることで、考える機会になるはずです。

 

 演員的な話題は第2季終了してからにしようと思いますが、二つだけ。

 主人公義父で登場した謝君豪、やっぱりただの顔出しではなかったようです。一人二役とかご苦労様ですが、見ている方は楽しいです。

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 もう一人端木翠の器の小さい婚約者毂阊の陳迅。そもそも端木営の男たちが全滅してしまったのは彼と高伯蹇の嫉妬と無能のせいなんですが、このしょうもない男を演じている陳迅は2018年の東方小鮮肉版笑傲江湖?の林平之を演じた人。無理に髭だのなんだのマッチョメイクしてると、こいつも自宮した後無理やりごまかしているか~と見えてしまうのに苦笑してしまった。

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 スタート時点とはずいぶん違うドラマになってしまったのは、これも中華ドラマあるあるの一つですね。

 さあ、これで本当に10日に出てくるかどうか次第となりました。

 おまけ:この展顔の刀の巨闕剣の持ち方?、めっちゃはた迷惑な気がするんですがね~ 体と並行に腰につけるって見た記憶がない・・・

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武当一剣 その4

33~39集(大結局)

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 全39集でした。さっさと時間作って見終わりました。やっぱり武侠ドラマだとモチベーションが違います。多少、脚本がアレでも、俳優陣がナニでも、あれやこれや突っ込みどころがあっても、武侠ドラマだからしゃーないか~と苦笑してスルーしてしまうのですよ。なんというかできの悪い子ほどかわいいとか、痘痕も靨というか、贔屓の引き倒しというか~ま、そういうもんです。


 今回視聴分は大結局に向けて、主人公たちの仇討ち、武当山奪還、我こそ天下第一剣というような話と、金と内通している魏忠賢とその手下の企み、武当山を手始め一気に明を倒そうという努尔哈赤というような史実も絡ませての話が派手に展開しました。
 その割にはなんか地味な感じがするのがこのドラマの特徴かもしれない。


 魏忠賢に牟滄浪に変わって武当派掌門になれと言われて大砲まで引っ張って乗り込んできた裏切り者無量と錦衣衛、武当山を占拠している牟滄浪一派と彼に従わされている元々の武当派一同がまず戦いの火ぶたを切る。
 一騎打ちを言い出す牟滄浪に対して大砲を打ち込む無量の軍。

 その様子を見ているのが、努尔哈赤の命で武当山を壊滅させようとやってきた金鼎和たち金軍と30年来武当山に潜入していた仮面の人物たち。

 そして、武当山の危機を知って駆け付ける耿玉京と鄭巧儿たち。水霊が拉致されたと聞いて駆けつける東方亮。崑崙山からは西門燕と牟一羽もやってくる。神農架の人々も水霊を救え!と乗り出してくる。

 

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 こうして武当山を舞台に大砲どんどん、あっちこっちでちゃんちゃんばらばらと戦いが展開。

 最終決戦は金頂で行われましたが、さすがにここはセット組んでます。他はまた武当山各地を使ってのロケでテンション上がりました。

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 武当山の地下に隠された地下道があったり秘伝書なんかが隠されていたりというのはまあお約束ですが、南岩宮の下に入り口が!とか実際の風景につなげられるとなんかうれしい。


 金頂での戦いで金の勢力を排除することに成功した耿玉京たちは皇帝から「この前はごめんね~」という勅旨をゲットしてひと段落。

 でも父の仇の仮面男に逃げられた耿玉京は巧儿と共に遼東へと向かう。そこで、今にも明攻撃に出陣しようという努尔哈赤と出会います。

 

 さて・・・
 もちろん話はフィクションなんで、努尔哈赤の腹心が武当山に長年潜入していても、敵討ちに乗り込まれてもいいわけですが、さすがにし放題というわけにはいかない。

 今回のひときわ憎たらしい魏忠賢でも、喉元に剣を突き付けるあたりまでが限界でしょうか?

 ドラマ的には魏忠賢の首をとって、耿玉京が努尔哈赤と刺し違えて金を後退させるとか言う展開にできるといいんでしょうが・・・
 それでも仮面男を倒し、努尔哈赤にも傷を負わせたらしいところまでは描写されました。そういう耿玉京を中原に帰らせる努尔哈赤がやはり器の大きさを見せています。しかし、この傷が?とか想像するのは自由ですものね。

 

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 最後の武当山での戦いは東方亮とか耿玉京たちの武芸者たちの戦い、集団戦の他に、神農架の村人たちと鄭巧儿の蜜蜂作戦が展開、バラエティもあって楽しめました。

 武当山が元の姿を取り戻した後、遼東から戻ってくる耿玉京と鄭巧儿のほか、それぞれのその後が描かれ、きちんとエンドマークが付けられていたのはよかったです。

 

 このドラマ、制作されてから4年経つのですが、残念ながらこの間ブレークした出演者はいないようです。耿玉京の于非凡を初め、若者グループはやっぱりちょっと力こぶ入り過ぎとは思います。それでも、チャラチャラした感じとかフワフワした感じではなく質実剛健でいいじゃないかと思ってしまうのが贔屓の引き倒しということかもしれませんw

 変身後の東方亮が薬物中毒のような演出になっていて、走火入魔すれすれの描写にはこういうものありかなと思いました。

 彼は武芸にすべてをささげて「天下第一」だけを目指してきた。耿玉京は元からの資質もあって割に苦労なく秘伝書を手に入れたり、武芸を授けられたりしています。この二人とその恋人たちを対比した演出も悪くなかったです。東方亮にとっては生きる価値である「天下第一」も耿玉京には意味がないという皮肉。

 東方亮の最後のシーン、剣に取りつかれた人間の末路としてこういうのもありでしょうか?

 主要キャラの中で、一番愚かで一番危なっかしかった東方亮、実は一番注目キャラでした。冒頭武当山に腕比べを求めて登場した彼が、最後に圧倒的な武芸者となった玉京に挑戦するとか、最後の最後まで彼が「武痴」であったのは悪くはなかった。うん。彼の場合ほんとにアレな子ほどかわいい的なものが働いてますw

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 原作は読んでないけど、善悪、正邪、彼我の垣根が曖昧なのはいかにも梁羽生の武侠らしいなと思いながら、視聴終了しました。金の軍勢が近づく中、武当派掌門の座を奪おうという武当山道長の無量と、武当山を中心に武林を統一して守るために手段を選ばぬという牟滄浪のどっちが邪悪でしょうね~

 

 何よりたくさん武当山風景が見られたのが眼福でした。おいおい~~と言いたいことはいろいろあるけど、その整合性のなさも雑駁さもあれこれ含めて、武侠ドラマを楽しんでるという満足感が得られたので、それでもう十分です。

 ただどうしても残念だったのが、最後の決戦シーンの耿玉京の武当剣法のなんかぎこちない感じ。「倚天屠龍記」で于承恵が見せてくれた流れるような美しさと比べたりはしないけど鄧超や蘇有朋とかの方がよかったな~と全く武芸をしない人間も偉そうに言っちゃっていいですか?

 

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演 員     角 色
于非凡  飾  耿玉京
柴碧云  飾  郑巧儿
周 航  飾  东方亮
孙佳雨  飾  蓝水灵
马晓伟  飾  无相
杨 猛  飾  郑铁岗 
宋佳伦  飾  戈振军
威力斯  飾  耿京士
姜宏波  飾  西门夫人
单思涵  飾  牟一羽
林伊婷  飾  西门燕
翁 虹  飾  常五娘
栾浚威  飾  唐二
傅 颖  飾  何玉燕
王 鹏  飾  孙云鹤
刘伟明  飾  无量
王德顺  飾  无极
须腾正裕 飾  黑衣人
敖海林  飾  莫昆大侠

職 員
制作人  孟凡耀
原 著  梁羽生
導 演  路奇
編 劇  崔法光、路武楠

武当一剣 その3

21~32集

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 さすが武侠ドラマwwwという展開がたて続いた今回視聴分。こういうトンデモ展開というかありえな~~いな展開なのに、「うん、あるあるだよね。武侠ドラマだものね~」と妙に納得してしまう武侠迷視聴者が一人ここにいます。

 崑崙山に攻め込んできた牟一羽と謎の黒づくめの仮面男たちを相手に防戦に努める西門燕たち。その一方で耿玉京は東方亮や巧儿の力も借りて、剣塚から七星剣を取り出すことに成功する。

 仮面男と戦って慧可が落命。

 西門夫人は牟一羽がかつて牟滄浪との間にできた自分の息子だと気づく。

 すると牟一羽は急転直下「娘~」となって、髭も落として「これからの人生は母と共に生きる」と宣言。あまりにも見事な変わり身に笑うしかなかった・・・

で、変身前と変身後

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 戦いの中で川に落ちた東方亮と藍水霊の二人、重傷を負って意識を回復しない東方亮を必死で水から引き上げ介抱する水霊。なんかこのドラマ、ボロボロ衣装が妙にリアル。

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 こうして二人で苦労しているうちに東方亮は剣を捨てて、水霊と共に暮らそうという気持ちになる。

 

 苦労の末に水霊の住んでいた神農架の家に戻ってきた二人は村人にも歓迎され、新たに生活を始めようとしている。そこへ突然東方亮の父親東方暁が出現、剣を捨てようという息子を無理やりに剣の道に引き戻そうとする。水霊との暮らしを望む息子の見てる前で崖から身を投げ、息子が跡継ぎの道を選ぶしかないようにする。しかし、この剣法、ほとんど辟邪剣譜のようで・・・姿を消した東方亮を探す水霊が武当山の師父から聞いたのは「自宮」・・・これで彼女は出家を決意します。
 しかしですね~息子に剣を習得させるために自宮させて、それでこれで跡継ぎができたってのなんかおかしくないか?まあそういうことがわからないのは武侠ドラマあるあるですw
 洞窟で一人修業に励む東方亮、えらい変身ぶりですw

で、また変身前と変身後w

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 こちらとは別に両親の死の真実を知ろうと遼東に向かった耿玉京と鄭巧儿。途中で知り合った商人の蘇勒と同行することになる。大商人らしい蘇勒だが、実はこれがお忍びの努尔哈赤。

 彼は耿玉京の目的も正体も知ったうえで、彼を篭絡しようとしています。耿玉京の方は鄭巧儿祖父とも合流、努尔哈赤の近くに接近していこうと計画。しばらくは蘇勒をいいおじさんとしか思っていない耿玉京がいつ彼の正体に気づくのかというドキドキ展開が設定されてました。

 でも、そんなことより努尔哈赤の護衛集団凌雪閣の金鼎和の元で頭角を現していく玉京がすっかり落ち着いた切れ者の指導者になってしまってるのが笑えてしまう。髪の毛もしっかりきれいになったし、もうすっかり一人前ですかw

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 刺客に襲われた努尔哈赤を助けたことで、彼の正体を知った玉京ですが、努尔哈赤は名君ではないかと言い出し、鄭鉄崗の怒りを買っています。玉京も間違ってはいないんですけどね~

 すっかり努尔哈赤のお気に入りで刺客を放ったものの探索を任されるなど、漢人だけど重臣という立場になって忠誠を誓っています。ところがその刺客を送った詹王一族を皆殺しにした努尔哈赤にドン引きした上に、刺客として囚われた熊廷弼が明の守将だと鄭鉄崗から聞かされた玉京は、努尔哈赤と決別することを決意。熊廷弼を救出します。

 

 と、梁羽生原作なんですが、なんだか金庸味を感じる今回視聴分でした。

 「笑傲江湖」の自宮ネタもそうだし、この玉京の揺れなんかは「射鵰英雄伝」での成吉思汗と宋の間で板挟みになった郭靖の苦悩を簡略化したようにも見えるんです。梁羽生の原作を読んでないんで何とも言えないんですけど、原作準拠なんでしょうか?

 また中原へと戻っていく玉京たち、努尔哈赤の率いる後金と明の戦いも一触即発というところまで来たようです。水霊と東方亮が玉京から預かった武当山の秘宝が隕鉄だと見抜いた刀鍛冶の達人がそれを剣に錬成していますが、その剣の今後も気になるところ。

 このドラマ全39集と全42集と配信回数が二種類あって、さて、私の見てるのは何集で終わるんだろ?いずれにしても次回更新は大結局までになるはずです。武侠ドラマ見たという満足感でクリアできるといいな~「続きどうした!」だけは勘弁してほしい今日この頃💦

 

 しかし、このドラマの辮髪はいいわ~

 この剃ったところの髪の毛が伸びてるのがなんともいえないです。

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唐人街探案3

唐人街探案3 やっと来た!

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 やっと見られた!
 待つ身は長かった~~感涙

 本来なら去年の春節に大陸で公開されて、4月ごろにはネット配信もされて、私も見られてたはずの唐人街探案3。

 去年の初めにはドラマ版の唐人街探案も配信されて、それも見て、映画の1と2もちゃんと見直して、準備万端待ち構えてた私のショックがわかってもらえますよね~

 いや~長い一年でした。COVID-19が恨めしい・・・悔しいので去年の海報w


 この映画、もちろん単体で見てもすごく面白いのですが、できたら映画の1と2、それにできればドラマも見てから観賞した方がさらに楽しい。それだけはお話ししておかねば!と腕まくりしています。

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 さて、ドラマは、もとい映画は唐人街探案2のニューヨーク編からダイレクトにつながっています。ニューヨーク編に登場してきた日本人探偵の野田昊に招かれた唐仁と秦風の二人が東京にやってきて大活躍するという展開。

 陳思誠が脚本も書き、監督もしています。彼の作品は思い切り笑って、思いっきりアクションも楽しんで、そこにきちんと精密にミステリ要素が組み込まれ、しかもずっしり来ると言ういくつもの表情をもっているのが特徴だと思います。今回もそういう彼の作品の良さが十分に発揮され、しかも日本でロケがされているというおまけつき。これを楽しまずにどうします?

 

 日本についた唐人と秦風は野田昊に迎えられます。日本で起こった日本人系黒社会のボス渡辺勝が東南アジア系黒社会のボス蘇察維を殺したと逮捕された事件、その当人が犯人は自分ではない、裁判までに真犯人を見つけてくれと彼らを雇ったのです。ところがこの事件、完全な密室状態で犯人は彼しかありえない状況。この謎に秦風がどう挑むのか?

 

 そして殺された側が雇ったのがタイの探偵ジャック・ジャー。この彼を加えた4人が、協力して真相を探ろうとします。

 そこに蘇察維の秘書小林杏奈が謎の人物に誘拐され、彼女を助けるために東京中を駆け回る4人。

 そして、見えてきたのは・・・

 

 ミステリのネタ晴らしは人間のすることではないと思っているので、この続きはご自分でご覧になっていただきたいと思います。

 

 探偵組にはいつもの王宝強の唐仁、劉昊然の秦風、妻夫木聡の野田昊に加えて、トニー・ジャーがジャック・ジャーを演じています。

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 そして日本での事件なので、日本人俳優もたくさん。黒社会のボス渡辺勝に三浦友和小林杏奈長澤まさみ、指名手配犯に染谷将太、警察の田中直己に浅野忠信、ボスの配下に六平直政、裁判長に鈴木保奈美らが参加。いずれも中国でも人気があったり、中国の映画に参加していて大陸でもなじみのある俳優ですね。

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 彼らが中国語を話す場面はほとんどなくて、自動翻訳イヤホンみたいなのが登場して、それぞれ自国の言葉でバリアフリーに会話しています。中国語、英語、タイ語、日本語とばらばらな言語が飛び交うのもこのシリーズらしくていいです。これまでもそうだったんですが、めんどくさくなって機械持ち込んだかw


 それに日本語の台詞にまったく外国語からの翻訳感がない。中華ドラマや海外の映画でよく出てくるなんかへんな日本語ではない、というようなレベルではなく、日本映画として公開しても十分に通じるレベル。そりゃこれだけの俳優そろえたんだから、なんちゃって日本語では済まないですはず。なので、安心して日本でも公開してくださいね~

 

 もう一つ、個人的に楽しみにしていたのは映画の日本ロケが行われたときにたくさんの友人知人がエキストラで参加していたことなんです。せっせと「知ってる顔」探しの真っ最中w
 再度申し上げておきますが、私は参加してませんからね~

 でも、これも楽しいですよ~ 

 

 コミカルな場面も、王宝強の功夫もたっぷり楽しみ、ミステリ部分にも満足、そしてこれまでの映画のキャラやドラマのキャラがそのまま登場して、これは第4作への伏線?という楽しみもできました。
 長く待っただけのかいは十分ありました。大満足~

 

演員       角色
王宝强   飾  唐仁
刘昊然   飾  秦风
妻夫木聪  飾  野田昊
托尼贾   飾  杰克贾
长泽雅美  飾  小林杏奈
染谷将太  飾  村田昭
铃木保奈美 飾  川村芳子
浅野忠信  飾  田中直己
三浦友和  飾  渡边胜
尚语贤   飾  KIKO
肖 央   飾  宋义
张子枫   飾  思诺
邱 泽   飾  林默
张钧甯   飾  IVY
陈哲远   飾  野田昊二
程 潇   飾  陆菁菁
马伯骞   飾  山本佑太
李明轩   飾  柳风
崔雨鑫   飾  程天顺
文咏珊   飾  林奈
六平直政  飾  切手指黑帮
宇治清高  飾  警察
长井短   飾  女护士
桥本爱实  飾  和服侍者
刘德华   飾  老大
奥田瑛二  飾  渡边胜父亲
张一白   飾  绥化老乡

 

職員
制作人  尚娜、孙陶、岳翔
導 演  陈思诚
編 劇  陈思诚、张淳、刘吾驷、周珍妮、严以宁、徐子豪
美術設計 李淼
動作指導 伍刚
造型設計 张世杰
視覚特效 许明军