1~12集(全)
ちょっと古装劇が続いたところに、新作が「歓楽英雄之小侠外伝」を除くとどれもなんか似たような感じで今一つ萌えないので、全く違うニュアンスの現代ミステリを覗いてみました。
中身はめちゃくちゃ寒そうな牡丹江で撮影したという警察ものです。
なんかこう、中国産ミステリには「厳寒の地」というジャンルがあるんじゃないかと勘ぐっている今日この頃。
中華サイトに「また東北人が死んだ」というのを見つけて、吹き出してしまいました。みんな同じこと思ってるんですねw
冒頭、瀾河という小さな都市で3人が殺されるという大事件が発生、街全体が騒然となる中、刑警の大隊長関宇は部下たちを率いて捜査に乗り出します。
殺害されたのが、この街一番の金持ちで権力者の厳紅橋、それに彼の愛人だったと思われる10代の少女陳小明、保安係らしい男性の三人だが、それぞれに銃による殺害、窓から投身自殺、刃物による殺害と異なる状況で命を失っているという状況で捜査は困難を極める。
それでも捜査線上に浮かんだのが、二か月前に出所したばかりの楊四、被害者のうちの二人との交流が深かった楊四の継子楊雪松と厳紅橋の離婚した妻で企業家の王萍の三人。しかし、捜査を進めるうちに彼らの過去と現在の事件、人間関係が絡み、さらには新たな容疑者も浮かんできて、捜査陣は振り回される。
被害者や容疑者たちの過去を調べていくと現在とは違う彼らの姿が見えてくる。
王萍は、両親を失い親戚から勝手に大学入学を取り消され、職場でないがしろにされという悔しさと憤りを抱えて、必死にのし上がってきた。楊四は息子の命を助ける手術に必要な金を手に入れるために、服役することになってしまった。
彼らだけでなく、捜査を指揮する関宇もかつては結婚し、妻の家族とも楽しくやっていたが、兄の死について警察の出した結論に納得がいかない妻と別れることになってしまい、今は一人で暮らしている。
主にこの三人の過去と現在を交差させながら、街の開発を巡る利権問題も絡めて、ドラマが展開します。何しろ小さな町が舞台なので、被害者も捜査関係者もその身内たちも濃密な人間関係を持っている中で、次々と事件が起こります。
このドラマも冒頭の事件が起こった2005年12月24日を起点に、1990年に飛んだり、事件2日前とか1時間前とか小刻みに時間を行ったり来たりするパタン。主要なキャラは現在の配役と過去の若い時代を演じる配役のダブルキャスト、ということはしっかり顔を覚えないといけないキャラが二倍・・・
王萍のやり場のない憤りから来る「今に見てろ」、楊四の「息子こそが生きる糧」、関宇の「仕事と街から離れられない」などというそれぞれの抱えるものが交錯していくのですが、正直ミステリとしては今一つ。サスペンスとしては、まあまあというところ。よく似た設定の「漫長的季節」のピリピリしたドラマ展開には及ばないかな?というのが正直な感想です。
けど、関宇の陳健斌、楊四の胡軍の演技はたっぷり楽しめたし、王萍の鄧家佳のこじれた悪女演技ももはや持ちネタの域に入ったような感がありました。胡軍のこういう役もちょっと珍しいんじゃないでしょうか?
リアタイからはちょっと遅れたけど、それを見るだけでも見た甲斐はありました。
しかし、このX劇場のシリーズ、なかなか見ごたえのある作品が多いのですが、長さがばらばらなのは何とかしてほしいものです。今回は1時間前後を中心に50分から1時間20分のまでが混在していて、こっちの見通しつける方がよほどミステリでした。
演 員 角色
陈建斌 飾 关宇
胡 军 飾 杨四
邓家佳 飾 王萍
史 策 飾 周琪
路 宏 飾 廖元
陈靖可 飾 钟意
邢佳栋 飾 严红桥
姜宏波 飾 严红梅
林 潇 飾 金珠花
侯长荣 飾 陶京山
张逗逗 飾 谢小英
于 洋 飾 冯根
冯秦川 飾 麻晓静
赵 健 飾 林祥
王广源 飾 杨雪松
杜星奇 飾 徐长庆
杨雨潼 飾 陈小明
邹德江 飾 大老赵
耿艺展 飾 王山
出品人 孙忠怀、周学胜
制作人 李尔云、赵文竹
监 制 王娟、陈红涛
导 演 臧溪川
编 剧 王小泉(总编剧)、杨国良(原创编剧)
配 乐 郭思达
美术设计 班伟祯
动作指导 骆成