江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

ならべてみました

イメージ 1

昨日の続きです

暇に任せて、昨日の画像を探してみました。どうしても、一屋哨牙鬼だけが画像が見つからない。
でも、こんなことをしている自分が・・・情けない。

で、柳三変。林志穎迷の視点からだけでなく、冷静にみるとすごくつらい物語なんだと思った。暗いのも無理ないか。
大仏寺の修行を終えた柳三変は、文武両道向うところ敵なく、美女たちにはもてもて、義兄弟となる親友もでき、その上家は名門ときて、なんにもあきらめるという必要がない人だったはず。
その彼が、唐の遺臣の子というだけで科挙にしくじり、恋人の楚楚と駆け落ちすれば自分が唐の遺臣の子ではなく唐の皇帝の孫だということがわかって、恋人をあきらめる。それで、「主上」として遺臣たちを率いる覚悟を決めたかと思うと自分の上に皇帝の息子の后がいて、これも思うようにならない、やっと宋の太子と計らって唐の埋蔵金を引き渡すことを条件に父親を解放させたものの、その代償として自分を救ってくれた別の女性を死なせてしまう。宋と協力して西夏を中原から追い払おうとして、はなはだしくプライドを傷つけられ、その上自分を助けてくれた西夏の公主を死なせてしまう。もうめちゃくちゃ落ち込んで、やっと立ち直って、唐の復国は人々のためにならないと、宋の人間として生きる決意をして、唐の復国をあきらめる。科挙にトップ合格して、いっしょに宋をいい国にしようと約束しあった新皇帝の元へ行くと、お前の父親たちが謀反の準備をしていると問い詰められ、政治家として生きる道をあきらめる。その上、今度は楚楚が自分の異母兄妹とわかる。前以上にめちゃくちゃに落ち込んで、出家して世を捨てようとするとそれもできずにあきらめる。それでも読経三昧していると、こんどは父親が本当はお前は自分の子だとこれまでとはまったく逆を告げる。(ほんとうはどうなんだ?)宋との戦いになると自分のこれまでのスタンスを捨てて、まあ死ぬ気で反乱軍のトップに立つ。戦いの中で、父やほかの唐の遺臣たちは次々と死に、今度は楚楚が自分と宋の皇帝の間で自分をかばって死ぬ。宋軍に囲まれて死を覚悟すると、唐の皇帝の残したよろいから「戦いはだめだ、民を苦しめる」というような遺書が出てくる。しかも、自分は皇帝から楚楚との約束と無罪放免される。
これくらい次々と裏目裏目に人生が展開していくと詩を書いて世を捨てるしかないだろうと納得するしかない・・・どかんと人生最大のショックが一度に降りかかったけど、一応恋も人生も実った段譽くんとちがって、これでもかこれでもかと不幸と裏切りに見舞われる柳三変って・・・こんな不運と不幸の嵐が続く柳三変にずっとついていった虫虫もすごい。
二人が最後に小舟に乗って、河を下っていくシーン、二人とももうからっぽ、人生になんにも期待も夢もありません。すべてあきらめました。残っているのはお互いだけというラスト。あれだけ前途洋洋、明朗闊達な若者が政治や権力の争いに翻弄され、人生をめちゃくちゃにされてしまう。本当に、救いがないくらいつらく暗いわけです。救いがあるとすれば、虫虫がいつまでも落ち込んでいるような人ではなさそうだということくらい・・・
林志穎迷でなくても、なかなか見ごたえのある作品でもあったわけです。出てたからよりいいわけですが。