1~18集
これで4人目の秦明を見ることになりました。今度の秦明は「琅琊榜」の列戦英で注目の張雨軒。ドラマでいくと張若昀、劉冬沁、経超で今度が張雨軒。
原作は今BSで放送中の張若昀版が「第十一根手指」、劉冬沁版が「清道夫」、経超版が「幸存者」、張雨剣版が「無声的証詞」とそれぞれ違うのですが、同じシリーズの同じ主人公を演じているとはちょっと思えないくらいのバラエティがあります。
実はもう一つ羅雲熙が秦明、江奇霖が林涛で周奇奇も共演する「屍語者」というのが4年くらい前にできてるはずなんですが、まだ出てない。なぜ?
同じ原作シリーズなんですが、それぞれがまるで雰囲気の違うドラマ。秦明が法医で過去に犯罪に巻き込まれてトラウマを抱えているくらいは共通してても、そのトラウマの中身もいろいろ。今回は子どものころに殺人現場を目撃したことが現在の彼に影響しています。原作は読んでないんでどうなっているんでしょうね?どれがオリジナルなのか不明。相棒が林涛というのも今回は女性警官の林当に変わってます。その代わり張若昀版では女性に変更されていた大宝が男性の部下に戻ってます。
猟奇的な事件を扱い、秦明たちが犯人を追うのは同じですが、こちらは張雨剣の秦明の硬軟落差のある演技や周雨彤の林当のコミカルなやり取りなどが目新しいでしょうか?
コミカルなやり取りと言うと張若昀版の秦明、林涛、大宝のトリオも楽しかったですが、こちらは秦明が張若昀版ほどではなくても潔癖症で口うるさい、人づきあいがへたというのに加えて、暴力を否定し運動が苦手、体力もないという設定。それに秦明は初めて龍番警察にやってきた新人。林当とも初めてです。この林当がまた極端におおざっぱで乱暴、この二人が互いに折り合いをつけていく過程も観点。秦明が自分の周りに作っていた障壁を徐々に崩していくあたりは他のバージョンでもありましたが、これが一番変容が大きいかもしれないです。
張雨剣の秦明は法医のはずなんですが、どうもメスを握っている時間より現場で捜査に当たってる時間、容疑者を尋問している時間が長くて、法医というよりCSI。秦明の謎を解いていくきりっとした凄腕の法医ぶりと犯人を追いかけても息が続かない体力のないところ、カップ麺の食べ方を知らなかったりする世間離れしたところ、林当たちとのやりとりで見せるちょっととぼけた表情や剽軽なところとかなかなか落差の大きいキャラです。でも、全体としてはかなり線の細い人物と言う感じを受けます。
ちなみに4作の中で一番大人だったのが経超版、子どもっぽく見えても実は違うのが張若昀版、大人に見せようとしているけど学生っぽく見えるのが劉冬沁版、今度のは子どもと大人が併存している感じでしょうか?
相棒の林当を演じる周雨彤は「大宋少年志」で女性を差別する時代にあらがう趙簡を演じてましたが、今回はそんな差別のない社会でのびのびと実力を発揮している女性を演じています。
中華ミステリのシリーズではいくつかの事件を解決しつつ、主人公自身に関わる事件や全部の事件につながる大きな事件を最後に持ってくるパタンがありますが、今回は最初から秦明自身が子どものころに関わった事件とどうやら失踪したらしい父親の存在が示されています。
今回は林当が女性なので、彼女との関係の変化。結婚をせかされた彼女に頼まれて両親向けに恋人のふりをしているうちに・・・というような話も展開しつつあるようです。ぶっちゃけ二人の恋バナなんか見たくはない・・・
ドラマ化されるたびに設定が変わっていても、「盗墓筆記」とは違ってそれぞれの独立度が高いので別ものとして見られるのは助かります。
原作ファンからはいろいろ不満が出ているようですが、先の展開がけっこう楽しみで優先度1で見ています。