1~10集
得福瓦舎という小劇場を舞台に次々騒動が起こるというストーリ展開の喜劇。郭徳網の監制、男性キャラはすべて徳雲社の面々というのに興味を惹かれます。元のタイトルは「徳雲瓦舎」。変更する前の「徳雲瓦舎」で検索する方がさっさとヒットしますw
設定的には「武林外伝」とか呉磊の「仙剣客餞」なんかに相通じるものがあります。
このドラマのオリジナルな点はその得福瓦舎で働いている若いのが宮廷を逃げ出してくる皇帝だというところです。
皇帝と言っても、年が若く、見習いのようなもの。太后には勉強勉強と追い立てられ、彼女と老臣たちに実権の全てを握られて、何一つ自由になることはなく悶々としている。自由と自己肯定感を求める彼が、宮廷から外界に通じる抜け道を見つけます。この抜け道を通って出たところが、得福瓦舎。
開店を間近にした得福瓦舎では、老板の白小青、魔術師の金可儿、楽師の辛抱恙たちが、目玉になるスター蘭陵を招こうとあれこれやっています。
そんなところにポッと現れた小皇帝は黄半斤と名乗って、ここで働くことになります。何をやっても失敗だらけで、白小青からは弁償分差っ引いて給料なし!と言われたり、金銭感覚が全くずれていたり、蘭陵の世話係を命じられこき使われたり。でも、何ごとにも一生懸命、楽し気にやってます。
得福瓦舎の面々もきついことを言いながらも、彼を見る目は温かい。
事情を知っているお付きの大監は、宮廷に皇帝がいないことをごまかすのに大汗かいてます。
市井の人々の暮らしを知る中で、この若い皇帝が成長していく話が一つの柱。
徳雲社のメンバーが男性キャラを演じていますが、皆さんキャラが濃い。白小青と金可儿の女性キャラを演じる俳優は徳雲社のメンバーではないですが、負けずに濃いキャラです。彼女たち二人以外の女性キャラもやはり徳雲社のメンバーとか。
残念ながら、迷子的にはドラマや映画ではお目にかかったことのない人ばかり。ですが、相声の演者としてはそれぞれ名が通っている方ばかりのようです。
何しろプロデューサーは郭徳網ですから、相声風味もたっぷりなんだと思われます。相声は何度か見たことがある程度なんで、そこらへんが今一つ哀しい。
「雪中悍刀行」と同様にドラマのまとめの役をする語りが入ってます。ここではドラマの初めにこれまでの話を整理して、さて、本日のお話は・・・というパタン。何しろ本職ですw
皇帝が3か月かかってやっと手にした一文銭を持ち出されてしまって、大慌てで探す話など、落語の人情噺に近いものを感じました。ただ、話全体はからっとした雰囲気。
多分どなたも見てらっしゃらないと思うのですが、私はこういうのも嫌いじゃないです。