1~36集(大結局)
2014~16年の「霊魂擺渡」3シリーズのリメイク。特徴的なのは中国、シンガポール、マレーシアの合作。オリジナルが20,20,12の計52集構成だったのを36集にまとめてあります。新しいエピソードは一つもなく、オリジナルをアレンジしています。
舞台がシンガポールに移って、配役も多くが現地の俳優さんということでまさに「南洋」の雰囲気がいっぱい。
ただどうしても、本家と比較しちゃうんですよね。もっとすっぱりとシンガポールにあうように改編してしまえばいいのに・・・と思わないでもない。
けど、脚本は原作者の小吉祥天のオリジナルからの改編だし、演出家の一人も前作の郭世民とか引き続いているスタッフもいて、ドラマとしてのまとまりはきちんとしています。
違和感があるのはやっぱり演員と世界観でしょうか?
今回の配役夏冬青が王冠逸。この人、「延禧攻略」の海蘭察で顔を見たことがある。もっともすぐに撤退したから、印象は薄い・・・
ご覧の通り、キアヌ・リーブスにどこか似てる立派な筋肉のイケメン。だけど、なんか夏冬青の雰囲気じゃないんですよね。孤児院で育った苦学生という設定には不向きだし、なんか世慣れすぎてる感じがする。シリーズを通して成長していった劉智揚版とは相当に違う感じ。
趙吏の戚王武はさほど違和感はなかったんですが、こっちは逆に若すぎ?それにやっぱりイケメンすぎる?
一番違和感があったのは小亜の金凱徳。
そう思うのは私だけではないようで、中華サイトでは「买萌だけで演技はない」とか酷評されていますがね~そうなった原因は俳優本人より、この小亜に「九天玄女」という「正体」がなくて、ただの人間だというところにありそうです。
オリジナルでは第2季から小亜ではなく、九天玄女として雰囲気も変えてストーリに登場してくるのがずっとただの学生のまま。夏冬青たちとの出会いはオリジナルと同じだったせいで、彼女も「鬼」を見ることができるようになったという設定をつけてます。でも、見えるだけではほぼ役立たず・・・わめいて、逃げて、足引っ張るだけの邪魔くさい一昔前のヒロインみたいになってます。
彼女のキャラの変更だけでなく、オリジナルの骨格を作っていた「山海経」要素がほとんどなくなってます。残ったのはあの世とこの世、冥界と生きてる人間の世界の二つだけ。
大結局には、豊臣秀吉を復活させようとする豪姫の陰謀エピソードが来るのはオリジナルと同じ。
なんですが、ここでも豪姫が小亜の心臓を手に入れようとする理由が「混血の娘の心臓が必要」というだけ、なら他でもいいんだよね・・・この背景には小亜が属する仙界の出来事が存在して、物語に広がりと複雑さを持たせていたんですが、全体にドラマ世界が矮小化してしまっているのが残念です。
オリジナルと比べなければ、それなりにきちんと終わってはいたんですが・・・一番の問題はちっとも怖くなかったってことですか。
こちらにも入っていた「五公子」のエピソード。宮沢賢治の「注文の多い料理店」のようなレストランが実際に営業していて、そこで起こる話を描いています。このドラマはほとんどオリジナルと同じ展開なのに、怖くない!話を知っていたから?
というか、なにか全体にタッチが明るいんですよね~五公子を演じていたオリジナル版の導演の一人巨興茂の不在が響いているんでしょうか?
このドラマ全編を通して、一番不気味な雰囲気を醸し出していたのは、実は「豪姫」からみのエピソードで繰り返し出てくる重々しい「五木の子守歌」、歌詞の意味を知ってるから余計なのか、これが何かを知らない海外の視聴者が見たらもっと不気味に感じるのかは微妙なところですが、オリジナルには出てこなかったと思うBGMです。
市松人形が不気味キャラとして出てくるのは納得なんですが、五月人形のムチムチした子ども鎧武者はちっとも怖くなくて苦笑しましたw
演 員 角色
王冠逸 飾 夏冬青
金凯德 飾 小亚
戚玉武 飾 赵吏
出品人 龚宇
制作人 陈潇总、薛鑫、
监 制 杨向华 、郭靖宇制、王晓晖
原 著 小吉祥天
导 演 谢敏洋、陈忆幼、霍志楷、郭世民
编 剧 小吉祥天、杨锡彬(总改编)
造型设计 罗婉仪、池欣德、 黄千倪
视觉特效 ALFRED SIM