江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

唐朝詭事録 その2

9~18集

 

 いや、これおもしろい。私の好みにドンピシャ。

 聊斎志異あたりを思い出させる事件、何か超自然的な力が働いているとしか見えない展開を快刀乱麻を断つが如く謎を解き明かしていく蘇無名と蘆凌風のチーム。

 直接「神探狄仁杰」を受け継いでいる続編ではないですが、そういう雰囲気を強く感じています。もちろん一度も登場しない狄仁杰が始終話題に出てくるせいでもあります。でも、それ以上にドラマ内で起こる事件のテイストとか主人公チームの立ち位置なんかが「神探狄仁杰」を思い起こさせるのです。「神探狄仁杰」のファンとしてはうれしい限りです。
 
 やっぱり私はこういうドラマ見てるのが居心地いいです。

 全36集の半分まで視聴。予定では「長安紅茶」「石橋図」「衆生堂」「黄梅殺」「甘棠駅怪談」「鼍神」「人麺花」「参天楼」の8エピソードがあるということですが、18集までで、「長安紅茶」「石橋図」「甘棠駅怪談」「黄梅殺」の4件の事件が取り上げられて、まずは順調な展開。

 

 舞台は長安から蘇無名が司馬として赴いた南州に移り、そこで起こったのが南州四子と称されるエリート文化人グループのメンバーが殺される事件。この南州四子、「山河令」の安吉四賢とは違って、鼻持ちならない。その一人で茶道に長けている鐘伯期で王勁松が登場しました。彼らにあこがれ、仲間になりたいと思いながら、商人なんか近寄るなと蔑まれている欧陽泉になんか懐かしい王九勝が出てきたのがうれしい。
 この欧陽泉が所蔵している石橋図に描かれている南州四子を含む人物が次々殺されていくという事件に赴任早々の蘇無名たちが挑むことになります。

 

 この事件についで、彼らが解決したのが、赴任する途中で立ち寄った甘棠駅で起こっている連続殺人事件。公にされていなかったこの事件をあばき、背後の黒幕を捕らえます。

 

 ついで、科挙に挑む挙人が妻と共に学んでいた仲間を殺したという「黄梅殺」の事件が起こります。こちらの挙人独孤遐叔で韓承羽が出てきました。彼は悪夢と現実の区別がなくなり、次第に正気を失っていきます。果たして、妻と仲間を殺したのは彼だったのか?

 こうした南州での活躍を認められたのか、官職から追放されたはずの蘆凌風に橘県の県令として赴任するようにという命が届く。そこで起こるのが「衆生堂」事件です。

 

 ドラマの冒頭では能力と武力はあっても、プライドが邪魔をしていた感のある蘆凌風が、蘇無名の推理と洞察力の前に徐々に彼に教えを乞うことを厭わないようになります。そうなると、彼はわりに素直に過ちを認め、実力を伸ばしている。南州の下級官吏として働くことも甘受できるようになり、周囲の人たちの距離感が縮んでいます。人間的にも成長していく蘆凌風が好ましいです。

 この蘆凌風に捜査のノウハウを教えている蘇無名は彼を鍛えてやれと指示されているのか、蘆凌風の長安追放は太子との計略があってのことなのかもちょっと気になるところ。

 とにかく、蘇無名と蘆凌風には裴喜君、費鶏師、薛環の三人が同行。この五人のチームで事件に取り組んできました。

 

 蘆凌風を意識している裴喜君は彼を追って家を出てきました。蘆凌風には長安に帰るように求められますが、蘇無名と義兄妹になることで彼らとともに南州に残留。優れた観察眼と絵師としての技量を持ち、捜査チームの一員として活躍。彼女と蘆凌風の間に恋愛感情が育っていくのでしょうが、べたつきもせず、ツンデレもせずに共に仕事を着々と果たしていくのがよいです。

 

 蘆凌風の命を助けたことから、彼に同行することになった神医の弟子費鶏師。治療代として毎日鶏一羽食べさせろと言う酒飲みですが、腕の立つ医師。

 

 もう一人の薛環は裴喜君についてきた裴家の下僕。少年ながら武芸の腕も立ち、機転が利く。彼は蘆凌風に弟子入りし、彼らと共に活躍。中の石悦安鑫は「三生三世十里桃花」で夜華の子ども時代を演じるとかあちこちのドラマで見かけましたが、もう一人前というところ。何か年齢的には、「琅琊榜」のころの呉磊くらいの感じでしょうか?武打シーンもがんばっていて、彼のこれからも楽しみです。

 

 蘆凌風が彼らや蘇無名の影響を受けて、一本調子のキャラからいい意味で緩みというかゆとりを持てるようになってきました。蘆凌風の成長記という一面もあるようです。個人的には、「射鵰英雄伝」以来少年ぽいところから始まるキャラのイメージを持っていた楊旭文がガチガチの武ばったキャラを演じているのも一興です。

 彼ら5人の関係の在り方や、会話も洒落が効いていて楽しいです。

 

 毎日2集ずつの更新で、結構忙しいんですが、負担には思わないというのは、楽しく見られているからでしょうね。でも、週後半には「飛狐外伝」やら「鬼吹灯之崑崙神宮」も更新されてくるんで、大変ですって、実は喜んでるw