江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

少年歌行 その3

21~30集

 

 たった10集分でも、ものすごく内容が盛りだくさんで場面も次々移り変わり、キャラも次々登場してもう一時も目が離せない。しかも、中身が薄くないってすごくないですか?
 
 今回視聴分では、まず蕭瑟の体を治せる仙人莫衣を探しに海に出ます。北离一の富豪沐家の三男沐春風と知り合い、彼の船で蓬莱へと向かいます。

 たどり着いた蓬莱で待っていたのは莫衣と唐蓮の師父で雪月城の大城主百里東君。莫衣を演じるのは何晨銘、最近「普通」のキャラが続いていましたが、久しぶりにこじれたキャラで楽しかったです。

 

 ここで葉若依と蕭瑟は莫衣の治療を受けて、一同は雪月城へと帰還します。

 

 そこへ届いたのは蕭瑟の父皇帝が病に倒れたという知らせ、蕭瑟は一人天啓に戻ることを決意します。

 誰にも告げず一人馬を走らせる蕭瑟、彼を討ちとるチャンスと待ち構える白王や赤王サイド、そうはさせるかと次々蕭瑟の後を追う雷無桀たち。

 

 一連のこの場面が見ごたえたっぷり。一人で天啓へ向かう蕭瑟だがもう戦えない公子ではない、司空千落は槍を構えて大軍を待ち構え、そこに葉若依が軍を率いてやってくる、雷無桀は戦いももちろん口でも相手を圧倒、蘭月候も軍を率いて現れる。それぞれの闘いの場面が個性的で見せ場たっぷり。


 例えば、竹林での戦いとか槍を構えた一人対大軍とかいうシチュエーションは、これまでにもたくさん見た覚えがあります。単騎かけていく蕭瑟のまわりに次々と仲間や軍勢が集まってくるというのは、琅琊榜之風起長林で長林王の旗を掲げて走る蕭平旌の元に次々と軍勢が終結してくる場面を思い出させます。

 そして、一人で暗河の前に立ちはだかった唐蓮の死を覚悟した闘いはモノクロにも思える画面作りが美しい。こういう色彩の使い方も目を楽しませてくれています。

 

 ドラマ全体を見ていて、あ、これはどっかで見たというエピソードや画面作りも少なくないんですが、お決りのパタンを多用しながら新鮮味を感じさせるというまれな成功例になっていると思います。

 ドラマ作り、武侠劇への理解姿勢の問題なんでしょうか? 「また、人の作品パクってる!」とむかつく作劇とか、低予算でやりきれなかったんだろうなと同情するしかないドラマのあれこれとかとは、全く違うように思います。

 

 そして、こんなにたくさんのお馴染みの映像や設定を重ねているのに、現時点でまで「崖落ち」が登場していないのが不思議な武侠迷。この際、「崖落ち」もしてくれないと、なんか落ち着かないw

 

 犠牲も出しながら、無事天啓に入った蕭瑟を迎えるのは、敵意に満ちた兄弟と彼の帰還を歓迎する蘭月候たちと対応に迷う朝廷の官吏たちやらなんやら。

 どうも皇帝と蕭瑟の関係は、大梁皇帝家ほど絶望的なものではないようで、蕭瑟は皇帝としての父の能力を認めています。

 

 蕭瑟は自分が天啓に戻ったというあいさつ代わりに大規模な宴を計画します。それは白王と赤王をはじめ、朝廷の大臣たち、富商、江湖の人間たちまで招いたものですが、白王と赤王の妨害で誰も参加しないのではないかと司空千落たちは心配しています。

 ところが、そこに沐春風に率いられた富商たちが現れ、朝廷のツートップ国師蘭月候と董太師が姿を見せたことで焦った官僚たちが現れ、無視を決め込んでいた白王と赤王も参加せざるを得なくなり、ついには床から起きられないはずの皇帝までが姿を見せます。

 この場を唐蓮への葬礼の場に変えた蕭瑟の意図は成功、天啓に彼が帰還したことを皆が思い知りました。
 こうして蕭瑟は天啓城の台風の目となりました。

 皇帝の座ね~と白けた感じでいる蕭瑟ですが、敵も味方も周囲は永安王蕭楚河の一挙手一投足から目が離せなくなっています。

 

 蕭瑟には衣装だの立ち位置だのだけでなく、梅長蘇味を感じます。とんでもない武功を秘めた梅長蘇って感じでしょうか? 

 

 一方で彼らとは別行動で天啓に入った無心は、生母宣妃の元を訪れます。彼と赤王は異父兄弟だったわけですが、その赤王に捕らえられ、薬人にされてしまいました。

 

 子どものころに視力を失った白王は、蕭瑟の友人小神医の治療を受けることになります。

 暗河と結んだ赤王がどんどん黒化している感じですが、白王のこれからはどうなるんでしょうかね?

 そして、赤王に囚われ薬人にされた無心の運命は!というところで、30集。

 残り10集ですが、まだまだ紆余曲折が嫌というほどありそうで楽しみです。