江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

奇門遁甲2

奇門遁甲

 

 2017年の徐克の作った映画「奇門遁甲」の後、その映画製作に関わったスタッフで作った2020年の「奇門遁甲」、今回のこの映画はそのまた続編という形になっています。

 徐克の映画は日本で多分出てなかったと思うのですが、2020年の賀鵬主演の映画は「バトル・オブ・ダンジア 魔獣大戦」というこれまた原題の見当がつかない邦題でテレビでも放送されています。

 

 三作は人間以外の存在が身近に存在している世界で平和な秩序を守ろうとする秘密組織「霧隠門」のメンバーの活躍を描いています。前二作では、邪悪な妖怪や化け物を相手に秘術を尽くして戦って、それぞれにこれからも霧隠門の仲間と共に世界を守っていくぞ・・・ということで終わっています。さて、今作は?

 

 今回の話は悪妖「天邪」が妖怪の国を作るために太歳の力を利用しようとしたが、その太歳が主人公の呉因にとりついてしまうというところから始まります。そのために太歳のとてつもない力を得た呉因は太歳にいいように操られ、天邪に狙われ、霧隠門の風小小に引っ張られるように霧隠門と共に天邪と戦うことになります。

 

 


 主人公の呉因には張暁晨、彼が「奇門遁甲」に主演すると聞いたときには「絶命卦師」とか「雪中悍刀行」が頭に浮かんで「さては道士の役?」と期待したのですが、ちょっと方向性が違いました。この呉因、うさん臭い算命先生で登場しましたが、とにかく多彩なキャラを持っていて、映画の進行と共に次々新しい顔を見せて登場してきます。彼にとりついた太歳が女性設定で、そういう演技は初めて見た気がしますが、それ以外はこれまでにドラマや映画で見せた様々なキャラの演技を結集したような感じで、さすがと思わせるものがありました。

 彼を霧隠門に誘う風小小には劉雅瑟。この俳優さん、初めて見たのは「仙剣雲之凡」ですが、最近では映画の方の出演が多いようで、甄子丹の「天龍八部之喬峯伝」では阿紫を演じていました。

 呉因と風小小のかかわりの変容を見ていくのもこの映画の見どころでした。

 

 もう一人、天邪を演じたのがあの劉暁慶。この方、「美魔女」で有名ですが、ただの「魔女」の役もこなすんだとなんかびっくりしました。そういや陳坤の「鬼吹灯之尋龍訣」でも・・・むにゃむにゃ。



 演員さんたちと並んで、映画の主役と言っていいのはほぼ全編にわたる派手なCGによる特殊効果。

 最近日本の某ドラマで背景との合成がうまくいってなくて人物が浮いてしまっているのを見て寂しくなっていましたが、その分まで取り返して満足。特に大作映画でもないふつうの网络电影でこれだけの画面を見せることができる。ただ、やっぱり五毛特効どころかそれ以下のもまだまだあるのも否定できないわけですが、五毛特効とか揶揄していたのは今は昔になっていきつつあるのかもしれません。

 その派手なCGの特殊効果に負けないだけの「押し出し」のある演員抜きでは、映画としてどうなの?という話にもなってしまいますから、バランスはもちろん大事。アクション方面ではちょっとCGに押されてる感じもしましたが、小気味よく展開していくストーリに満足して見終わりました。

 この調子で制作していけるなら、シリーズ化も歓迎できそうですが、はて?

 

演 員     角色

张晓晨  飾  吴因
刘雅瑟  飾  风小小
刘晓庆  飾  天邪

 

监制    项秋良、项河生
导演    项秋良、项河生
编剧 于奥