1~14集(全)
二日で全部見てしまいました。30分×14集とは言え、我ながらよくやるとは思うのですが、おもしろかったです。
これは中華ドラマに限らず、時間テーマSFの佳作じゃないでしょうか?
主人公の沈不言は歴史小説の人気作家、ある日老婦人から手に入れた割れた玉佩の力で1000年前にタイムワープします。そこは大晟国で、妖后として歴史に悪名を刻んでいる陸鳶が彼を迎える。この陸鳶、有能な丞相を殺し、皇帝が幼いのをいいことに政治を私して、自分は贅沢放題で国庫を空にするなど民衆の怨嗟の声を一身に集めていたというのが、沈不言が知っていた歴史的事実。
だが、実際に出会った陸鳶はとても妖后というキャラではなく、その上初めてであったはずの沈不言をずっと昔から知っていたような様子がする・・・それはなぜだ?というところから話が始まります。
タイムワープを繰り返す恋愛ドラマとか、過去にやってきた現代人が歴史を修正しようとする、あるいはそれを食い止めようとするなどというドラマは珍しくないです。
このドラマでも、沈不言は何度か現代と1000年前を行き来します。特徴的なのは、タイムワープをするたびにどんどん前の時間に遡って行ってしまうことです。過去に来るたびに、陸鳶たちとは出会います。少し前なら好都合なんですが数年前に行ってしまう。その時点の彼女たちは最初の出会いよりも前の若い時代、なんとか陸鳶を妖后と歴史に刻まれるような運命から解き放ちたいと思っても、どうしようもない・・・何しろ出会う度に経験を積み事情にも通じている沈不言に対して、陸鳶たちは経験も知識もない若者になっていくのです。
それをどう切り抜けるのか・・・気になったら、ドラマ見てくださいね~
低予算ドラマかと思いましたが、ロケにも出かけてるし、何より脚本がしっかりしていて、破綻がない。短い中にも、絶対に実ることのない恋愛関係の切なさも、国の運命をかけた敵国との争いも、命を懸けた戦いや権謀術策ドラマもちゃんと組み込まれていました。逆に短いからこそ、本筋の話に集中できたのかもしれません。
枝葉末節に関わっている余裕もなかったのかもw
それでも陸時と倚華のドラマもしっかりと描かれ、へたに水増しされた長いエピソードよりずっと密度がありました。長いから、すべてが悪いというわけじゃないですけどね~
女主1の陸鳶には張雅欽。「扶瑶」の雅蘭珠とか「少年游之一寸相思」の飛寇儿を演じていました。
沈不言には郭迦南、こちらは「山河令」の秦九霄が記憶に残ってます。余談ですが、この郭迦南、「山河令」では周子舒の替え身もしていたようですね。全然知らなかったw
男主2になる陸鳶の弟陸時の全伊倫、陸鳶の侍女で妹格の倚華には朱林雨、丞相李拥の庄翰とかこのあたりの面々にはなじみがないです。
少年将軍陸時が女性に見間違えられる優しい顔というので仮面をつけて戦いに臨むというのは、「蘭陵王」で大爆笑した「きれいなお姉さん」よりずっと説得力ありましたw
まあ、突っ込みどころも少なくはないんですが、笑ってスルーできるレベル。全体の構造はしっかりしているんで、ドラマ自体が突っ込みどころというようなことにはなってません。
このドラマ、中華サイトの評価でも8.5くらいのポイントを獲得しているそうですが、十分納得です。
主役陣の人気に頼ったドラマとは一線を画している感じで、新鮮味もあり刺激的でもあるドラマ世界を楽しめて満足です。
こういう予想外の拾い物にぶつかるのも中華ドラマ見ている楽しみの一つですね~
演 員 角色 配音
张雅钦 飾 陆鸢 段艺璇
郭迦南 飾 沈不言 杨天翔
朱林雨 飾 倚华 高一雪
全伊伦 飾 陆时 马正阳
庄 翰 飾 李拥 孙铭谦
黄靖洲 飾 元启皇帝 任京浩
淳于珊珊 飾 赵启龙 张树彬
庞 勇 飾 范松
王毅凡 飾 杨冲 刘峥
蒲熠星 飾 楚同裳 邵晨亮
徐崴罗 飾 少年楚同裳 周侗
导演 知竹
编剧 鹤唳云端、戴超超、三千鱼、崔嘻喜