江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

歓顔

1~18集(全)

 

 1930年、21歳の徐天は2歳の時に両親に連れられて移住した南洋から中国本土へと戻ってきた。彼には二つの目的があった。一つはずっと革命を支持していた一家が革命の資金にと集めた3本の金条を上海に届けること。もう一つは手紙のやりとししかしていない婚約者仰止に会うこと。彼にとって、金条と同じくらい重要なのが彼女から送られた写真と手紙を入れた財布です。

 そんな彼と金条を広東から上海まで無事に送り届けるために、選ばれたのが老孫。二人が乗った列車が匪賊に襲われ、老孫が腹に巻いていた金条を見られてしまったことから、二人の旅は生死をかけたものとなります。

 

 南洋では金持ちのおぼっちゃまだった徐天がこの旅を通して、多くの人物たちと出会い、何度も死の淵に立たされながら成長していく姿が描かれています。これを「白紙」だった徐天が「血にそまった紙」になっていくというような表現をしている中華サイトの描き込みも見ましたが、まさにそういう感じです。

 

 まず共に上海に向かった老孫は奪われた金条を取り返し、徐天を無事に届けるために命を懸けます。目的達成に何が必要なのかを適切に判断し、思い切った策を実行し、詳しい説明などはしない。彼は自分の命と引き換えに、閩西の俞姓一族の長兪亦秀に徐天と金条を上海へ連れて行くように求めます。

 長い間、一族の暮らす城塞に閉じこもり外の世界に強いあこがれを持っていた彼は、家長の椅子を放棄、徐天と共に旅に出ることにします。

 兪亦秀についで、徐天を助けるのが金華の小さな村に住む章加義とその妻刀美蘭です。章加義は表面的には気の弱い村医者、刀美蘭は村人達から一目置かれているキップのいい美人。実は章加義は共産党らしく、徐天と共に国民党を相手に銃撃戦を繰り広げることになります。

 徐天も彼らの影響を受け、急激に一人前の戦士、というかゲリラ戦の達人へと変貌していきます。なにしろこの話、長いようでほんの数日間のドラマ。その間に、次々と徐天の関わった人たちが彼を守って死に、その仇討ちを徐天たちがするという展開で実に血みどろ。

 

 やっとやってきた上海では、もう徐天はすっかり別人で、老孫そっくりになっています。
 それでも婚約者仰止を探すことは忘れません。でも見つけたと思った彼女が別人・・・では、本物は?と一つの真相がわかるまでに何重ものベールがかかっている感じです。

 

 18集のドラマですが、暴力描写も多いし、銃撃戦や戦闘シーンも多い。人を宙づりにする場面が多くて、演員の皆さんにはほんと大変だったと思います。そちらを見るのも一つでしょうが、やはり徐天が次々に出会う人たちの生き方とかを見るのが一番だと思います。

 

 それを十分に見せてくれるだけの演員がそろってます。

 徐天には董子健、彼はこういうごく普通の若者が変貌していく様子を表現するのがうまいですね。のんびり居眠りしていた冒頭から一変、凶悪な表情まで見せる大結局近くなど、すごい俳優だと思いました。

 

 老孫には廖凡、生まれてすぐに子どもを亡くし徐天をその子のように見なしています。苦難を共に潜り抜ける中で徐天は彼を師とも父とも感じるようになっていきます。古参の戦士というだけでなく、そういう懐の深さを見せてくれていると思います。

 

 兪亦秀には張魯一。兪亦秀は生まれて初めて城塞の外の現実を知って、国民党の政治に幻滅していきます。そういう現実の前に外の世界への幻想が打ち砕かれていき、彼自身の性格も崩壊していきます。もともとなんとなく現実離れしたキャラを演じるとしっくりくる張魯一ならではだと思いました。

 

 章加義は張譯、まるで根性のなさそうなうじうじしたキャラ、実は筋金入りの戦士というのは彼の持ちネタのような気がしません?ぱっと見にはコミカルな場面も大真面目に演じているので、見ているときはじっと真面目に見てる、でも、ちょっと経つとこれ、笑ってもいいよね?となるようなのも彼ならではじゃないですかね?

 

 今回は田雨演じる陶涛とのやり取りがおもしろかった。古くからの友だちで戦友の二人。田雨は「慶余年」の王啓年と同じくいっぱいしゃべって文句たらたらだけど、やることはきっちりやる。最後には機関銃まで持ち出したしw

 

 刀美蘭は佟麗婭、「琅琊榜之風起長林」でもそうだったんだけど、こういう竹を割ったような性格の女性キャラがよく似合いますね。江戸っ子?

 

 仰止には「孤城閉」「玉骨遙」の任敏。彼女より目立ってたのが、身代わりになってた賈若蘭の邱天。彼女、「平原上的摩西」でも董子健と共演してました。あのときもしんどいキャラだったけど、今度もしんどい・・・

 

 この調子で名前上げていくと私の一押し楊皓宇とかお嬢様役だった蘇暁彤、やっぱり反派連奕名、こちらもやっぱり反派の宋熹とか言い出すとキリがないわけで・・・つまり私もこのキャスティングが好みだったということですねw 
 なお、ちらっとしか出ないカメオ出演の皆さんも豪華なんですよ~

 

演 員     角色
董子健  飾  徐天
张 译  飾  章加义
张鲁一  飾  俞亦秀
廖 凡  飾  老孙
佟丽娅  飾  刀美兰
田 雨  飾  陶涛
吴晓亮  飾  俞舟
邱 天  飾  贾若兰
任 敏  飾  仰止
娄艺潇  飾  崔萍
连奕名  飾  六叔
许君聪  飾  呼兰
苏晓彤  飾  柳条儿
杨皓宇  飾  王鹏举
张晶伟  飾  马天放
宋 熹  飾  吴达
周小飞  飾  六婶
刘 洋  飾  胡蛮
晁 坤  飾  把头
雷 佳  飾  当铺男人
尹 昉  飾  码头小哥
黄澄澄  飾  郭副官
王鹤润  飾  火车女人
刘 敏  飾  壮媳妇
印小天  飾  中年男人(开篇)
郑仲恒  飾  陈虎
佟 磊  飾  诸葛明
戚云鹏  飾  吴老板
田 璐  飾  劫匪甲
王沛禄  飾  劫匪乙
徐 兵  飾  照相馆老板