江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

雲之羽 その1

1~8集

 

 ある日突然新しいドラマが配信されるというのに、すっかり慣れてしまいました。これもそういう空降劇の一つ。郭敬明が導演のはずなのに、名前が違うとか早速いろいろ話題になっています。

 

 まずはドラマの紹介です。このドラマは宮門を率いる執刃の息子宮子羽とその宮門に送り込まれた無鋒の殺手雲為衫の話を描いていますが、恋愛ドラマという色合いより「風起隴西」のような「誰一人信用できない権謀術策ドラマ」の方に近い印象を受けました。

 

 主演が「蒼蘭訣」でブレークした虞書欣と「少女大人」でいきなり主演デビューした張凌赫の二人で、脇を固めるのもどう見てもアイドルドラマの陣容です。ところが、このアイドル達を使って、できたのがこの黒くて、重くて、とてもアイドルドラマに思えないドラマ。

 以前にも「僕たちエキストラだもんね~」という若手を使って権謀術策ドラマを作ってしまった「刺客列伝」というのがありましたが、こちらはさらに予算もかけてしっかりと作り込んだドラマになっています。

 と、突然「刺客列伝」を思い出したのは、執明を演じていた朱戩が出演していたからにほかなりません。どうも「刺客列伝」の出演者たちには母親目線になってしまうw

 

 



 宮門の執刃宮鴻羽と跡継ぎの少主唤羽が共に殺害され、一族のはみ出し者でなんの期待もされてなかった宮子羽が執刃の地位に就くことになります。宮門の決まりでは、ひと時も執刃が不在ということは許されない。そこで三長老は、たった一人、その場で条件を満たしていた宮子羽をあっという間に執刃にして、背中に執刃の入れ墨まで入れてしまいます。

 

 これが気にくわないのは、跡継ぎの少主だった子羽の兄より自分の方が実力もあり、執刃にふさわしいと自負している宮尚角とその弟宮遠徴。亡くなった少主でも納得できなかったのに遊び人の弟なんか問題外と不満を顔にも態度にもむき出しています。子羽には執刃になる資格はない、執刃にふさわしい実力を持っているか試す三域試煉もパスしていない、そもそも執刃の子どもなのかも怪しいと猛っています。

 

 彼らが角突き合わせているのと並行して描かれるのが、無鋒から送り込まれてきた雲為衫と上官浅の話です。この二人は無鋒の過酷な訓練を生き残り、武侠劇お馴染みの指示に従わないと解毒薬やらないという薬を飲まされて、ここにきています。外界からの人間を受け入れない宮門が20年にただ一回、新娘を外から迎えるための会を開くという機会をとらえて、少主唤羽の妻になって宮門の内情を探らせようと潜入させられてきました。

 無鋒では魑魅魍魎の四つのレベルがあり、雲為衫は一番下の魑、上官浅が魅ですが、レベルが上の上官浅が年が上らしいとは言え雲為衫を姐姐と呼んでいるのになんか違和感、絶対なんか企んでると思う視聴者。
 雲為衫に指示を出しているのは寒鴉柒、上官浅には寒鴉肆と指揮系統も別々、お互いに相手を知らなかった二人ですが、それなりに協力もしています。

 

 この雲為衫を演じているのが虞書欣、上官浅は盧昱暁で「玉骨遙」で白雪鶯を演じていて、二人とも今回はまったく違うキャラを演じています。正直なところ、「蒼蘭訣」ではさほど惹かれるものがなかったんですが、今回の虞書欣は見せてくれています。

 

 本来は宮唤羽の妻の地位を狙っていたわけですが、とにかく子羽に選ばれた雲為衫、尚角に選ばれた上官浅が彼らの未婚妻として、宮門に残ることになります。しかし、彼女たちは無鋒の任務を果たさなければならず、隠れていろいろやってます。

 彼女たちがどう男たちを調略していくかも見どころです。本音を見せない宮尚角、兄に近づくものはみんな敵認定の弟遠徴を相手に、かよわい妻を演じて見せている上官浅が怖いw

 彼女たちの正体が明らかになったときにびっくりして騙されたと泣くのは子羽だけで、尚角は知ってたとにやりとしそうな気がしてなりません。

 

 雲為衫は三域試練に挑むことになった子羽を助けるために、彼の侍衛金繁に替わって侍衛の身分で后山に潜入するなど、もうお嬢様の仮面をかなぐり捨てた様相です。

 そんなときに子羽を支持していた月長老が無鋒の殺手無名によって殺害されるという事件が起こります。この無名、長年にわたって宮門に潜入していたスパイで、誰も正体を知らないという謎の人物。とはいえ、候補者は多くない感じ?

 この知らせを受けて后山から前山へと戻ってきた子羽、早速尚角兄弟は「三域試煉の途中で出てきたら、失格。執刃はこっちのもん!」といじめっこみたいなノリで責め立てています。

 そのせいで苦手な凍った池の底へと潜ることになってしまった子羽・・・というところで8集。

 

 このドラマ、「鵲刀門伝奇」とは逆に1集あたりが長いと思ってたら、実は長さバラバラ。70分もあれば50分未満もあるので、視聴の予定が立てにくいのが最大の欠点w

 

 全体的に誰一人信用できないという重くて、暗い話の展開です。その中で、一人ほっとする場面も提供しているのが子羽たちの堂姐にあたる大小姐宮紫商。彼女は子羽の侍衛金繁が大好きなのですが、全然相手にされず・・・なんか「みぎわさん」を思い出します。
 もっともこの大小姐、びしっと決めるところでは全くの別人だし、彼女にもなんか裏がありそうに思えてならない。

 そして、私はこういう性格の悪そうな人物が角突きあわしているドラマ、大好きなんですよね~ただし、後宮劇は除く💦

 

 執刃と少主殺害の犯人もまだ不明、無名が自ら署名を残していった月長老殺害も真相は不明、無鋒で寒鴉柒たちに命令している人物も不明と気になる謎もたくさん。

 

 毎日、1,2集ずつ更新されてくるのが楽しみな今日この頃です。