江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

九義人 その2

11~16集


 ドラマは、7年前と7年後の2集一組にした構成で進んできました。登場人物も増えました。16集時点で「チーム呉廉やっつけろ!」(個人的命名)のメンバーも7人となって、ジャックポット?などと軽口でも叩いてないとやってられんという胸の悪くなるような展開が続きます。

 勢いあまって、ちょっとオーバーラン気味ですので、立ち入りご用心ください。

 

 

 卑劣な罠によって追いつめられていく藺如蘭、自分自身も呉廉の性暴力によって妊娠していることに気づく孟苑というところから視聴再開。頼りにした孟苑の従兄という「弁護士」も「裁判」の場で裏切る。藺如蘭が手に入れた丁茹が残した呉廉の犯行の記録も彼の手で書き直され、またしても藺如蘭はうそつきの淫乱娘というレッテルをはられる。一緒に呉廉を告発する約束だった孟苑は母親に堕胎薬を飲まされ、役所に出向くことができない。

 

 追いつめられた二人は、いっしょに町を出てどこかで刺繍の腕を生かして自立しようとする。しかし、それに気づいた孟苑の母親が藺如蘭に孟苑を返してくれと泣き落とす。

 

 呉廉やその周辺の悪辣さは言うまでもないわけですが、この孟苑の母とか追いつめられた娘にもうどうしようもないから呉廉の妾となれと言い出す藺如蘭の両親とかの「お前のためを思って」的な行動が彼女たちを別方向から追いつめていきます。女の幸せは結婚だけ、とにかくどんなくず男でもつかまえてしまえば、一生が保証されると彼女たちの意思も思いを否定し、無理にでも結婚させようとする親たち。そういう「善意」や「愛情」という顔をした「加害」「悪意」も容赦なく描かれていきます。

 すべてをあきらめた感じの藺如蘭は、呉廉の妾になる決心をします。この時代、妾と言っても正式に呉家に入るわけですから、呉廉の正妻はそれなりの用意を整えようとしますが、呉廉は物置にしている部屋に入れればいいと言い放つ。この正妻、もともと呉廉との間にトラブルがあって、全く妻として扱われていません。

 これも呉廉の悪行の理由のように見せていますが、何事も自分は悪くない、周りが悪いと言うのは、いじめっ子でもセクハラ犯罪者でも同じです。

 

 7年後では、いよいよ正面切っての闘いが始まります。

 徐家の大娘子(正夫人)がかつて自分が襲った孟苑だとわかってるぞと呉廉がわざわざ本人に言いに来ます。彼女を役に立つとりまきと見ている寧国公夫人に徐大娘子が7年前の孟苑だと言いつけますが、自分の損得を考えろと孟苑に迫られ、結局呉廉を見捨てます。

 さらに、劉薪が連れてきた李春風が呉廉が自分が襲った被害者たちの名前を記した「リスト」を手に入れることに成功。彼女たちを含めて大勢の娘たちが被害に遭っていたことに今さらながら憤る一同は、彼女たちに証言してもらおうとする。しかし、7年の間に結婚したり、生江不明になっていたりと誰からも協力を得られない。

 現代の日本でも性被害を告発すると、被害者の方が好奇の目にさらされ、悪口雑言を浴びるから、被害者たちが泣き寝入りをさせられるという構図です。国が違っても、時代が違っても・・・

 

 そんなリストの中に李春風は7年前に突然姿を消した恋人田小玲の名前を見つける。尼寺に籠ってしまっている彼女をやっと見つけて、何とか説得しようとする孟苑と李春風ですが、心を閉ざした彼女を動かすのは簡単ではありません。

 この7年の間、科挙を目指す書生から盗人にまで落ちぶれても彼女を探し続けている李春風は白澍。どうも彼は脇を固めてる方が光る気がします。

 

 そして、徐家に呉廉がやってくる。徐家の主、徐之暘にお前の妻は顧秋菊ではなく孟苑だぞと言いつけ、どや顔していますが、「ぼくが付けた名前ですが、何か?」とスルーされてしまいます。孟苑にはこれ以上ばらされたくなければ俺の邪魔をするなと脅しをかけます。そこに劉薪たち一同が駆け付け、呉廉を追い払う。
 孟苑と徐之暘のなれそめはまだはっきり出てきませんが、彼女の過去も今しようとしていることもすべて知っているようです。ちょうど呉廉を裏返したようなよきつれあいというところでしょうか?中の人は、葉祖新です。すっかり見守りキャラで定着ですなw

 こうして、7年前の話と7年後の話の距離がぐっと縮まってきました。

 

 呉廉は、自分は寧国公夫人という後ろ盾を失っても、これでは終わらない、覚悟しておけと捨て台詞を残して徐家を去って行きました。ここから、こちらもまた違う話が始まりそうです。

 寧国公夫人が呉廉に作らせた刺繍を贈ろうと計画していた太后の誕生日まで二か月を切り、夫人は焦っていますが、孟苑はすでに違う刺繍作品を準備させています。この顛末も気になりますが、淮州府にやってきた天下に知られた清官類明章です。彼は日和見で無能な知府を退けて、自ら裁きの場に臨みます。孟苑たちの告発を聞いた類明章はとにかく証拠と証人が必要だと彼らにアドバイスしていて、これからの彼の動き位置づけも気になります。

 ところで、この類明章の口うるさい夫人を演じているのが、また方暁莉なんですが、またしてもまるで違う人で驚いたw

 

 ますます下司っぷりを発揮する呉廉です。中の人的にはずいぶんな役やってるな~と思ってたんですが、考えてみれば彼って2008年の「書剣恩仇録」では主人公の陳家洛だけでなく下司い福康安もやってたし、2006年の「鹿鼎記」でも下司い鄭克塽やってたから、まあ心配することはないかと気づいた武侠迷💦

 全部で24集と聞いていましたが、25集に増えたんですね。ということで残り9集!楽しみです。