17~24集(大結局)ちらっと25集も
って、増えた25集どうしたって話ですよね。物語は当初の24集できちんと結末がつけられています。毎度おなじみのつまらん蛇足がついてしまったといってもいいですよね・・・
というわけで、勝手に「24集までしかなかった」ということにして、感想文を書いてます。できれば、クリアした方限定でお願いしたいです。
前回視聴分で、藺如蘭が呉廉の妾になる決意をしたというのが7年前。正夫人としての輿入れではないのに掟破りの赤い結婚衣装をまとった藺如蘭が呉家に向かっていきます。
追いつめられてこれ以外に行先のなかった藺如蘭の姿に、複雑な思いで見送る家族や孟苑。
藺如蘭は、言葉巧みに呉廉を望楼に誘い出して、彼に突き落とされたように見せて彼を罪に落とすつもりで自死してしまいます。
しかし、沈牧と共にその場の目撃者となった捕快が何も見ていないと証言を拒否して、腰の引けてる淮州府の知府陳之遠はまたしても呉廉の言い分を通してしまいます。
そして7年後・・・ここで7年前との2集一組は終わり、7年間の雌伏を続けてきた孟苑たちと呉廉の闘いが描かれていきます。
類明章が準州府にいる間に、呉廉の犯罪の証拠と証人をそろえて、公平な裁きを下してもらおうと必死に駆け回っています。もちろん、呉廉もそうはさせじと暗躍し、次々と卑劣な手段を繰り出してきます。
彼は官吏になれば、裁判になっても地元ではなく官吏の事件を扱う大理寺で裁かれるという決まりを悪用、都の高官を抱き込み、官吏の地位を得ようとします。もちろん、裁きを行う大理寺の高官も抱き込んであるわけです。
こういうところにも、行政や政治家との癒着とか官吏たちが大きな経済力や影響力を持った人物に忖度をするという現代社会でも多々見られる問題が取り込まれています。
徐々に追いつめられてきた呉廉はさらに悪辣な手段を使って妨害し、それに対抗して孟苑たちも危ない橋を渡ることになります。ついには仲間に犠牲者まで出てしまいます。
夫である徐之暘は、彼女の過去は知っていても、現在やっていることは知らなかった。「自分を利用したのか」と詰め寄りもしますが、孟苑を家に迎えたのは病身の前夫人の世話をさせるためだったと彼女を許します。お互いに利用しあっていた関係から始まったとしても、結構よい夫婦だったのかもしれません。しかし、彼女はこれから自分のすることが徐家に災いをもたらすと離縁を求めます。
仲間たちの犠牲によって呉廉の犯罪の証拠が手に入り、寺に籠っていた田小玲が孟苑と共に呉廉を訴える決心をします。
今度の裁きをするのは類明章ですから、不正はできず次々と呉廉のやってきた悪事が暴かれていきます。そこに、呉廉が官吏として任官という文書と官印がやってきます。これで、自由の身だと勝ち誇る呉廉ですが、すでに皇帝から「現地で裁け」という命が類明章に与えられていて、呉廉の企みは水泡に帰します。
そして、出た判決は板打ちの後流罪というもの。数えきれない性的暴行、不正な商売、官吏の買収、それに何人もの犠牲者と思うと刑が軽すぎる気がします。類明章自身が、これができる限りの重い刑だと言ってますから、時代の縛りということでしょうか。もっともこれでは終わらなかったわけですけど・・・
つまりは、男性上位社会で女性に対する犯罪が軽く扱われているということでしょうか?それに対して「否!」と声を上げた女性たちやそれを支える周囲が二次被害にさらされてしまう・・・今、この時代、この国でも起こっていることに重なります。
ドラマの中に出てきた社会の抱える矛盾や不公平は当時のように制度として固定されてはいないものの、現代にもやはり暗黙の了解とか権力におもねる忖度とか言う形で残っている・・・そうは思いたくないのですが、少年たちを襲った性犯罪者の経営する某芸能事務所の事件を見ていると暗澹たる気持ちになってしまいます。
ドラマはいろいろ考えられる部分もあり、ストーリ展開にも起伏と広がりがあって、最後まで高い視聴意欲を維持して見終わりました。最初の方で出てきた人物や出来事が実は伏線となっていたというところもあって、目を離せないドラマでした。
ちょっと違和感があったのは、途中で呉廉の少年時代がいかに不幸であったかというエピソードが相当に長く扱われ、呉廉の正夫人章榕儿が結婚前に男性経験があったということで彼女とその母に騙されたと憤っているという二つが彼をとんでもない性犯罪者にしたというようなニュアンス。呉廉のための言い訳ですか?と言いたくなる。
サイコパスやシリアルキラーを扱ったドラマでは時々出てくる展開ではあるんですが、25集という蛇足のせいでそういう雰囲気をより強く感じてしまうのです。
で、ここからちょっとだけ25集の話。この25集では、こういうことにならなかったら?というifの世界が描かれているのです。幸せな結婚をする藺如蘭とか仲良く商売を始める孟苑と徐之暘とか・・・悲劇的な最期を迎えた人もいて、幸せにさせたいな~というのはわかるんですけどね~
ほら、「山河令」の顧湘と曹蔚寧とかね~
呉廉の父母と妾が仲良く、彼を支援し、彼はお菓子作りに目覚め、それを仕事にして大成功しているという話が最初に出てきます。そもそもこれを言いたくて、突然25集を出してきたようにも見えてしまいます。
子どもを将来とんでもない性犯罪者、悪人にするか、成功者にするかは家庭次第というわかりやすいメッセージ。わかりやすすぎて、なんかしらけてしまうのはへそ曲がりな視聴者だからですかね~
私にはこの25集は興ざめ以外の何ものでもなかったです。
しかし、最近なんかこういう蛇足が増えている気がしてなりません。彩蛋という形でアナザー・バージョンの結末を出したり、大結局その後を見せたりというのはまだしも、ドラマの中にそういうのが盛り込まれているのはほんと興ざめです。そういう点からいうと、まあ別立てで25集にしてただけよいのかもしれない。きっちり見ないですみますからw
演 員 角 色
吴 倩 飾 孟 宛
李佳航 飾 刘 薪
乔振宇 飾 吴 廉
胡意旋 飾 蔺如兰
汤晶媚 飾 柳三娘
杨雨潼 飾 田小玲
海 陆 飾 黄娇娇
邓萃雯 飾 宁国公夫人
侯长荣 飾 娄明章
张逗逗 飾 章榕儿
白 澍 飾 李春风
张康乐 飾 沈 牧
韩烨洲 飾 冯 大
叶祖新 飾 徐之暘
郑卫莉 飾 章夫人
娄宇健 飾 袁 嵋
林 源 飾 陈姨娘
陈思斯 飾 徐大娘子
韩宇辰 飾 赵玉诚
杜雨宸 飾 豆花西施
钟 祺 飾 武娘子
魏子昕 飾 陈知府
方晓莉 飾 娄夫人
单思杰 飾 赵 寅
江 鹏 飾 吴 安
出品人 孙忠怀、吴东毅
制作人 李尔云
监 制 王娟
原 著 《九义人》(李薄茧)
导 演 臧溪川
编 剧 黄芬、曹笑天
配 乐 郭思达
美术设计 邵昌勇
动作指导 王鹰
造型设计 侯云怡
服装设计 关越