江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

任贤齐版「神雕侠侶」

  Based on 神雕侠侣

 

イメージ 1
 
ここのところ、ちょっとずつ見てた任贤齐版「神雕侠侣」。あんまりな改変ぶりにまず言葉を失い、次にこれはこれでおもしろいと気を取り直し、けっこう楽しみながら見終わったところ。
何が違うって、まずのっけから楊康が黄蓉に「殺される」・・・あれま。
そのあとも違うのなんのって、とにかく登場人物が整理されていて黄薬師も一灯大師も周伯通も出てこない。そのかわりをすべて欧陽峰と洪七公がうけおって、崋山の頂上で対決してともにこの世を去るのは、小龍女が「16年後」と姿を消したあと。金輪法王トリオは出てくるけど、遼国王の血を引く「耶律」霍都王子を担いで遼国復興を目指していたりする。となると、襄陽を攻めてくるのは元じゃなくて、遼国復興をめざす「霍都軍」
郭靖たちも襄陽を守っていたんじゃなくて、たまたま陸家荘の帰りに遊びに立ち寄って巻き込まれただけ。しかも、混乱の中で生まれたのは郭襄だけ・・・破虜は出てこない。まあ、どっちでもいいけど。
尹志平は小龍女にほれた以外は欠点のない立派な人物で、彼女を襲ったのも趙師敬に陰陽和合散を飲まされたせい。その上、いたくこれを反省したけど、煩悩が去らない彼は自宮しちゃう!あれまあれま!

 

それに、特に前半は登場人物たちの性格がものすごく単純化かつ強調されている。郭靖は武芸は一流でも嫁さんに頭が上がらない、黄蓉はものすごく意地悪な才女、郭芙はとんでもない底意地の悪いわがまま娘で、父親も世間もなめてかかってる、瘋的欧陽峰は徹底的に瘋了・・・なにしろやってるのが李立群。趙師敬はとことん悪人、馬鈺はとことん優しく、丘処機はとことん短気でお馬鹿・・・
イメージ 2登場したばかりの小龍女は、能面のような表情で徹底的に感情をあらわさないけど、古墓を出ると一転、とことん人に依存するたよりない女になっちゃって・・・そういや白い衣装がなかったような気がする。この絵だけ見て、「神雕侠侣」ってわかりますか?そうそう出てくる女優さん、みんなきれいですが、どっちかというとかわい系、お姉さま系の小龍女を引き立てようって配役でしょうか。

 

とにかく、これだけ登場人物の数やら中身やらが違うとストーリーがもとのままであるわけがない・・・
古墓を離れた小龍女が尹志平と一緒に旅をしたり、程英が陸無双と楊過をくっつけようとしたり、金輪法王トリオにとらわれた郭靖と黄蓉を楊過が助けたり、欧陽峰と洪七公がなかよく碁をうったり、ラスボスは「耶律霍都王子」の報仇を狙う金輪法王だったり・・・あれまあれまあれま

 

けど、これ、けっこうおもしろいんです。
「絶代双驕」じゃなくて「絶世双驕」ってところでしょうか。
原作とどのくらい違うとかなんとかを基準にするととんでもない話ですが、これはこれって割り切ってみれば、切ったはったもスピードと変化があって、おもしろかった。