江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

大明王朝1566 嘉靖與海瑞 その2

27集~46集で看完了~

 
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 独裁者なのに政治はお前たちに任せたと言って自分は奥の院に引きこもり好き放題。
 思い通りに行かないことが出てくると周囲の大臣たちや太監たちにやつあたり、そのせいで民衆はいっそうひどい目にあうというパタンが繰り返されて、はや大結局。
 その独裁者の元で、これまた好き放題に暴利をむさぼっていた厳嵩父子を意外にあっさりと排除した後、そのせいで厳嵩の派閥に属していた有能な対倭寇の指揮者を使えたなくなったとわめいたり、もうめちゃくちゃ。大臣はじめ国中がわけのわからん宗教かぶれの皇帝にふりまわされている。それに真っ向からNO!を突き付けるのが、一小役人にすぎない海瑞です。
 
 当然、ブチ切れる皇帝。海瑞のいうことがあたってるだけにうろたえまくる周辺。
 
 皇帝が海瑞の命を助けたことになって、大結局ぶちっですが・・・別に、皇帝が改心したわけではない。
 脚を悪くした太監の黄錦に「間に合わなくてもいいから歩いて届けろ」と海瑞の死刑を承認する書類を持たせたり、とにかく他人の命やらなんやらを自分の気まぐれに振り回しては御満悦。
 
 ラストシーン、息子の裕王に皇位を譲ってやっとthe end
 
 こんな皇帝の時代に生きた民衆はたまったもんじゃなかったろう・・・
 
 さてと、この海瑞のお話についてのエトセトラを知ったかぶりでちょこっと。
 この話を元にした「海瑞罷官」という脚本が、1960年に書かれています。ところが清官海瑞の告発に怒った嘉靖帝がこれを罷免投獄するというこの話が、当時毛沢東が彼の批判者を罷免したことをあてこすっていると作者がつるしあげられたことを皮きりに、あの文化大革命が中国全土を席巻することになったそうです。
 それを考えると、よくまあこれをドラマ化したもんだというかドラマ化できたもんだと、それなりの時代の移り変わりを感じます。
 もっともそのせいで、本来もっと悪辣に描いてもいいような皇帝が時には「いいこと」をしそうにも見せかけています。
 
 さて、も一つ、知ったかぶり。
 このラスト近くの場面、皇帝一家三人を山型の筆立てに例えています(しょうもない言葉遊びですが)・・・一番上の画像の下半分です。しかし、山型に見えるのは筆立て(筆筒)ではなく、書きかけの筆を一時置くための「筆置き」(筆架)です。原語は筆架ですから、明らかな誤訳ですって。
 
 最後に演員表その他
といったって、あんまり知った名前はありませんが・・・
 導演:張黎   
 編劇:劉和平  
 
 嘉靖--陳宝国   
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  海 瑞--黄志忠   
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 厳 嵩--倪大宏   
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 厳世藩--張志堅   
 裕 王--郭広平   
 李 妃--闫妮   
 徐 阶--肖竹   
 高 拱--劉毓滨   
 張居正--郭東文   
 胡宗憲--王慶祥  
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 吕 芳--徐光明   
 陳 洪--劉立偉  
 楊金水--王劲松   
 黄 锦--趙雍   
 馮 保--徐成峰   
 王用汲--鄭玉   
 趙貞吉--徐敏   
 鄭泌昌--甘雨   
 何茂才--王戎   
 戚継光--陳之辉   
 芸 娘--王雅捷   
 高瀚文--譚凱   
 沈一石--趙立新   
 海 母--祝希娟   
 海 妻--胡霊霊   
 海 女--林海韵   
 李時珍--張子建    
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 斉大柱--晋松   
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 井上十三郎--三浦研一
 
 これだけの登場人物のほとんどが腹黒、陰ひなた、守銭奴etcな屈折したじいさまとおじさんというのもすごいです。
 終始一貫「いい人」なのは、主人公の海瑞、その友人の王用汲に李時珍、変人皇帝に使える太監の黄錦くらい。冒頭に生まれた赤ん坊、つまりは後の万暦帝です、まだ5歳くらいなのに、立派に皇爺爺と腹黒く渡り合ってますからw
 考えてみれば、とんでもないドラマだったかもしれん・・・
 
 この原作の小説には、続編大明王朝1587というのもあるそうで・・・果てしてドラマ化されるのか、はたまた日本で出されるのか?こちらも興味津津です~