江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

太子妃昇職記 その1

1~12集

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 予算がないんだから、時代考証もなんにも知ったこっちゃないと切り捨て、話がおもしろけりゃ衣装もセットもテキトーでかまうもんか!と開き直ったとんでもない低予算穿越電視劇が、ふたを開けてみたら、大ヒットしちゃったというお話。

 あの予算たっぷり、衣装もセットももちろん演員陣にもしっかりとお金をかけた芈月伝を向こうに、ぐ~~んと人気が出たのが、このドラマ。
 実際に見てみると、なるほど金ないなと納得。主役クラス全員新人、誰一人として見た覚えのある演員ない、衣装もとんでもなくチープ、セットはおんなじ場所使いまわして、小道具もほとんどない。
 なぜか豪華な声優陣とオリジナルなBGMだけが充実していますが、後はどうしようもなく安物・・・

 そんな悪条件でも、若い俳優さんたちが一生懸命やってるのも、けなげです。

 聞くところによると、衣装は通販で買ったとか、カーテン生地でちゃちゃっと作った、どこかのデザイナーの真似、鎧というより戦闘服は映画スパルタカスのパクリ、男性の衣装はすね毛むき出しのミニ丈、女性の衣装はやたら露出度高くてむだにトレン引いてるけど安っぽいとしか形容のしようがない代物etcetc

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 撮影したのは琅琊榜と同じところなんだけど、ほとんど土台むき出し。食器なんか100均でも3枚とかまとめて売ってるような感じ。料理が出てきても、その皿にちょぼちょぼ・・・

 なのに、けっこうおもしろく見てます。

 ドラマの出来不出来は脚本次第ってことを再確認。

 そのストーリですが・・・このドラマのポイントは、現代のオレ様プレイボーイ張鵬が、1000年前にタイムスリップ。ところが、転生した先は、若い女の体、しかも彼女は太子の妃だったというところ。

 美女に生まれ変わったと言っても、意識はオレ様な野郎そのもの。夫である太子が他に好きな女がいて助かったものの、こいつと…と考えただけで、げ~~吐いてる。逆に女の子は好きなんで、彼女に忠実な泣き虫の侍女を撫でまわしたり、やりたい放題。生理が始まって大ショック、実家に帰れば早く子ども作れと母親から責められてパニックとか、男儿心女儿身の落差が楽しい。

 やってきた1000年前の国の太子斉晟は張芃芃を妃にしているが、本当は彼女ではなく趙王の妃になっている江映月と相思相愛の仲。太子のライバル九王は、張芃芃を愛している。

 突然実施された宮廷サッカー大会では、夫婦関係を無視して、自分の愛する女はこっちと態度で示す男たち。

 ところが、張芃芃は本来ナンパ野郎なもので、太子にもいけいけ~私は気にせんよ~とおっさん丸出し。急に性格の変わった妻に戸惑う太子。
 とにかく本体は女好きのナンパ男なもんで、太子がその気になって迫ってきたら困る、気持ちわる~~というのが本音。

 8集までにこういうそれぞれの事情が分かって、いよいよ本題に入ってきた感じです。

 刺客に襲われた張芃芃を九王が助け、そこに太子もやってきて、嫁さんとられた趙王の送った刺客との戦闘場面。けったいな格好の割にアクションはできてます。

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 張芃芃は九王と二人、川に入って逃げ延びたところに、太子もやってきて、男二人が微妙に対立。で・・・なんとか窮地を脱した三人。

 ところがそこに皇帝急死の知らせが入る。

 これで太子vs九王の皇位争奪戦かと思いきや、張芃芃が目を覚ましたら、もう皇帝になっていた。予算ないから、即位の場面カットw
 太子改め皇帝は、九王と趙王を不問に。張芃芃を皇后につけるが、こっちも即位の場面なし。

 彼女を皇后にした背景には、趙王の妃江映月を養生させるという名目で密かに連れ込んでしまった皇帝の後ろめたさがあったわけだが、本体ナンパ野郎にはその心情がよくわかるというわけで、こっちも不問に。

 ところが、他の妃たちが彼女のせいで私たちのところに皇帝が来ないと泣きついてきたことから、女たちの気をそらすにはショッピング!と突然商売をすることを思いついた張芃芃。その名も「楽視」商城という店を始めて、九王や趙王まで巻き込んで宅急便も作ってしまって大成功。ま、楽屋落ちですな。

 どうやらバイアグラもどきの薬の宣伝場面の撮影シーンがえんえんと登場したのか不明です。なんか元ネタあるんでしょうねえ。

 その「楽視商城」輸入品に全裸のダビデ像があったので、またひと騒動ということろで12集終わり。

 それぞれが互いに好きなのは他の人間とオープンに主張してる不倫ドラマとも言える展開なのに、あっけらかん。ただ一人、太子の恋人趙王の妃映月だけが、私はか弱い女を前面に押し出し、張芃芃を陥れようと甄嬛伝的嫌がらせをせっせと実行中。

 なんか、こういう金ないから仕方ないやと開き直って、その分脚本も開き直って本来こんなんじゃないや~というのをそのままぶち込んだ感じ。

 チープさを逆に魅力にできた点で、人気をゲットすることもできたようです。

 全35集ですが、一回分が25分前後なのであっという間に終わってしまうと思います。でも、2回目見たいかどうかは、今のところ何とも言えない感じです。

 ところで、このドラマ「太子妃升职记」という題名なんですが、日本の漢字に置き換えて「太子妃昇職記」で間違ってるようなことないでしょうか?もともと間違いだらけなんですが、さすがに題名ぐらいは正確にしたい・・・