29~45集
ちょうど半分過ぎたところで、ドラマのオープニングがにぎやかなキャバレー画面からぐっと悲哀に満ちた感じに変わりました。ドラマ全体の雰囲気も、上海の事情も大きく転換。キャバレーに代表されるような魔都上海を跋扈する怪しげな人物たちを描いたハイテンションなドラマから、生真面目な革命ドラマに変わったかと思いましたが、その雰囲気は長続きしませんでした。
いや、ピンとはりつめたドラマも嫌いじゃないんですが、これにそっちは期待してなかったんで、ほっとしました。
第2部って雰囲気の29集のスタート、反帝国主義に立ち上がった労働者や学生たち、英仏が握っている上海の利権を奪おうと暗躍する日本のスパイたちの動きが大きく描かれています。
そんな上海に洪三元が上海に戻ってきます。すっかり無口になっての登場、林依依の死を周囲には隠し、彼女の敵を討とうとしている。
その洪三元が、労働者を束ねる共産党の梁興義や厳華たちと関わり、ただ敵を討つのではなく中国の将来を考えるようになる。前半の洪三元たち自身の遠大前程が中国という国の遠大前程へと変わったということでしょうか。
その夢竹を愛している斉林は、帰ってきた洪三元に複雑な思いで、于杭興の側近としての立場も固め、夢竹にも信頼されている。しかし、彼には永鑫公司の武闘派張万霖の弟子という顔もあるわけです。
こういう新たに緊張感を高めた人間関係なのですが、話が進むと洪三元は以前のペースを取り戻しました。ずっと重苦しかったらしんどいな~と思ってたので、心配は不要でした。
前半の洪三元の調子のよい成り上がり物語から、スパイや工作員の暗躍する諜報劇、革命前夜の労働運動を描いた史劇に夢竹、斉林、洪三元の恋愛へと話の重点が移りました。
でも、このドラマ、1920年代なのに十三太保だの丐幇だのが出てくるし、けっこう武侠ドラマ的な場面も多い。達人同士が腕比べして、互いを確認しあうとか、おお~あの○○さん、お名前はかねがね~というような場面も出てきて、吊り橋からとはいえ崖落ちした林依依は生きてるんじゃないかと思ってしまってるw
宝の場所を知った英国領事フォートン、日本人のスパイ渡辺とそれに操られていた沈青山たちが部下を引き連れてやってきた先は同じ客棧。そこで起こる毒を盛った料理の押し付け合いからの殺戮シーン。
英国領事の娘イーシャと彼らを追ってきた洪三元、結局宝のある洞窟を見つけるが、娘と共に隠れた棺ごと水中に放り込まれる。このあたり、盗墓ものそのまま。
この日本人スパイ渡辺父娘、実は于杭興の右腕杜賢と娘美慧。前半では美慧は友だち思いの夢竹の友人だったんですっかりイメチェン。で、スパイとして密談するときにはこの格好。なぜに?
夢竹の父にも斉林にも死亡フラグ立ってる気もするし、頼りにしていた友人親子はスパイだし、これから大変ですね~
視聴スピードが落ちてますが、これはこれでおもしろいです。