江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

河辺的錯誤

河辺的錯誤

 これも二月に見た映画です。
 朱一龍主演と聞いていたのですが、この主人公の刑事が彼に見えなくて困惑するところから始まりました。

 朱一龍というと古龍ドラマで見たのが多分最初、最近では「鎮魂」の沈巍ですっかり顔なじみです。他のドラマや映画でも見てるんですが、これ、ぱっと見じゃわからなかった。え?って感じです。「鎮魂」関連で趙雲瀾役の白宇とインタビューか何かに出ていて、さんざん白宇が「龍哥~毛人~」とからかっていたのを思い出しましたが、あの猿人メイクより、今回のメイクの方が出来がいいというのか、なんというのか💦

 とにかく、私の見た中で一番色黒な朱一龍w

 

 

 ストーリはタイトルの通り、川辺で老女の死体が発見されるところから始まりました。それを捜査するのが、馬哲をリーダーとするチームです。この馬哲は、表情に乏しく、人間関係が良好とは見えませんが、事件にのめり込むタイプの捜査官です。
 
 警察を舞台にした探案ものとも言えるんですが、もっとなんというか「この映画、何が言いたいんだ」とか「結局どうなった」などという書き込みがされるようなタイプの映画でした。私はわりと好きw

 

 馬哲たちは発見された証拠を追い、関係者を見つけていきますが、事件はますます混迷していきます。家庭も顧みず、寝食も忘れて捜査に取り組み、被疑者も割り出しもします。しかし、決め手のないまま、被害者も相次ぎ、馬哲は焦りの色を隠せません。

 

 映画は、この馬哲の視点で描かれ、現実の中に、彼の見ている幻想が混ざってきて、どこからが彼の幻想なのかわからなくなっていきます。被疑者たちや被害者たちの一通りではないキャラも、馬哲の幻想に拍車をかけ、彼と視聴者をますます落ち着かなくしてきます。

 

 そもそも、映画の冒頭で、閉鎖される映画館に捜査チームが移転するという話が出てくるところからそういう雰囲気をもたらしているように思います。がらんとした映画館の舞台で捜査官たちが証拠調べをしたり、議論したりしている。そんなところから、この映画の描く世界そのものがつくりものの「映画」ではないかというような感覚をもたらします。

 

 証拠品として発見されたカセットテープから流れる歌は「花」の中国語版だし、テーマはベートーベンの「月光」だし、耳慣れた曲が流れることが、かえって音楽方面でもどこか落ち着かない別世界感がしてたまらないのです。

 

 そういう何か地面に足のつかない刑事馬哲は、妻が現在妊娠中であるという現実にも直面しています。子どもを産むのか、あきらめるのか、夫婦の間で交わされる激論は結論を出さないままに、話が進みます。

 

 やがて、事件は終わりを迎え、時が流れます。

 ラスト、馬哲と妻は幸せそうに赤ちゃんを風呂に入れています。
 しかし・・・この赤ちゃん、見ようによっては「ローズマリーの赤ちゃん」並みにぞっとしました。現在のAI技術のなせる技なんですかね?で、このラストが強烈で、映画の印象が刑事ドラマではなくなってしまいました。

 

演 員     角色

朱一龙  飾  马哲
曾美慧孜 飾  白洁
侯天来  飾  局长
佟林楷  飾  小谢
康春雷  飾  疯子
王健宇  飾  许亮
莫西子诗 飾  王宏
刘白沙  飾  钱玲
曹 阳  飾  幺四婆婆
周庆昀  飾  河边小男孩
曾 淇  飾  小婷
黄 俊  飾  小赵

出品人    李国庆、唐虓珲、李婵、曾继媛、傅若清、孙力、韩梅
制作人    唐虓珲
原 著    余华
导 演    魏书钧
编 剧    康春雷、魏书钧
摄 影    程马志远
美术设计    张梦伦
造型设计    苏超

大唐狄公案 その4

27~32集(大結局)



 見終わりました。最初はすごい強い狄仁杰だね~スペクタクルだよね~などと言いながら、原作にも当たったりして、楽しんで見てたんですけどね~なんかここまで私は何を見てきたんだろ?というしかなくなってきて、困惑しております。

 

 そりゃ一応原作に元ネタなり元キャラはあるのかもしれませんけど、絶対こんな話じゃないとブツブツ言いつつ、視聴終了しました。いっそ、狄仁杰ものですという看板を掛けてなかったら、お金をかけた豪華な配役と美術に、結構出来のいいアクションシーンのドラマを素直に楽しめたと思うんですけど、狄仁杰っていうから~

 

 今回視聴分は、前回半分くらいまで話が進んでいた「雲雀啁啾」の残りと「朝雲書館」の二つです。

 むりやりこじつけたような展開をするこの二つのせいで、「このドラマ、狄仁杰かい?」と頭抱えることが増えてしまった。

 

 要は、このドラマは狄仁杰が黒焔とのかかわりの中で、法を守ることを信条としてきた官僚としての自負心が揺らいでいくという話なんではないですかね?だから、どんどんと悩みが深くなって、どんより暗いキャラになってしまう。

 ミステリのネタは割らないが信条の迷子としては、これミステリかい?という思いもあって、悩ましい。

 とにかく、彼は「雲雀啁啾」の中で黒焔のメンバーであった身内を自ら殺害することになってしまいます。この身内こそが、黒焔の首領でした、というのならまだ終わり方としては理解できるんです。でも、このキャラがラスボスというわけでもなさそうな?その前のエピソード「空葫蘆」で出てきたやたらに強い爺様キャラ葫蘆先生とか、どうなってんだろ?

 

 で、どん底に落ち込んでる狄仁杰は、結婚ももうすぐの曹安と二人で馬車でおでかけ。途中大雪に見まわれ、けがをして発熱、意識をなくした狄仁杰を連れた曹安は朝雲書館に助けを求めます。
 この朝雲書館もいかにも裏でなんかやってますという怪しげな施設、昏睡している狄仁杰を横目に曹安の大冒険が始まるのです。

 

 だから、海報見てもいちばんでかいのが曹安w

 

 雪の降りしきる中、朝雲書館の弟子が突然飛び降り自殺をし、それの捜査にまず首を突っ込む曹安というのはともかく、いつの間に検死までするようになったんだとか突っ込み続けます。プロの件作のみなさん、真っ青ですw

 この事件を通してのイメージは、怪奇ものとかいうより恋愛もの・・・

 

 これが最後のエピソードです。途中半端としか言えない終わり方。

 全体としては黒焔との衝突、彼の父や兄に関わる因縁の謎解きがあって、それに個々の事件もつながっていくという中国ミステリにはよくある構成です。

 

 毎回、登場してくる豪華ゲストは、「実は!」と誰もが思うわけです。まあ「古畑任三郎」パタンですか?犯人が先にわかっている倒叙ミステリというわけではないですが、こういうミステリの映像化には避けられないジレンマでしょうね。

 ところが、ある事件だけは、犯人が予想外だったんですよね~てっきり、このキャラだ!と初めから見てたんですけど、外れました。もっともこのキャラ、もう一回顔見せシーンが後から出てきて、こいつ第2季でまた大化けして登場するんじゃないか疑惑に苦しんでます。だってね~~~

 

 その噂にあった第2季、実はもうできてるような。大結局のラストに、短い第2季の紹介が出てきました。なんか妖皇化した雰囲気の白髪混じりの武則天だの、血まみれの狄仁杰だの、ここまでに登場してなかった王徳順の姿もちらっとあって、もう第2季できてますな~で、第2季は狄仁杰vs武則天

 

 そして、これを見る限り、ますます原作とは関係のない網劇テイストの狄仁杰になるんじゃないかと・・・
 そう、このシリーズ、網劇にいっぱい出てる低予算の狄仁杰ものをものすごくお金と時間かけてやってみましたという感じがすさまじい。

 

 途中からもう狄仁杰ものを見てるとは思わないようにして、見てました。それだとまあこんなものかと腑に落ちるんですけど、今度はそれでいいのか疑惑w

 ま、この原作そのものも欧米の読者なんかにはきっと異国風味を楽しませ、中華圏の読者には「なんかもやる」ものだと思われます。そこからいうと、この「なんじゃ、これ?」感は由緒正しいのかもしれないw


 第2季ですか?わたし的には出たら見ると思います。でも、この第1季が出てきたときのようなわくわく感はもう持てないかな~狄仁杰とかファン・ヒューリック原作とか言う看板外してくれたら、わくわくできるかもw
 もっとも制作のメンバーにファン・ヒューリックの一族らしい人の名前も見えるし、ほかにも欧米系の名前が見えるし、あくまでもこれを狄仁杰ものとして国外市場に売る気満々と見えます。

 狄仁杰なんか知らんで~という向きには、受けるのか、これ?と言うことで視聴終了!

 

 こちらも原作からは離れているけど、まだ筋の通ってる「大理寺少卿游」の続き行きます!

 

演 員     角 色
周一围  飾  狄仁杰
王丽坤  飾  曹安
钟楚曦  飾  皇后  
尤勇智  飾  洪亮
姬 他  飾  乔泰
凌 孜  飾  马荣

《凤印案》
张嘉益  飾  魏无疾
张晞临  飾  长孙卿
言 杰  飾  康执宜
刘端端  飾  皇帝
何中华  飾  狄知逊
王梓权  飾  贺大荆
吴 嵩  飾  县令

 《屏风案》
印小天  飾  滕坎
秦 杉  飾  银莲
赵雷棋  飾  霸宗
李 洋  飾  管家
杨明娜  飾  主事
任舒悦  飾  二娘子
陈宝国  飾  徐凯
冯 兵  飾  李翰

《黄金奇案》
李 晨  飾  侯愈
林家川  飾  易潘
翟小兴  飾  刘中使
杨皓宇  飾  王立德
康 杰  飾  白恺
栾元晖  飾  顾孟彬
克拉拉  飾  玉素
周 铁  飾  金桑
杨 帆  飾  廋子

《雨师传说》
王茂蕾  飾  林掌柜
杨 雪  飾  莺儿  
姚卓君  飾  钟昉
肖 龙  飾  李校尉

《红亭子》
陈都灵  飾  秋月
衣 珊  飾  碧玉
牛子藩  飾  李陶
牛 飘  飾  李刺史
王双宝  飾  钱灏
贾 梓  飾  李县尉

《沙漠追凶》
张若昀  飾  刁小官
郭晓小  飾  韩咏南
李慕羽  飾  望东
袁墨凡  飾  周长义

《空葫芦》
王劲松  飾  葫芦先生
余皑磊  飾  朗刘
马千壹  飾  小薇
姜 峰  飾  韦晟
周小飞  飾  十一娘
张一杰  飾  姜校尉

《云雀啁啾》
蒋 毅  飾  狄英/林藩
张佳航  飾  楚磊
吴 旗  飾  萧掌柜
闫 勤  飾  朗夫人

《朝云书馆》
李乃文  飾  李淼
郑 伟  飾  周礼
周俞辰  飾  魏小宝
许京川  飾  林树
史 艳  飾  奶奶
刘伟明  飾  崔先生

出品人    薛继军
制作人    马骏、任双有
监 制    梁红、夏晓辉、谢颖、高因
原 著    罗伯特·汉斯·范·古里克
导 演    李云亮
编 剧    京榆、吉姆·基布尔、杜迪·阿普尔顿
艺术指导    张嘉益
美术设计    赵海
动作指导    秦鹏飞、张喜
造型设计    黄文英
服装设计    赵辉
视觉特效    刘倍宇

三大隊(映画版)

三大隊(映画版)

 

 2月に見た映画の紹介です。まず一つ目は「三大隊」

 ドラマ版も最初の一集だけはみたんです。どっちが先でもいいかな~と思ってたんですけど、やっぱりなんか違うんじゃないか?という気分が強くて、結局こちらから見ることになりました。
 なお、ドラマ版の続きは見てません。映画見たら今度は中華サイトにたくさん出てるドラマ版への苦情が納得できる感じになってしまって、どうにも視聴意欲減退気味。犯人も兄と弟が入れ替わっているし、なんか落ち着かない感じもしてます。
 ドラマの主役の陳昊とかも好きな俳優さんなんですけどね~

 ま、そのうちに、見るかもしれないです。

 映画はとにかくドラマより短いから、その間に事件の発端から最後のエピソードまでを効率よく展開していきます。ぐずぐず脇道に話を逸らしてる暇はない。だからでしょうか?十数年にわたる三大隊の物語が息つく暇もなく押し寄せ、それなのに彼らの上に流れた時間をしっかりと感じさせてくれる作品でした。

 

 主人公は張譯演じる三大隊の隊長程兵、彼のチームのメンバーが魏晨の徐一舟、曹炳琨の蔡彬、王驍の馬振坤、張子賢の廖健と程兵の師父楊新鳴の張青良の5人。

 

 強盗事件で出動した三大隊は、犯人の抵抗にあい、犯人の一人を取り逃がしてしまう。その上、逃げた犯人によって楊新鳴が命を落としてしまう。

 怒り心頭の三大隊は、捕えた犯人の一人王大勇に激しい暴力を振るい死なせてしまう。このために、彼ら5人はそれぞれに数年入獄することになる。

 

 8年後、保釈された程兵はかつての仲間と共に、逃亡した弟王二勇を探し始めます。先に刑務所から出ていたメンバーはそれぞれに新しい生活を始めていますが、程兵と共に再び「捜査」を始めることを選びます。

 ようやく足取りをつかんだ王二勇は名前を変え、住む場所も転々と変えて、なかなかとらえることができません。今は警官ではなく、一般人に過ぎない彼らは王二勇を追って、移動し、それぞれに手がかりを得られそうな職については手がかりを探し続けます。

 なお、この王二勇の偽名の一つが「王凱」。王凱はどこだ?王凱を知らないか?とか出てくると笑えてしまって困ったw

 

 当初は元気いっぱいに「三大隊!やるぞ!」とまるで試合前の体育会系のノリでしたが、だんだんと彼らにも家庭や恋愛などの「現実」が三大隊としての捜査を続けることを難しくしていきます。

 こうして、犯人に迫っていく確信もないまま、程兵一人が捜査を続けることになります。そして・・・

 

 ストーリにはモデルがあったそうですが、すさまじい執念で王二勇を追い続ける程兵を張譯が演じています。テンション低そうに見えて、実は熱く燃えてるというようなキャラは彼の得意技といっていいですよね。

 他の三大隊メンバーもそれぞれキャラがきちんとしていて、この人ならではという配役がされていたのも印象的でした。

 

 この映画、陳思誠がプロデュース、戴墨が導演です。どうも陳思誠はドラマより映画の方が剥いてるような気がしてならない。これだけの長期にわたる物語をコンパクトにテンポよくまとめて、しかも窮屈さを感じさせない手腕はさすがじゃないですか?
 
 というのも、今日はこれからドラマ版「唐人街探案2」を見る予定なんですよね~前作くらい楽しく見られるといいんですけど。
 

演 員     角色
张 译  飾  程兵
李 晨  飾  杨剑涛
魏 晨  飾  徐一舟
曹炳琨  飾  蔡彬
王 骁  飾  马振坤
张子贤  飾  廖健
杨新鸣  飾  张青良
陈 创  飾  女孩父亲
黄 璐  飾  程兵妻
艾丽娅  飾  张青良妻
高 叶  飾  马振坤妻
张新成  飾  阿哲
张本煜  飾  王二勇
王雨甜  飾  王大勇

 

出品人    尹香今、陈胜奇、黄珏、傅若清、李捷
制作人    赖维佳、黄一、计婧、张彤、刘沅玟、尧子迎
监 制     陈思诚、
导 演     戴墨
编 剧     张冀
美术设计    陈为任
动作指导    薛飞卫
造型设计    谭小诗
视觉特效    汪晶璞

大理寺少卿游 その2

9~16集

 

 あれもこれも順調に視聴中。というのも、ここしばらく自宅警備なんですよね~日中あまり出かけられないけど、家にいればいいだけで特にすることもないもんで、その分ドラマ見る時間ができてます。

 ドラマだけでなく映画もせっせと見てますから、そのうちまとめて感想文アップ・・・できるといいなぁ💦

 

 さて、今回視聴分。

 今見てる二つの古装劇が「大唐狄公案」とこの「大理寺少卿游」、時代背景が一緒なんですよね。武則天の時代。なので、どちらにも彼女が登場してきます。
 設定的には、主人公が白猫!というこちらのドラマの方がトンデモ展開のはず。なのに、両方並べると、「大唐狄公案」の方がもっとトンデモ展開しているとしか思えなくて💦
 そちらの方は、次かその次くらいにブログに書けるといいなと思っています。ほんととんでもない狄仁杰ドラマですw

 

 対して、こちらのドラマは思ったよりずっと「ふつう」ってのも変ですかね?

 

 事件の捜査そのものはもたつきながらも、「ふつう」に聞き込みしたり、「ふつう」に潜入捜査したりしています。金吾衛の邱慶之が李餅に無闇に敵対心を持っている理由が彼の生い立ちや李餅との過去の関係から来てる、そこに邱慶之の知られたくない過去も李餅の秘密も知ってるという一枝花というとにかく悪そうなキャラも登場。
 漫画と違ってドラマでは李餅の白猫秘密を知ってるのは陳拾一人という設定なので、李餅くん相当なショック。
 
 漫画では李餅はずっと白猫で秘密でもなんでもないのですが、時折「民が白猫少卿の姿を見てびっくりする」的な発言も出てきています。

 ドラマが始まったころにはけっこう白猫バージョンもあったんですが、今回視聴分ではあまり白猫の登場はなかった。その分、人間バージョンの李餅が猫っぽいしぐさをあちこちで見せてくれて、丁禹兮がまた上手なんですよね~

 なんならこの猫コスでも可w

 

 李餅が大理寺の少卿に任じられたことで明鏡堂の事件解決力も上がった様子。王七や阿里巴巴たちの個人のエピソードもちゃんと入ってくるのはお約束ですね。

 王七の両親が息子が大理寺少卿になったと大喜びでやって来たのに明鏡堂の一同は大騒動、陳拾が大理寺に正式採用されるための試験に合格させようとそれぞれ特訓とあれこれにぎやかにやってます。こっちのドタバタ劇展開、邱慶之や一枝花が登場してくる緊張感たっぷりのシーンに、上官擒の親子問題まで突っ込んで、只今龍王廟で発見された死体から始まる事件の捜査中です。

 


 もともと姿を消した兄の消息を求めて都にやってきた陳拾は、兄の手がかりを得て、大理寺を去る決心をします。知り合って以来ずっと陳拾を傍においていた李餅だけでなく、一同いかにも寂しそうです。

 紆余曲折の末に陳拾が大理寺に残ることを決めると李餅はほんとうれしそうで、BL風味を感じてもよさそうなところではありますが、そんな感覚にはならない。なんというか飼い主、いや下僕か?になついている白猫的な雰囲気ありますね~とかいうと怒られますかね💦

 

 

 原作漫画のエピソードはドラマでも取り込んではいますが、そのままというわけにはいかないようです。何しろ李餅、表向きには人間なんで・・・武則天の誕生パーティ聖寿節でのエピソードもあるにはあって、謎の踊り手を李餅が怪しんでいますが・・・そこまで止まり。

 

 ドラマ見ながら、この設定で主人公が白猫、人間バージョンでも超能力を持っているという部分をもっと見せ場にしないでどうするんだ?という突っ込みをしております。でも、必要以上にこのドラマが普通に見えるのは、原作漫画読んだからというより、全体「これ、狄仁杰?」と突っ込み続けた並走中ドラマのせいとしか思えないわけでして・・・💦

 

 それでも「大唐狄公案」は見終わったんで、今度は「紫川」ですかね?何しろ当分時間はあるのですよ。

大唐狄公案 その3

19~26集

 

 真面目に8集刻みでブログ書いてたら、もう大結局まで出てしまった。いや、きっとそうなると思ってたんですけどね~

 というわけで、内容の切れ目に関係なく機械的にブツっといきます。いかにも中華ドラマらしくないですかw

 今回視聴分のスタートは、張若昀ゲストの「砂漠追凶」、王勁松と余皚磊ゲストの「空葫蘆」には功夫マスターの周小飛まで登場、只今真っ最中の「雲雀啁啾」は蒋毅ゲストとなっていて、相変わらず豪華な顔ぶれ。

 ただし、「空葫蘆」に登場する葫蘆先生役の王勁松さんは「琅琊榜」の言侯の王勁松さんとは違う俳優さんです。でも、こちらの方もかっこいいですよ~

 

 しかし、話が進めば進むほど、「これ、狄仁杰?ファン・ヒューリック原作なんだよな?」と問い返し続けるようになっています。もちろん謎解きはあるんですから、その点ではきちんとミステリ。

 けど、ミステリ風味よりもっと武侠風味とかサスペンス風味、アクション風味の方が濃いような💦

 

 「砂漠追凶」では逃亡した犯罪者を追いかけて砂漠へと出ていく狄仁杰と喬泰、馬栄の三人が描かれます。このエピソードでは狄仁杰はひたすら法に基づいて犯罪を裁こうとします。そのことが極悪人を甘やかしてる、金持ちにおもねっている狗官と民衆からの非難を浴びることになります。狄仁杰は砂漠の駅丞が少女たちの人身売買に関わっていることを見つけても、法に違反していないと言い抜けられると罪に問うこともできない。さらに鎮西堡まで犯罪者を追いかけていけば、そこでは兵たちを虐待し続けた悪辣な上官が殺害されるという事件に遭遇、その上襲ってきた敵軍と鎮西堡の兵たちは血みどろの戦いとなり、狄仁杰たちも砦を守って奮戦する。
 これ、狄仁杰だよね?「上陽賦」とか「九州・海上牧雲記」じゃないよね?

 

 という話に登場して、狄仁杰に付きまとうのが刁小官と名乗る弓の達人です。これが張若昀。この刁小官という名前自体が、思わせぶりですね~
 彼は狄仁杰に対してあんたは大官、俺は小官と言ってますが、刁という姓自体が怪しい。というのも刁という姓もあるとはいえ、ずるいとか狡猾とかいう意味を持つ字なんですよね~昔「刁蛮公主」というドラマを見たときに調べた。日本では見たことない字ですね。私が知らないだけかw

 話を戻して、この刁小官は狄仁杰を助けもするが、あくまでも法に忠実であろうとする狄仁杰にそれでいいのかと突き付け、正義とは何かと問いかけ、敵対するような場面もある。とにかくかっこいいキャラです。それだけでなく、彼は狄仁杰の生き方を揺さぶる大きいな意味を持つキャラです。刁小官と関わったことで、狄仁杰は考え込む場面が多くなりました。
 この刁小官、張若昀でなくちゃと思わせるキャラでした。期待していた甲斐があったので、うれしい。さすがに配信前に「大唐狄仁杰」で画像探すと、一番たくさん出てくるのが張若昀の刁小官だっただけのことはあるとか納得してます。

 

 そして、次の「空葫蘆」では、ずっと狄仁杰の周辺に姿をちらつかせていた黒焔という謎の組織と接触することになります。多くのメンバーがいるのは確実でも、誰がメンバーなのか確定できない。誰もが知っていて、誰もが知らないような存在。
 でも、この黒焔、民衆にとっては官より民衆に寄り添ってくれる正義の味方的なところもあり、義賊的なところもあり、でも、狄仁杰=官サイドから見れば犯罪者集団というところ。なんというかロビン・フッドみたいな感じでしょうか?違うのは、主人公の立ち位置です。

 

 このエピソードでは、狄仁杰が黒焔の腕利き十一娘と対決という見せ場がありました。なんと言っても周小飛と周一圍が繰り広げた一騎打ちがすごかった。周一圍、武打星ではないのに、全国チャンピオン相手に大バトルするんだもんね~
 これ、狄仁杰だよね?「少林問道」じゃないよね?

 

 とまあ、目をこすりつつ視聴継続してます。残るエピソードは「雲雀啁啾」を含めて二つ。
 なお、啁啾というのは鳥のさえずりのことらしいです。

 

 謎の死体が見つかったり、新婚夫婦が互いに殺しあったらしい現場を発見したりと今度のエピソードはグロテスク度が高い事件が続きます。でも、こちらはまあ普通に?事件を捜査していて、前の二つのエピソードよりはミステリっぽいスタートw

 それに加えて、狄仁杰の子ども時代のエピソードなんかも入ってきた、曹安との結婚もまじかとなってきたと忙しい。
 
 だんだんと狄仁杰の眉間のしわが深くなってきた今回視聴分。
 原作ではこんな感じじゃなかったよね~と記憶をたどっても具体的に出てこないのが哀しい。でも、もっと淡々とした感じだったような?絶対こんなに武侠ドラマだったり、スペクタクル展開だったりはしなかった・・・はず。

 

 で、「大理寺少卿游」はさんで、次回更新は大結局まで行く予定です。でも、もう第2季とか言う声聞こえてきてるんですけどw

大理寺少卿游 その1

1~8集

 

 RCの漫画「大理寺日誌」の真人ドラマ化作品です。すでにアニメにもなっていて、どちらも人気を集めています。

 で、このドラマ化です。

 どうなることかと、原作やアニメのファン、主役の丁禹兮をはじめ出演者のファンのみなさんが興味津々だったはず。原作漫画はTwitterなどで見ていましたので、私もそれなりにドキドキワクワクして待ってはいました。なのに、データ仕入れていない怠惰な私💦

 ドラマはやはり原作とは違っていて、大幅改編と言っていいと思います。

 

 なにしろ、主人公が人間w
 漫画では主人公の李餅はずっと白猫の姿で登場、周りの人々も白猫の大理寺少卿とふつうになじんでいます。真人版では、その李餅を演じるのが丁禹兮。何となく猫っぽい雰囲気の持ち主だと思っているので、配役的にはよいのではないでしょうか?時に猫の姿になったりするのも楽しい。

 

 もう一つは大理寺少卿がもう一人いて、それが任敏演じる上官擒。その代わりと言っていいのか、原作に登場する李餅の上司にあたる大理寺卿がいないようです。

 

 登場時点では、姿を隠して大理寺の明鏡堂の捜査を手助けしていた李餅。陳拾は兄を探しに洛陽にやってきたはずが、李餅と出会ったことで彼の秘密を知るただ一人の人間として共に大理寺に入ることになりました。

 大理寺の明鏡堂は大理寺卿であった李餅の父が作った再審の権限を持つ組織ですが、三年前の妖猫案以来当時の勢いは失われている。現在大理寺を率いているのが上官擒ですが、彼女は役立たずの明鏡堂の面々にイライラしている。けど、彼女自身も大して能官というわけではなさそうです。

 大理寺にやってきては、上官擒に嫌味を言ってはいるのが左金吾衛大将軍の邱慶之です。中の人に見覚えがあると思ったら、「山河令」の七爺の魏哲鳴でした。

 邱慶之は三年前の事件も含めていろいろ裏で企んでいます。このドラマでは大理寺少卿は二人配置のようで、その地位をもらえると思っていたのが邱慶之の配下来仲書。このあたりが今のところメイン反派な様子ですが、まだまだ隠れていそうです。

 

 明鏡堂の面々は、常に筆を持って何か記録している主簿崔倍、迷信好きな評事孫豹、騒々しい録事の王七、官話八級試験に落ち続けている評事阿里巴巴の4人。性格付けは漫画と大差なさそうですが、崔倍の頭の上に黒雲がない。周囲の人にとんでもない悪運をもたらす黒雲付きの崔倍、好きなキャラなんですけどね~
 こちらの中の人は丁嘉文、孤城閉(清平楽)では、任敏が演じた徽柔公主の恋人曹評を演じてました。今回は、パワハラ気味の上官擒にさんざん噛みつかれてますねw

 

 彼らは、李餅の助けによって三年前の妖猫案に続く妖猫案を解決し、一躍面目を施しましたが、これまでの出来が悪すぎて単純に喜んでもいられない。

 李餅はこの手柄で、もう一人の大理寺少卿に任じられます。

 早速上官擒にたまりにたまっている「つまらない」案件の処理を押し付けられた明鏡堂一同。そこに一人の娘が冤罪を訴えてくる。李餅は事件に軽いも重いもないと、この事件の捜査を命じる。一方で彼は、父親の死をめぐる謎を解こうと捜査をしています。実は彼自身も父親の葬列で襲われていたのです。で、猫・・・

 

 今回のドラマがどの程度オリジナル展開をしてくるんでしょうねえ。上官擒を無理やり「割り込ませた」感がすさまじく溢れてきますが、そんなに破綻している感じはないです。

 配役もそれぞれキャラがきちんとたっていますし、それなりに原作準拠の配役選びが行われたように見ています。

 丁禹兮の李餅が明鏡堂の一同を引き連れ、洛陽の街を舞台に活躍するのと、彼自身の謎解きもこれからです。

 

 彼もいいのですけど、白猫少卿もイケメンでかっこいいので、こちらももっと見せてほしいかも。まあアニメの方見てろってことですかw

 ま、とにかく、もはや武侠ドラマかサスペンスドラマかというの重量系の「大唐狄公案」の合間に見るにはちょうどいいバランスです。

大唐狄公案 その2

9~18集

 

 今回視聴分は、前回に続く「黄金奇案」「雨師伝説」「紅亭子」になります。
 
 「黄金奇案」は予想以上にスペクタクルな展開で、これ狄仁杰?「祈今朝」とか「仙剣四」とかじゃないよね?と目を疑ってしまいました。

 黄金の密輸入が行われているのではないかと狄仁杰たちは捜査に乗り出し、その必要から船に乗って海に出ていきます。船の上での殺人事件や怪しげな一団の襲撃、その上に毎度おなじみの大嵐が来て、船は遭難・・・というパニック映画さながらの展開から、すべての事件を背後で操っていた人物との対決へと続きます。その間に曹安とのロマンスもそれなりにあったりで、これ、狄仁杰?
 
 こういうドラマで謎解き名探偵と凄腕の達人が一人のキャラに集約されているのはずるいんじゃないのという中華サイトの書き込みを見て、思わず吹き出してしまいました。そうなんですよね~謎を解くのは狄仁杰、彼の危ういところを救ったり敵とキッタハッタの闘いをするのは李元芳と役割分担がある方がおもしろいと思うんですけどね~

 で、この大嵐だとか大潮で海が干上がるとか言う大スペクタクルなドラマですが、たまたま家の本棚でただ一冊掘り出せた「東方の黄金」が原作なんですね。同じ名前のキャラがいるし、大枠は同じ話のようにも見えるのですが、もはやこれは別もの。某リフォームものリアリティ番組で元の家の柱数本しか残してないのをリフォームというのか?と突っ込むのと同じレベルで突っ込んでました。

 狄仁杰=梁冠華というイメージが焼き付いてるし、包青天ものとイメージがダブるせいなんでしょうけど、どうにも収まりが悪くてw

 別に決まりがあるわけでもないし、ネット映画にたくさんある狄仁杰ものにはこういうのもありますけどね~

 

 このエピソードでは侯兪の李晨とならんで、王立徳の楊皓宇が私的アイキャッチャ。李晨ももうイケおじ枠でいいのかな?
 
 で、この大事件の後、狄仁杰は今度は子どもが死体を発見したところから始まる事件と取り組むことになります。


 この「雨師伝説」に登場する鶯儿というキャラは昔ジョディ・フォスターの映画「ネル」を思い出させるようなキャラです。この謎めいた彼女、質屋の主鐘昉とその番頭らと軍営を束ねる李校尉が主要なゲストキャラです。その番頭が王茂蕾、鶯儿が楊雪、李校尉には肖龍と短い割には濃いメンバーです。

 雨を背景になかなかミステリアスな展開でした。

 同時に同じように雨を背景に曹安と狄仁杰のいつまでも煮え切らない恋話に、曹安に嫉妬する馬栄の一幕なんかもありました。なんか盛り込み過ぎ?

 

 「黄金奇案」では大掛かりな船のセットに本水ばしゃばしゃの海戦シーンや大嵐等をCGで作り込んでいましたが、この「雨師伝説」では、草むらや川辺、湿地帯に赤茶けた軍営が舞台で比較的おとなしい感じ。

 

 狄仁杰と曹安のデートシーンの撮影に使われたのが、この河原。中華時代劇を見るようになって、何度見たことやら。こういう懐かしい部分を微妙に混ぜてくるのがうまいんですよ、このドラマ。

 こちら、多分私が見た中で一番古い林志頴・蘇有朋版の絶代双嬌1999年。

 ついでに2012年の胡歌の軒轅剣之天之痕

 

 「雨師伝説」の最後、狄仁杰は海辺の蓬莱から砂漠の蘭坊への転勤を命じられます。曹安に一緒に来てほしいのひと言が言えない彼にイラつく世話焼き洪亮が楽しい。

 

 

 そして、砂漠の砂嵐に遭遇、命からがら蘭坊についてみれば、県衙は焼失、街は地元の「幇」が乱立し無法状態。狄仁杰一行は、どこの幇の旗も立ててない紅亭子に居を定めることにする。
 ところがその紅亭子の一室で李陶という青年が死んでいるのが見つかる。どうも自殺したらしいが、真相は?ということで捜査に乗り出す狄仁杰たち、彼らは同時に街を牛耳っている連中を叩き、住民たちの官への信頼を取り戻す必要もあるわけです。
 
 この李陶を殺したのではないかと疑惑を持たれるのが陳都霊演じる「秋月」というキャラです。狄仁杰だけでなく視聴者迷子もしっかり疑惑を持ったw
 中の人見ると犯人が分かるとか、ありますけどね~

 結果、どうだったかは見てのお楽しみということでw