江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

去有風的地方 その1

1~12集

 

 劉亦菲と李現の主演、雲南の大理やその周辺を舞台にしたドラマです。

 なんというか、なんにも「大事件」は起こらない。雰囲気的には「めがね」とか「日々是好日」といった日本映画を見てるときのような感じと言っては変ですかね?あまり話題の日本映画を見ないんですが、こうしたまったりとみられる映画は嫌いじゃないんですよね~
 
 劉亦菲が演じる許紅豆は、北京の五つ星ホテルで働き仕事もそれなりに順調、都会で忙しい毎日を送っています。でも、なんとなく仕事にも新鮮味がなくなってきたころ。そんな時に、親友が突然病死してしまいます。それをきっかけに、仕事を辞め、彼女の遺言「私が見られなかったものを見てきて」を実行しようと、雲南へと旅立ちます。

 

 大理雲苗村の民宿にやってきた彼女を迎えたのは、同じ民宿の長期滞在客たちと村の住人達。

 民宿の隣に住むのが、 李現演じる謝之遥とその祖母、弟の謝之遠。逃げた馬を追いかける謝之遠が紅豆にぶつかり、彼女のスマホが壊れたことから付き合いが始まります。

 

 スマホのない暮らしも悪くないとか言うので、そういう方向に進むのかと思いましたが、大理の小鎮の暮らしや洱海周辺の美しい自然や風景などを見せるのと同じくらいネットやスマホが大活躍するのが今どきのドラマですね。地方の抱えている問題や現代の社会に存在する問題を無視して、雲南をまったく現代文明とはかけ離れた桃源郷に見せかけて幻想を抱かせるというような単純な構成にはなっていません。

 

 民宿に集まっている人物たちもひたすら瞑想をし茶を楽しむ馬丘山、ネット小説の作家大麦、ギターを手放さない胡有魚、村の喫茶店で働く林娜とさまざま。

 

 小鎮の兄貴分として周りに頼りにされている謝之遙は大学を出た後北京で働いていたが、村に帰ってきて村の人たちに仕事の場を提供し、故郷を豊かにしようと頑張っている。仲間たちと会社を興し、馬を育て、村の中で経営が成り立たなくなったような店や民宿などを次々に引き受け、謝総と呼ばれています。彼は、謝暁春の学費を援助したり、その弟が上海に出ていこうというのを引き留めるように頼まれたりと東奔西走。

 家の中でも、苦労してきた祖母を大事にし、弟を教育し、それに加えて、村で起こるあれこれの解決に走り回っている。

 

 このおばあさん、阿奶を演じているのは呉彦姝という1938年生まれの大ベテラン。これまでにも何度か見てるはずですが、今回のドラマの阿奶は苦労してきた人生の重みと誠実な生き様、孫たちや周りの若い者たちへの気配り・・・とにかく格好の良い阿奶なのです。美爺もいいけど、美婆もよいですな~

 

 彼らの家からは紅豆が借りている部屋が見え、彼らの距離もどんどん縮まっています。紅豆、もう毎晩謝家でご飯食べてないか?

 本来、仕事を辞め、のんびりと雲南を楽しむつもりだった紅豆ですが、村人たちのペースに巻き込まれ、謝之遙たちの仕事を手伝うことになります。

 

 村では謝之遠が学校で恥をかいた、もうここにはいられないと家出したりしますが、起こる事件はみんな謝之遙や許紅豆の活躍で大団円を迎えています。

 

 ドラマは全部で40集らしいので、ここで四分の一を過ぎたところ。そこで謝之遙が許紅豆に気があるということを紅豆本人も、周囲も気づいています。村の阿姨たちは二人をくっつけよう、というかくっつくものとしてわいわいやってます。

 本来、親戚だの隣人だのがうざいドラマは見たくないのですが、ここには悪意がないんで見ていられます。「以家人之名」が最後まで見られなかったのはまさにそこがだめだったので、そっと顔を背けました。

 

 ドラマ全体は、主役二人のロマンスに謝之遙たちの起業の行方、許紅豆がどう人生の舵をとっていくのかを見ていくのかなと思います。

 劉亦菲を見る環境ビデオならぬ環境ドラマという見方もありますが、それもよし、雲南の美しい風景や独特な風習を楽しむもよし、村人たちの人情ドラマを見るもよし、とそれぞれの視点で楽しめるんじゃないでしょうか?

 

 個人的には、「天龍八部」のロケ地を訪ねた武侠ツアーで訪れた大理の街並みや大理古城、バスでずっと走っていった広い草原とかが懐かしくてたまりません。

 

 演員としては、劉亦菲の許紅豆、謝之遙の李現のほか、林娜に胡冰卿、胡有魚に牛駿峰、紅豆の亡くなった親友陳南星に呉倩、馬丘山の涂松岩は「以家人之名」の李パパ。

 他にもなじみのある人がたくさんでてくるので、こちらも楽しみです。