江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

去有風的地方 その2

13~22集

 

 えらいこっちゃ!「三体」始まってしまった!その上、めちゃくちゃ視聴意欲かきたてられる「狂飆」というのが始まってしまった!さらに他のドラマにまで手を出してしまった!
 
 「少年歌行」は武侠迷にはうれしくてたまらない作品だし、もう見るものいっぱいでうれしい悲鳴。
 
 ほんとに出ないときは何にも出ないのに、出るときはどっと来るんだよね~
 
 そんな中で、この「去有風的地方」、確かに私の視聴傾向、趣味としては異色です。

 見始めた当時は、なんにも起こらないドラマだな~と思ってました。けど、ここまで見てきて感じるのは平凡に見える「普通」の人々の人生に起こる事件、起伏です。殺人事件が起こるわけでもない、天下国家をひっくり返すわけでもない、天下第一の武功を求めるのでも、真っ暗な洞窟に財宝探しにいくわけでもない。でも、確かに一人ひとりにとっては「大事件」が起こっているのです。


 民宿に集まったメンバーはみな都会から何かの理由で雲南へと来ています。愛する家族や友人との別れであったり、会社の倒産であったり、小説家や音楽家がスランプに陥ったりと理由はいろいろでも、それらから逃避するために雲南に来たと言ってもいいのは同じ。


 でも、彼らと同じくらい、謝之遙たち雲苗村の人々の人生が描かれています。こういう美しい景色の地方を舞台にしたドラマで往々にして描かれる、美しい景色と同じくらい美しく純朴な地方の人々という構図にはなっていません。彼らの多くは生まれてからずっと村の中で育ち、お互いのすべてを知り尽くしています。だからこそ、言うべきことを言わなかったり、言わなくても良いことを口にしてしまったりしてしまうんでしょうね。
 でも、激しい口調できつい言葉を投げつけあっても肝心なところでは互いに許しあい助け合うことができる幼馴染でもあります。

 このドラマ、困った人間は出てきても、悪人とか反派が出てこないんです。深圳から来た夫婦が新しい民宿を始めると工事を初めたのに、業者に金も払わず姿を消してしまったという事件も、犯罪には結びつかずに終わりました。

 

 村人たちは許紅豆と謝之遙が結婚するものとお祝いモードですが、彼らは恋愛関係にはならないとみているのが民宿の女性たち。二人が気持ちを通わせているのはわかっていても、来月には北京に帰る許紅豆とこの土地に根付いている謝之遙の間では恋愛関係を乗じさせることができないと理知的な二人は十分わかってる、だから恋愛関係をスタートさせはしないというのです。

 

 許紅豆が謝之遙に亡き親友陳南星の話をしたことから、二人の距離は急速に縮まります。

 

 二人の関係を進めるようにという村の仲間に謝之遙がいうのは「それからどうする?」のひと言。二人が一緒に暮らすには紅豆が雲苗村に残るか、謝之遙が北京についていくしかない。村の人間は、謝之遙が取り組んでいるたくさんの事業を思うと彼が村を去ることなど考えられない、紅豆に残ってもらえばいいじゃないかと簡単に言う。しかし、謝之遙はそれはおかしい、いつも女性が折り合いをつけなければいけないのか、それでは紅豆に不公平だいう気持ちと恋愛感情との間で苦しんでいます。

 

 どんな障壁があっても二人は一緒になるのよ~とパッと燃え上がるような恋愛劇も悪くはないですが、こういう抑制のきいたおとなの恋はよいものです。劉亦菲も李現も細やかな感情表現がすばらしい。

 

 さて、民宿からは馬丘山が去り、大麦が去って行きました。雲南での月日を経て、それぞれが抱えていた問題に光りがさしたというところでしょうか。音楽家の胡有魚、実はネットで人気の「歌い手」だったらしい林娜は残っていますが、彼らもそのうちに村を出ていくのでしょうか?

 謝之遙の事業や村の青年たちと交流する中で、許紅豆はずいぶん大きな存在になってきていますが、彼女は本当に三か月の契約が切れたら村を去るんでしょうか?他のドラマも犯人捜しより興味のあるところですw

 

 ドラマは半分を過ぎたところですが、繊細なドラマ運びと演技にすっかり夢中で見ています。

 ハイテンションで展開していくドラマが多い中で、こういうドラマを見るのはなにか貴重な感じもします。
 とはいえ、「少年歌行」はもちろん見るし、「三体」も見たいし「狂飆」も見たいのです。めっちゃ忙しくなりましたw