江湖迷人

Yahooブログから引っ越してきた武侠迷のブログです。中華ドラマの古装劇、ミステリ、SF方面を主に取り上げて、感想文を書き連ねてます。ネタバレはしたくはないんですが、ばらし放題になってることも、逆に肝心なことを抜かして何のことかわからないこともあって、あまりあてにはならないので、ご用心ください。

黄暁明版鹿鼎記 その1

一気に見た


予想した以上におもしろかった黄暁明版鹿鼎記
カットになってたシーンとかの話は、また別に・・・

とにかく、見終わった感想を一言で言うと「せつないなあ」

イメージ 1原作や、梁朝偉版、陳小春版と比べて、今回のは韋小宝と皇帝康熙の友情や心の動きに焦点が当てられ、丁寧に描かれていると思う。
例えば、宮廷で偶然であった二人が広い紫禁城の中を我が物顔で遊びまわり、友情を育んでいくシーン。小桂子に皇帝であることを知られた小玄子の悲しみ、皇帝の望みに応え、友として付き合っていく小宝・・・二人の少年時代をまずちょっとノスタルジックな画面にのせ、やさしく伝えている。
そして、康熙が韋小宝にお前の秘密は知っているぞと伝えるシーン。確か原作でも他の版でも康熙がいきなり「いい度胸だな、韋香主」とつめよるんじゃなかったか。でも、今回は、康熙は何度も「他にいい忘れてることはないか」と確かめ、「没有」と応える韋小宝に失望していく。
友であり忠臣であると信じていた韋小宝に裏切られた康熙の悲しみ。それをわかりながらも、天地会を捨てるとはいわない韋小宝。

結局、小宝は天地会の仲間も父と慕う師父陳近南も裏切れず、さりとて康熙を暗殺しようとする帰辛樹たちをほっておくこともできず、板ばさみになって悩む。
康熙の攻撃から、天地会の仲間たちを助け、7人の妻たちを連れて、中原を去っていく韋小宝。

その韋小宝に、帰ってきて天地会を滅ぼすのを手伝えという康熙。ともに相手を恋しがりながらも、すれ違う思い。小宝には、康熙はかけがえのない友であっても、同時に他の友を裏切ることはできない。康熙は、小宝の二股が理解もできず、許せもしない。

そのいい加減でいきあたりばったり、欲深で、女好きで、怠け者で・・・欠点はいっぱいの小宝だけど、彼は終始「義」の人である。

イメージ 2呉三桂討伐をきっかけに、台湾を経て、康熙の元に戻った小宝。また、対ロシア戦で大手柄をたてる。
しかし、旧友茅十八を救い、康熙のもとを去ることを決意する。
7人の妻と3人の子を連れ、揚州の母のもとにもどる小宝。息子に「父さんは、白髪ができたか」と尋ねる。韋小宝、青春の終わり。

そして、広い朝堂に一人残された皇帝康熙、もはや「友」と呼べる人間はなく、大清帝国の独裁者としての道を一人すすんでいく。
康熙にとっても、青春の終わりである。

朝廷の権力争いも、小宝の色好みも、財宝探しも、すべてのストーリがこの二人の友情の移り変わりを彩っている。

私は、この黄暁明版鹿鼎記を「青春期」として、楽しみました。
ほんと、おもしろかったです。

他のことは、また別に・・・